ふだん使いの言語学 の商品レビュー
著者の書きっぷりに慣れてきたこともあって、こんなに分かりやすい新潮選書は初めてかも。 「無意識の言語知識」がいかに豊富で、無意識であるだけにそれの使い方に自覚的でないことに気付かされる。 格助詞と副助詞の使い分けなんて、どうしてできるのか分からないし、人に説明できない。 まだまだ...
著者の書きっぷりに慣れてきたこともあって、こんなに分かりやすい新潮選書は初めてかも。 「無意識の言語知識」がいかに豊富で、無意識であるだけにそれの使い方に自覚的でないことに気付かされる。 格助詞と副助詞の使い分けなんて、どうしてできるのか分からないし、人に説明できない。 まだまだ勉強しなくちゃだな。
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川添さんの本は、「言語学バーリトゥード1」 に次いで2冊目。同じ言語学に関する内容でも、 「バーリトゥード1」は、話題が身近でサクサク 読めたが、こちらは、沢山の例題を用いて、 言葉の違和感について読み進める 学術書のようで、少し趣きが異なるが、 実用的で有益な内容だった。 私...
川添さんの本は、「言語学バーリトゥード1」 に次いで2冊目。同じ言語学に関する内容でも、 「バーリトゥード1」は、話題が身近でサクサク 読めたが、こちらは、沢山の例題を用いて、 言葉の違和感について読み進める 学術書のようで、少し趣きが異なるが、 実用的で有益な内容だった。 私達が普段、無意識に使っている言葉の使い方 や、曖昧さが、思いがけない誤解を与えたり、 トラブルに発展する場合がある。 主語が大きい場合は、特に注意が必要。 形容するかたまりが、長くなると、曖昧になり、 誤解を招きやすい。 誘導尋問のかわし方など。 日常で役に立つ言葉の使い方が、他にも 沢山解説されている。 個人的には、特に相手のぼんやりとした言葉を 自分が都合よく受け取っていないか反省。 普段、無意識に使っている自分の言葉の使い方 には、個人の癖があるが、意識して見直す 必要があると思った
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プロレス好きということで知った川添先生の言語学入門書。 普段使っている日本語の曖昧性はどこから来ていて、どうやったらそれを避けることができるかが説明されている。人の文を読んで私自身感じることが多い違和感の正体が少し理解できた気がする。そういう文を書きがち、話しがちな人に読んで欲...
プロレス好きということで知った川添先生の言語学入門書。 普段使っている日本語の曖昧性はどこから来ていて、どうやったらそれを避けることができるかが説明されている。人の文を読んで私自身感じることが多い違和感の正体が少し理解できた気がする。そういう文を書きがち、話しがちな人に読んで欲しいと思うが、概してそういう人は本を読まないのよね。 具体例は忘れたが、高校の英文和訳の授業で、意味が伝えづらい文の語順を入れ替えることで見事に問題を解決した友人のことを今でも憶えているので、私自身こういう理論が好きなんだろうと思う。 「最強のニーチェ」と同様、最後にご自身の背景が述べられており、グッときた。
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「ありそうでなかった言語学ドリル」(カバーの紹介文より)ではない。強いていうなら、「言語学で使われる分析テスト」という括りで、分析手法の一部を紹介した点は珍しいかもしれない。註釈で、論文を含む参考文献が多少豊富に提示されている点も好印象。 理論言語学者が、専門とその関連分野から...
「ありそうでなかった言語学ドリル」(カバーの紹介文より)ではない。強いていうなら、「言語学で使われる分析テスト」という括りで、分析手法の一部を紹介した点は珍しいかもしれない。註釈で、論文を含む参考文献が多少豊富に提示されている点も好印象。 理論言語学者が、専門とその関連分野から日常に役立ちそうな項目を「いいとこ取り」して解説。一般的な言葉の使い方のヒントを伝える。 理論言語学者とは、たとえるなら「〜に鑑みて」が「〜を鑑みて」になりつつあるのはなぜだろうと考える人たち。「に」が正しいと考えたり指摘したりするわけではない。 自分にとって新しい情報はほぼなかったように思うが、「少納言」という検索サービスは初めて知った。試しに「〜に鑑みて」と「〜を鑑みて」の用例を調べると22件vs16件。一番古い用例は「に」1978年、「を」1995年とあるので、やはり「を」の方が新しめの使い方なんだな〜と楽しめる。
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日本語を【自然現象】として観察し、「それらの現象が存在するのは、私たちの無意識の知識がこうなっているからだ」という仮説を立て、それに従って理論を作り、現象を説明しようとする理論言語学の本。 人が何年も母国語を使うと無意識の知識が備わってくることは、外国語を学んでいると実感しますが...
日本語を【自然現象】として観察し、「それらの現象が存在するのは、私たちの無意識の知識がこうなっているからだ」という仮説を立て、それに従って理論を作り、現象を説明しようとする理論言語学の本。 人が何年も母国語を使うと無意識の知識が備わってくることは、外国語を学んでいると実感しますが、言葉が【自然現象】だという発想はなるほど確かに。 超難しい日本語を、母国語だから無意識レベルで使ってるけど、それでもややこしい間違いはよくあります。そんな日常遣いで発生する日本語の違和感を、置き換えたり何かに当てはめてみたりしながら根気よく解きほぐしていく。言語学者って根気強いのね、私は途中我慢できなくて読み飛ばしちゃいました。
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日本人が当たり前に獲得している日本語の微妙な難しさの理由が分かる本。 外国人が日本語を習得するのはそりゃ大変だわって納得。でもまぁ読んだからって言葉巧みな話術が身につくわけではなさそうだ。
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あまり自分向けではなかった ふだんぜんぜん意識せず使ってるけど日本語って難しい SNSなどで違和感ある文章読むと何がおかしいんだろうと考えるようになった
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普段意識をしない言葉使いや、言語化して説明が難しい話し言葉、書き言葉を丁寧に解説された良書。専門的な内容を一般の人にわかり易く伝えて頂くことに徹してあり、文章1つ1つが極めて丁寧に記述されている。後段に「言語の難しさはその知識が個人的なものであると同時に公共的なものである点」との...
普段意識をしない言葉使いや、言語化して説明が難しい話し言葉、書き言葉を丁寧に解説された良書。専門的な内容を一般の人にわかり易く伝えて頂くことに徹してあり、文章1つ1つが極めて丁寧に記述されている。後段に「言語の難しさはその知識が個人的なものであると同時に公共的なものである点」との視点には大いに感服した。著者の1ファンとしては短い「あとがき」からも本書に対する好意が増した。
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尊敬する翻訳者さんの紹介で購入。言葉遣いの「違和感」を明解に説明してくれる良書。わかっていたはずの「正しい言い回し」がなぜ正しいのかが理論的に分析され、すっきりと腑に落ちる。日本語を書くこと、話すことを仕事にしているすべての方におすすめできる本。
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理論言語学の知見から日常の会話のちょっとした違和感を読み解くきっかけを与えてくれる。 例題とそれに対応するメソッドを組み合わせてしかも豊富に提示してくれていて興味が尽きない読中感。 情報量が多くて少し頭を使うが、筆者の言語学を一般の人たちにも親しみを持ってもらいたいという気概が...
理論言語学の知見から日常の会話のちょっとした違和感を読み解くきっかけを与えてくれる。 例題とそれに対応するメソッドを組み合わせてしかも豊富に提示してくれていて興味が尽きない読中感。 情報量が多くて少し頭を使うが、筆者の言語学を一般の人たちにも親しみを持ってもらいたいという気概がびしびし伝わって気持ちがいい。 それぞれの方法の説明は割愛しますが、筆者のような引き込む力のない文章では退屈させると思うので、是非読んでみて欲しい。そう思うのです。
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