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感情教育 河出文庫
990円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2022/11/05 |
| JAN | 9784309419299 |
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感情教育
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商品レビュー
4.2
11件のお客様レビュー
咀嚼せず、嚥下する本 噛み締めすぎて歯がすり減り、顎が疲弊する。 それでもなお、飲み込みたい。口腔内も咽頭も食道も全てが傷つくことなんてわかってる。 ピントのズレた気遣い。 目の前にある現実だけで十分重苦しいのに、これ以上の荷物を背負いたくなかった。 長らく電車に乗りながら読...
咀嚼せず、嚥下する本 噛み締めすぎて歯がすり減り、顎が疲弊する。 それでもなお、飲み込みたい。口腔内も咽頭も食道も全てが傷つくことなんてわかってる。 ピントのズレた気遣い。 目の前にある現実だけで十分重苦しいのに、これ以上の荷物を背負いたくなかった。 長らく電車に乗りながら読んだせいか、この本に引きずられたせいか分からないが、二日酔いの様な堕落した脳みその動きと胃が上下する様な不快感が私を包む。どれだけ嫌悪を抱いても今飲み込まなければもう飲めない。そんな想いが募り、手を止められない。 私に対して費やされた時間とお金と情熱の分だけ自分もお返しをしなければならない。感情や恋心、見えないものは流せる事が多いけれど、経験やモノとして手渡されたら苦しい。そのうち自分に向けられる感情さえも苦しく逃げたくなる。 うだうだと考える時間をくれない。ピシッと物語の終わりを示される。ああ、なんて傲慢で強いんだ。終わり方を自由にしてくれる物語をこよなく愛すが、時に振り回されるのも口角が上がる。 わかってる。早く飲み込まないと飲み込まれることなんて。中山可穂の織りなす文章には、上等なウイスキーをストレートでちびちび飲む様に隅々まで私を埋めて欲しい。
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何を言葉にしたらいいのかわからなくなるくらい、心を揺さぶられました。 女性の描写が素晴らしいのは言うまでもないですが、男性の描写も非常に巧みです。 読後は結婚って何だろうとか、出産って何だろうとか、絶対的な答えが存在しないような問いに向き合いたくなるような、そんな作品。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「白い薔薇の淵まで」を読了した後、すぐさま著者の中山可穂さんの他作品を調べた。この方の作品の世界観をまた味わいたいと思ったのだ。 中山可穂さんの作品は、今でも手に入りやすいものもあれば、絶版になり定価ではもはや購入できないものまであった。初期の作品は中古本をなんとか見つけ注文中である。 「感情教育」は、本の半分以上が主人公の那智と理緒の暗い生い立ちや2人が出会うまでの出来事が語られる。 宿命の2人が出会うまでに相当なページ数が割かれる。通常ここまで引っ張られてしまうと、途中で少し飽きがきたり、だらだら読んでしまうこともあるだろう。 しかし、不思議と苦なくすらすら読めてしまう。おそらく著者の文章が物凄く上手いのだ。 難解ではないのに、とにかく洗練された美しい文体。このような美しい文章に触れるのは初めてであった。 那智と理緒がやっと出会うシーンに辿り着いた時は、胸が弾んだ。 前述したようにまだかまだかと思っていたわけではなく、この2人の物語にお互いによって、愛や幸せがどうか降り注いで欲しいと思わされていたのだ。 「白い薔薇の淵まで」とは異なり、ハッピーエンドと言えるだろう。 宿命の運命の人なんていささかロマンチック過ぎるとは思うが、那智と理緒の出会いには、憧れを持たずにはいられないだろう。
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