商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2021/07/09 |
| JAN | 9784065241882 |
- 書籍
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貝に続く場所にて
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貝に続く場所にて
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商品レビュー
3.2
113件のお客様レビュー
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読み始めの違和感は、読み進めるにつれて徐々に解けてゆき、自分のなかで柔らかい像を結んでいった。 終始、不思議で静謐感を漂わせている。 聖ウルスラが、迷える処女を導く物語。 ドイツには、過去の記憶が、とりわけ第二次大戦の哀しみが深く刻まれている。それは、忘れてはいけないという自戒も込められているけれど。 街には古い時間が染み付いている。 そんな遠い異国にあって、故郷で亡くした人を思う。忘れたくないと願う。そんな祈りの物語に感じた。 災害と天災、感染症。 正当にこわがる。 寺田寅彦の月沈原の記憶。 すべてが、惑星のように、巡って還ってきたようなラストだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2021年の芥川賞受賞作。前に友人からお勧めされていたのだけど、ふとして今手に取りました。なんでだろう、後発地震注意情報が出たりしているからだろうか? 受賞時の選評を読んで、結構辛口なものもあったけど、私はこの作品だいぶ好きだった。テーマやモチーフが重層的に重なっていて、技巧的なところが刺さりました。寡作なようだけれど、他の作品も読んでみようと思います。 主人公の専門である美術史のアトリビュート・他の登場人物・ゲッティンゲンで掘り起こされ出す彼女たちの遺物、貝がゲッティンゲンと東北をつなぐ、月沈原(ゲッティンゲン)と惑星の小径と冥王星の取り扱いと、、そこに記憶や死者と向き合うということ、が重なるのだから、私は好きでしたけど…(しつこく) ひとりの死者として対面する場所や余裕もなく、そして大半の場合、その死者の身体すらなく、その上で死が現実化してゆく。あの時間と場所を彷徨った澤田は、その記憶と言葉を切り取ったまま、内に抱え込んでいった。流れ過ぎる時間の中にその記憶や映像を埋め込めることはなく、それは彼の中で宙づりになっているのかもしれなかった。(p.27) しかし、言葉と感覚の距離感は、私の中でも渦巻いている。…そして、その感情の裏には、あの日の記憶や今も跡を残す場所、そして野宮への裏切りとみなす言葉の感覚があるのかもしれなかった(p.41) 過去は誰かの顔や姿を借りるものよ。それがぼやけているのなら、顔が見えるまで思い出すことに時間をかけなくてはならない。(p.50) …彼女の場合はまだ服に胸部が隠されているので、乳房の二重性は不透明のままである。彼女たちは、身体の一部を二重に任されて、持て余すことはないのだろうか。彼らの失われた部分が、傷ひとつない身体と共にあること、そして死してもなお、痛みの記憶の断片をこうして抱え続けることの意味に、私の関心は向けられている。 頭の中にある記憶を支えるのは、身体の記憶である。それは繰り返すことによって濃いあざのように、さらに身体に転写されてゆく。…(p.59) 間接的な視点しか持たない言葉を、私は野宮に向けることを恐れている。…言語化しない理由は、私が生きていて、彼がすでに死んでいるからではない。私が海に対しても原発に対しても、間接的な視点や距離感しか持っていないからなのだ。…(p.88)
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文章にずっとついていけなくて、ポカンとしたまま終わってしまった。記憶について、場所の風景画と肖像画、距離感など、心に残るものはあった。
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