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老人支配国家日本の危機 文春新書1339
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2021/11/18 |
JAN | 9784166613397 |
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老人支配国家日本の危機
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老人支配国家日本の危機
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商品レビュー
3.6
27件のお客様レビュー
著名な人口学者であるエマニュエル・トッドによる著作。 「日本のシルバー・デモクラシーへの言及と提言」 「英米の急速なアンチ・グローバリゼーション的動向」 「ドイツ帝国と化したEU」 「日本の家族形態の系譜」 大きくこの4つのテーマが本書では解説される。 終始軽快な語り口で、内...
著名な人口学者であるエマニュエル・トッドによる著作。 「日本のシルバー・デモクラシーへの言及と提言」 「英米の急速なアンチ・グローバリゼーション的動向」 「ドイツ帝国と化したEU」 「日本の家族形態の系譜」 大きくこの4つのテーマが本書では解説される。 終始軽快な語り口で、内容がよく理解できた。 知らない知識も多くあり、特に第二部の論は新鮮で面白かった。 これは、現在の世界で最も支配的なイデオロギーである「資本主義」「民主主義」はともに英米(アングロサクソン)から出現しており、これらのイデオロギーがもし終焉を迎えるとしたら、それはやはりアングロサクソンからもたらされるだろう、という主張である。 一方、国家間の相違をすべて「家族形態の違い」だけで説明しようとするのは、些か暴論かと思った。 著者曰く、日本人がスクラップ&ビルドを苦手としているのは、日本の伝統的な家族形態が「直系家族」(男子長子が跡取りとなり、結婚した後も父の家に住んで、すべてを相続する。親子関係は権威主義的で、兄弟は不平等)であるからだとする。 対して、英米は「絶対核家族」(子供は早くから親元を離れ、結婚すると独立した世帯を持つ。遺産相続は親の意思による遺言で決定されるため、比較的親子関係は自由)なので、イノベーションの発想に優れるとする。 しかし、ここまで厳密な直系家族は現在の日本では残っておらず、英米のスタイルに近付いている。にも関わらず、この違いだけで国家間のパフォーマンスの差異を説明しようとするのは無理があるだろう。 日本がこの30年間停滞に甘んじているのは、「財政出動が不足しているためにデフレマインドから抜け出せていないこと」と「労働生産性が上がらないこと」の二つが要因である。 本書の論とは外れるので、仔細についてはここでは書かないが、前者は完全なる政治上のミスであり、後者は日本人の怠慢がもたらした結果に過ぎない。 無能で無知であるにも関わらず、勉強しようとも努力しようともしない、有能な者の足を引っ張ることしかできない人間が日本には多過ぎる。 この脱却を試みるにも既得権益と保守権力、老人が阻害するため、改革も遅れるという構造が日本には定着してしまっている。 総括。 本書は原因の考察と解決策の提示に関しては疑問がもたれるものの、「人口動態」を切り口とした各国の分析に優れる。一般論とは異なるが、面白い観点である。 今後の日本の在り方を考える上で参考にしたい一冊。
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いくつかのメッセージをまとめた本だから首尾一貫している訳ではなく、本の題名に合ってないようなものも含まれている。しかしながら特に前半は示唆に富むメッセージが多く、少子化への対応については本当に急がないとこの国はどんどん衰退していくのだろう。 移民の受入れ、同化、教育などは国が先導...
いくつかのメッセージをまとめた本だから首尾一貫している訳ではなく、本の題名に合ってないようなものも含まれている。しかしながら特に前半は示唆に富むメッセージが多く、少子化への対応については本当に急がないとこの国はどんどん衰退していくのだろう。 移民の受入れ、同化、教育などは国が先導してやらなくちゃいけないこと。カネを配るよりも先に、である。目指すべきは自国通貨が高くなるような施策であり、それだけお金を払ってでも行きたい、そこで働きたい、と思わせる国づくりだろう。簡単ではないだろうが、目指すべきだ。
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タイトル詐欺。編集社の会議で最悪のタイトル案と最悪のサブタイトル案が進んでいく様を見たかった。 人口学者の著者が、長男一人が財産を相続する直系社会である日本やドイツ、兄弟で平等に相続するアングロサクソン国の違いを結構しつこく語る。タイトルに反して日本にかなり好意的でリベラルを自...
タイトル詐欺。編集社の会議で最悪のタイトル案と最悪のサブタイトル案が進んでいく様を見たかった。 人口学者の著者が、長男一人が財産を相続する直系社会である日本やドイツ、兄弟で平等に相続するアングロサクソン国の違いを結構しつこく語る。タイトルに反して日本にかなり好意的でリベラルを自称する著者が日本に核武装を勧めるところは面白い。日本国内の左翼の主張では絶対にありえない。 今後、ネオリベラリズムの限界が見えてきて、世界がどう落ち着くのか、もしかしたらフランス革命から始まる民主主義の終わりに立ち会ってるのかもとか考えてしまう。
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