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ふだん使いの言語学
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ふだん使いの言語学
¥1,815
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商品レビュー
3.9
29件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
言いたいことが伝わらない、言語化が難しい、相手の意図がわからないーー大人になってもこういったことは日常的に起きる。たまたま「言語学バーリトゥード」を2冊とも読み、印象的だった川添愛さんの本を見かけて、タイトルに「基礎力」とあるので手に取ってみた。ドリル形式で実例が豊富、わかりやすく書かれているが、筆者の意図通り理論言語学のエッセンスをつまみ食いさせてもらい、根源的な言語の付き合い方を考えるよいきっかけだった。 相手が話していないことを言ったかのように解釈してしまう、同じ言葉が違う意味に取られてしまう、こうしたことの理由もわかり、ニヤリとしてしまった。日々の仕事でも上下それぞれ20歳くらい違う様々な世代の人たちと接しているが、上の人の声が大きく響き、すぐ一般化したがる傾向がある。「主語が大きくなる」問題もおもしろく、こういう「あるある」への対処の仕方が少しは身についたと思う。 よくいわれる「は」と「が」の違いも明確になった。前者は既出のもの、後者は新出のものにつく。ただ、それだけではなく従属節のように影響範囲によって異なるとなると複雑だなと感じるが、それが愛おしくもある。 川添節は時におふざけに見える部分もあるのだが、根っこは真面目に書いている。理論言語学は下記のように自然科学と同じアプローチなのだという。 ①現象を観察する ↓ ②個別の現象の観察から、法則性を見出す(一般化) ↓ ③法則性を説明できるような理論を作る ↓ ④理論から予測を出す ↓ ⑤実験によって、理論の予測が現実と合っているか検証する ↓ ⑥間違っていたら③に戻る(以下、繰り返し) 言語にまつわるモヤモヤについて先の見通しを示してくれるのはわかった。筆者がいう、「無意識の知識を眺め、言葉を構造的に捉え、確実に言えていることと言えてきないことを区別する」ことへの探究心が湧いてきた。 最後に、あとがきもよかった。筆者はかつて学んだ言語学から一度離れていたがこうした本を書いた理由として、言語学がほとんど理解されていない、人文系学問への風当たりが強くなっている風潮への危機感があったという。川添節はとっつきやすい。彼女の本気を通じて言語学の奥深さを理解する人が増えるとよいなと感じた。
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著者の書きっぷりに慣れてきたこともあって、こんなに分かりやすい新潮選書は初めてかも。 「無意識の言語知識」がいかに豊富で、無意識であるだけにそれの使い方に自覚的でないことに気付かされる。 格助詞と副助詞の使い分けなんて、どうしてできるのか分からないし、人に説明できない。 まだまだ...
著者の書きっぷりに慣れてきたこともあって、こんなに分かりやすい新潮選書は初めてかも。 「無意識の言語知識」がいかに豊富で、無意識であるだけにそれの使い方に自覚的でないことに気付かされる。 格助詞と副助詞の使い分けなんて、どうしてできるのか分からないし、人に説明できない。 まだまだ勉強しなくちゃだな。
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川添さんの本は、「言語学バーリトゥード1」 に次いで2冊目。同じ言語学に関する内容でも、 「バーリトゥード1」は、話題が身近でサクサク 読めたが、こちらは、沢山の例題を用いて、 言葉の違和感について読み進める 学術書のようで、少し趣きが異なるが、 実用的で有益な内容だった。 私...
川添さんの本は、「言語学バーリトゥード1」 に次いで2冊目。同じ言語学に関する内容でも、 「バーリトゥード1」は、話題が身近でサクサク 読めたが、こちらは、沢山の例題を用いて、 言葉の違和感について読み進める 学術書のようで、少し趣きが異なるが、 実用的で有益な内容だった。 私達が普段、無意識に使っている言葉の使い方 や、曖昧さが、思いがけない誤解を与えたり、 トラブルに発展する場合がある。 主語が大きい場合は、特に注意が必要。 形容するかたまりが、長くなると、曖昧になり、 誤解を招きやすい。 誘導尋問のかわし方など。 日常で役に立つ言葉の使い方が、他にも 沢山解説されている。 個人的には、特に相手のぼんやりとした言葉を 自分が都合よく受け取っていないか反省。 普段、無意識に使っている自分の言葉の使い方 には、個人の癖があるが、意識して見直す 必要があると思った
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