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鳥類学は、あなたのお役に立てますか?
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鳥類学は、あなたのお役に立てますか?

川上和人(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2021/03/17
JAN 9784103509127

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商品レビュー

4.1

24件のお客様レビュー

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2025/09/08

鳥類学者の考え方を知りたいと思って、ちょうど良さそうな著者を発見したので。 自分も抱くことのある疑問。 外来種はなぜ排除しなければならないのか? なぜ、生物多様性を維持しなければならないのか? 外来種の問題は、それが既存種の生命を脅かすからだ、と説明されることがよくあるが、セ...

鳥類学者の考え方を知りたいと思って、ちょうど良さそうな著者を発見したので。 自分も抱くことのある疑問。 外来種はなぜ排除しなければならないのか? なぜ、生物多様性を維持しなければならないのか? 外来種の問題は、それが既存種の生命を脅かすからだ、と説明されることがよくあるが、セイダカアワダチソウのように、いっときの影響力はなくなり穏やかに分布を維持しているような種もあるはず。それも排除すべきとはどういう理屈なのか。この疑問は本書では得られなかったが、ヒントはあった。 生物多様性の維持については、著者の考察は目から鱗だった。 そもそも彼の取り組む鳥類研究は基礎研究であり、基礎研究とは、国民に知る楽しさを与える娯楽の提供なのだ、と。つまり、映画のプロデューサーや小説家のように、経済活動に勤しむ資本主義国家の国民に対して、財の投資先を提供するようなものだと説明していた。 そして、研究による発見は、ミケランジェロが大理石の中に埋められた神々や獣の姿をノミを使って取り出すように、生物に秘められた生態を取り出して明らかにすることだ、と。 われわれはなんとなく鳥を眺め、その姿に心を打たれる。その秘密を理解することで、夢の超特急が誕生したり、言語の解釈が変化したりする。種の豊かさを失うということは、自然に隠されたさまざまな物語を読み解く機会を永遠に失うこと(著者は焚書にも等しき行為、と言った)だ。人の役に立つことだけではない。娯楽としての知識の提供において、そのソースを失うことは、われわれの知的好奇心の源泉を失うことになるのだ。 と、いうことを言いたかったのかな?なるほど、ものすごく腹落ちのする解説だった。

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2025/08/01

ハイどーもー川上でーす!でおなじみ川上和人先生の著書、相変わらず川上節炸裂です。 絶海の孤島や火山島での調査、噴火や台風に翻弄されたり、国際会議での発表や目録の編集作業まで、鳥類学者のあれやこれやが詰まっている一冊。 特に外来種や絶滅の話題については、多方向から考える必要がある...

ハイどーもー川上でーす!でおなじみ川上和人先生の著書、相変わらず川上節炸裂です。 絶海の孤島や火山島での調査、噴火や台風に翻弄されたり、国際会議での発表や目録の編集作業まで、鳥類学者のあれやこれやが詰まっている一冊。 特に外来種や絶滅の話題については、多方向から考える必要があると知りました。簡単じゃないんだな… あとは、川上先生の著書は「やってる」箇所が多すぎてずっとニヤニヤしてしまうのです。 中学生の娘も「わかんないとこもあったけどおもしろい」とのこと。同世代にはドンピシャで、ここも、ここもやっちゃってんな!とつい読み返してしまいます。 これは図書館で借りたけどいつか買ってしまうかも。 川上先生の本は装丁もポップで大好きなので、うちにある他の川上先生の本と並べたいです。

Posted by ブクログ

2025/06/04

もともと鳥類学には特に興味はない。でもこの著者のエッセイは2冊目だ。 なんで読むかと言えば、文章が抜群に面白いから。 吹き出したりニヤついたり、読む場所は微妙に選ぶ本である。 学術的な話は難しい。でもこの著者の詭弁なような大袈裟なような、しかし的確で分かりやすい比喩を交えた文章だ...

もともと鳥類学には特に興味はない。でもこの著者のエッセイは2冊目だ。 なんで読むかと言えば、文章が抜群に面白いから。 吹き出したりニヤついたり、読む場所は微妙に選ぶ本である。 学術的な話は難しい。でもこの著者の詭弁なような大袈裟なような、しかし的確で分かりやすい比喩を交えた文章だと、なんとなく分かった気になる。著者は同年代、そして同年代のなかでも嗜好が若干似ているようで、持ち出された比喩がツボると理解が一気にすすむ。逆に比喩がわからないと、なんとなく滑っていく。本書での当たりは6割くらいだろうか。 とはいえ学術的な話はたぶんしばらくしたら忘れるだろうけど。けれど「面白かったー」という読後感は長く残る。もう何年も前に読んだ『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』がそうだったように。 「思うなよ」とか言っときながら、本作のラストでは鳥の観察は「抜群に楽しい」と書いている。やっぱ好きなんじゃん。 忘れるだろうけど、著者がこの本を書いた目的とあとがきに書いている絶滅しかかっている鳥の名前は覚えた。覚えました! 無人島でのフィールドワークのくだりを読んでいると、映画『南極料理人』を思い出した。どなたか、映画化してくれませんか?きっと面白いと思うのです。

Posted by ブクログ