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犬のかたちをしているもの 集英社文庫
550円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2022/08/19 |
| JAN | 9784087444278 |
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犬のかたちをしているもの
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犬のかたちをしているもの
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商品レビュー
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主人公の薫は郁也と付き合っているが、彼がミナシロという女性とセックスして子供を作ってしまう。このミナシロから「子供をあげるからあなた達で育てて」と言われる。 普通なら拒むと思うだろう。 しかし、薫は結婚も出産もしたくないが 郁也が子供を欲しいこと、職場、実家、社会から要請される結...
主人公の薫は郁也と付き合っているが、彼がミナシロという女性とセックスして子供を作ってしまう。このミナシロから「子供をあげるからあなた達で育てて」と言われる。 普通なら拒むと思うだろう。 しかし、薫は結婚も出産もしたくないが 郁也が子供を欲しいこと、職場、実家、社会から要請される結婚や子供を産むべき、という同調圧力に負けて、子供をもらうという選択に傾いていってしまう... 高瀬隼子作「美味しいごはんが食べられますように」の登場人物、二谷も「おいしいごはんなどいらない。食べられればいい」言う。 人は皆んなおいしいものが好きであるはず、という同調圧力に反発する。 薫は職場の女性上司が産んだ赤ちゃんを皆んなと一緒に「かわいい〜」と言う同調圧力に流されるが、内心では「赤ちゃんより犬の方がかわいい」と思っている。 薫は他人への愛の基準を実家で飼っていた犬と比べるぐらい犬を愛している。 薫は女性はこういうもの、という風潮に違和感を覚える。 赤ちゃんは可愛いというもの。 子供を産むもの。 結婚するもの。 高瀬隼子の短編「末永い幸せ」は地元で仲の良い友達に結婚式に出て欲しいと誘われる。 しかし主人公は結婚が家父長制の女を男に差し出すようなグロテスクさを嫌悪しており、出席を拒否する。 高瀬隼子作品ではこれらのような同調圧力に負けていってしまうが、抑圧された気持ちは攻撃に走る。 例えば高瀬隼子作「いいこのあくび」は真面目でいい子と評判の女性が歩きスマホに怒り、自らぶつかっていく。 「おいしいごはんが〜」の二谷も職場のお菓子を作ってくる女性に反発し、作ってきたお菓子をぐちゃぐちゃにしてしまう。 そして「犬のかたちを〜」の薫は職場の女性の赤ちゃんを「可愛くない、犬の方が可愛い」と赤ちゃんの親に言ってしまう...! 高瀬隼子は各インタビューで「日常のむかつきを日々メモしていて、それを膨らませて小説を書いてる」と語る。 また高瀬隼子は新潮2月号のエッセイで「犬と散歩した話」で実家の犬には家族にも言わない悲しみや怒りを犬に話していたと語る。 そう考えると「犬のかたちをしているもの」というタイトルが意味するものは高瀬隼子にとっての「愛」であり「小説」なのかもしれない。
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【あらすじ】 昔飼っていた犬を愛していた。 どうしたら愛を証明できるんだろう。犬を愛していると確信する、あの強さで――。 間橋薫、30歳。恋人の田中郁也と半同棲のような生活を送っていた。21歳の時に卵巣の手術をして以来、男性とは付き合ってしばらくたつと性交渉を拒むようになった。郁也と付き合い始めた時も、そのうちセックスしなくなると宣言した薫だが「好きだから大丈夫」だと彼は言った。普段と変らない日々を過ごしていたある日、郁也に呼び出されコーヒーショップに赴くと、彼の隣にはミナシロと名乗る見知らぬ女性が座っていた。大学時代の同級生で、郁也がお金を払ってセックスした相手だという。そんなミナシロが妊娠してしまい、彼女曰く、子供を堕すのは怖いけど子供は欲しくないと薫に説明した。そして「間橋さんが育ててくれませんか、田中くんと一緒に。つまり子ども、もらってくれませんか?」と唐突な提案をされる。自ら子供を産みたいと思ったこともなく、可愛いと思ったこともない薫だったが、郁也のことはたぶん愛している。セックスもしないし出来にくい身体である薫は、考えぬいたうえ、産まれてくる子供の幸せではなく、故郷の家族を喜ばせるためにもらおうかと思案するのだったが……。 快楽のためのセックス、生殖のためのセックス。子供を産むということ、子供を持つということ。 1人の女性の醸成してきた「問い」の行方を描く。 『こんな街で、こんな世界で、よく子どもなんて産もうって、思えるな、みんな。かわいそうだと、思わないのかな。傷ついたり嫌な思いをしたりするのが、目に見えているのに。子どもを産みたいとか持ちたいとかいう、自分の希望を優先するんだろうな。』 【個人的な感想】 妊婦さんのお腹を見て怖いと感じる気持ちはおかしいのかと思っていたが、主人公も同じことを言っていてびっくりした。 生まれたての赤ちゃんの写真を見て『昔、実家の納屋でひからびて死んでいたこうもりに似てる。』という表現をしていて笑ってしまった。 自分が子供を持つことに対して慎重になってしまう理由がこの小説の中には詰まっていた。 産みにくい身体、産めない身体になるとわたしも子供を産みたいと思うようになるんだろうか。 犬に対して感じる愛情に対して『愛することってこういうことだ』と文章で書き起こしてあるp38〜39も印象的だった。 色々なことを考えさせられた。
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面白かった。短めなのでほぼ通勤時間2日分で読み終えてしまった。 読み終わった今ならそりゃそう落ち着くよなと思うが、読んでる最中は驚きの展開だった。もらう、もらわない、どっちでもないんだ。産んでない人間には決定権がないんだ。 巻末の解説もよかった。
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