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ここはとても速い川 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/12/15 |
JAN | 9784065302378 |
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ここはとても速い川
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ここはとても速い川
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商品レビュー
3.3
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作者は井戸川射子さん。1987年生まれ。詩集『する、されるユートピア』で中原中也賞、小説である本作で野間文芸新人賞、小説『この世の喜びよ』で芥川賞を受賞。 表題作『ここはとても速い川』は、児童養護施設で暮らす小学生・集(しゅう)が主人公。彼の周囲に存在する、施設や学校の友だち、...
作者は井戸川射子さん。1987年生まれ。詩集『する、されるユートピア』で中原中也賞、小説である本作で野間文芸新人賞、小説『この世の喜びよ』で芥川賞を受賞。 表題作『ここはとても速い川』は、児童養護施設で暮らす小学生・集(しゅう)が主人公。彼の周囲に存在する、施設や学校の友だち、先生、近所の大人らとの関わりや出来事が、彼の視点で描かれる。 本作ではとびきり大きな事件が展開することはない。でも、それがかえって登場人物たちの日常的な欲望、悲しみ、やるせなさを強く印象づけることになっている気がする。集が、施設の園長先生に思いの丈をぶつけ、でもうまく伝わらずに「集は優しいな」と頭を撫でられる場面が良かった。 また、本書に収録されている作品『膨脹』では、定住せずにいろんな場所を転々として暮らす「アドレスホッパー」の津高あいりの視点で、『ここはとても~』と同じく、やはり主人公の思考プロセスがダダ漏れするような感じで話が進んでいく。登場人物がみんな必死に生きている感じなのはどちらの作品にも共通しているが、『膨脹』はフェミニズム的視点がより強い印象で、大切な作品だと思った。 自分の頭の中をのぞいた時、私の思考はいつも複数のことを同時並行的に考えていると常々感じている。たった今、目の前で起っている事象について、仕事で次にやるべきことについて、社会問題や抽象的・哲学的問題について・・・など。それぞれ別チャンネルで、短い時間で次々に頭の中で切り替えながら、時には絡み合ってメタ的な新たな視点を思いついたりして。そういう思考の過程をぜんぶ言葉に起こしたような文章。私は本作を読んでいてそのように感じた。 とても特徴のある文体なので、スキマ時間で流し読みすることは難しかった。ある程度まとまった時間を取って、主人公の視点で、主人公の思考をそのまま受け取るつもりで読むことをおすすめする。
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読みにくい文章と言えばそうなる。描写や会話や独り言などが区別されずに書かれる。書かれる内容の展開も、気が散らかっているように、書かれている。意識が一処に留まらず浮ついているような印象も受ける。今の人たちが、どのように何を意識しているかを、意識が捉えたままに、羅列して、意識散漫にあ...
読みにくい文章と言えばそうなる。描写や会話や独り言などが区別されずに書かれる。書かれる内容の展開も、気が散らかっているように、書かれている。意識が一処に留まらず浮ついているような印象も受ける。今の人たちが、どのように何を意識しているかを、意識が捉えたままに、羅列して、意識散漫にありのままに描こうとしているのだなぁと思った。その人となりの意識に沿わせるようにして没入出来るかと言えば、自分は難しかった。
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2つの物語は繊細で、むなしさが残りました。 全てが報われるとは思っていませんし、自分の価値観を押し付けるのは違いますが、やっぱりどこかで報われていてほしいなと思いました。
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