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ここはとても速い川 講談社文庫
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ここはとても速い川 講談社文庫

井戸川射子(著者)

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ここはとても速い川 講談社文庫

649

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2022/12/15
JAN 9784065302378

ここはとても速い川

¥649

商品レビュー

3.4

33件のお客様レビュー

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2025/12/14

「ここはとても速い川」 施設で暮らす主人公「集」は5年生。 一緒に生活している一つ下の親友「ひじり」とのやり取りや、ひょんな事から知り合う若者「モツモツ」と決行したある作戦、夏休みの宿泊訓練など、日々の出来事が集の目線で語られます。 ダダーっと一気にしかも次々に話題が移っていくこ...

「ここはとても速い川」 施設で暮らす主人公「集」は5年生。 一緒に生活している一つ下の親友「ひじり」とのやり取りや、ひょんな事から知り合う若者「モツモツ」と決行したある作戦、夏休みの宿泊訓練など、日々の出来事が集の目線で語られます。 ダダーっと一気にしかも次々に話題が移っていくこの文体がすごくいい。整っていなくて子どもが話しているそのままの感じ。あっちこっちに飛びながら時々フッと出てくる言い回しや比喩によって、この世界にググッと近づく感覚が読んでいておもしろい。 子どもらしい文章の中に急に差し込まれる、集やひじりの抱える問題にギクッとしたり。集の心境が垣間見えて切なくなったり。出てくるアイテム(亀ゼリー、スライム、アガパンサス、絶品チーズバーガー…他多数)もいちいち情緒的。 「膨張」 主人公「あいり」は特定の定住する住居を持たず、ゲストハウスやホテルなどを転々としています。 こちらもあいり目線で心情がつらつら移り変わっていく文体。そこに乗っかってあいりを追体験しようとするのですが、掴みどころがない。なんとかくらいつくもラストでは見事に振り落とされました。えーっ?何なに!? これは、他の井戸川作品も気になる〜

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2025/08/12

本のタイトルになっている「ここはとても速い川」と著書のデビュー作である「膨張」の2編を収録。 「ここは-」は主人公の少年の関西弁による1人語りの形式ですが、方言で書いてあることに加えて、子どもならではの話の飛躍も多く、話の筋がよくわからなくなるところがあちこちにありました。 た...

本のタイトルになっている「ここはとても速い川」と著書のデビュー作である「膨張」の2編を収録。 「ここは-」は主人公の少年の関西弁による1人語りの形式ですが、方言で書いてあることに加えて、子どもならではの話の飛躍も多く、話の筋がよくわからなくなるところがあちこちにありました。 ただこれが、第三者目線で筋道立てて展開される物語であれば、全く印象は変わっていたはずです。 これまであまり小説をたくさん読んできた方ではないですが、「わからなさ」をラッピングで包まず、そのままわからないものとして差し出す潔さ。それをアリとして受け入れる小説という表現の懐の深さを改めて感じました。

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2025/08/05

◼️ 井戸川射子「ここはとても速い川」 連ね続けられる文章、別れが、刺さる。野間文芸新人賞。 井戸川射子は芥川賞を取り、書評も見かけたので興味を持っていた。地元の人らしく、関西弁がからむ文章。詩人でもあるそうで、表題作と小説処女作の「膨張」、どちらも80ページくらいの作品が収...

◼️ 井戸川射子「ここはとても速い川」 連ね続けられる文章、別れが、刺さる。野間文芸新人賞。 井戸川射子は芥川賞を取り、書評も見かけたので興味を持っていた。地元の人らしく、関西弁がからむ文章。詩人でもあるそうで、表題作と小説処女作の「膨張」、どちらも80ページくらいの作品が収録されている。 さまざまな事情により親と暮らせない子どもたちの施設。小学5年生の集は1つ下のひじりと仲が良い。無邪気なひじりと、淀川の亀にエサをやったり、ボロアパートに住む大学生モツモツと知り合ったりと活動的に暮らしている。集は入院先の祖母の元へ通い、ひじりは病気が快方に向かう父親と会っている。親のこと、先生のこと、大人の世界は必ずしも、正しいとは限らないー。 なんか尻切れのあらすじ紹介となった。というのが、集のモノローグのこの作品、日々目にすることや出来事、友人のことを関西弁で連ね連ねて書くスタイルで種々のシーンが現れては消える。もちろん多少大きな動きであったり、集が気に病むことはあるが、基本は少し重たくずっと流れていく感覚だ。 そして喪失が訪れる。ここもさらり、だから余計に刺さる。幼い児童には自分でできることが限られていることを痛切に感じさせるラストになっている。 スタイルは「膨張」も同じでアドレスホッパー、決まった住処を持たずに日々共同ベッドのゲストハウスなどに泊まっている若い女性塾講師の話。ある性癖を持つ同性の恋人がいる。 まあその、読みやすいか、といえばそうではない。でも、「速い川」で感じたように人が暮らす世界には日々何かが関係し屈託も喜びもあるという感覚を伝える手法としては有効かもしれない、と思った。読みにくいが分かりにくいわけではない。また、この書き方に出会ったのは初めてでもない。 これも読書の1つできちんと立っている作品、ふむ、と読み終えたのでした。

Posted by ブクログ