商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2020/10/24 |
| JAN | 9784480860910 |
- 書籍
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「色のふしぎ」と不思議な社会
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「色のふしぎ」と不思議な社会
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商品レビュー
4.4
20件のお客様レビュー
色覚の多様性についての社会問題を科学や医学などの観点も合わせて考察し、それに関する色覚の予備知識も深められる書籍。 色覚異常や色弱の背景にあった差別的な要素について丁寧に考察されており、とても興味深かった。遺伝学によってつまびらかにされつつある色覚の多様性が、正しく世間に広...
色覚の多様性についての社会問題を科学や医学などの観点も合わせて考察し、それに関する色覚の予備知識も深められる書籍。 色覚異常や色弱の背景にあった差別的な要素について丁寧に考察されており、とても興味深かった。遺伝学によってつまびらかにされつつある色覚の多様性が、正しく世間に広まることを願いたい。むしろ多様性を受け入れようとしている今の世の中にとって、色覚に限らない話とも言える。 例えば色覚のスクリーニング方法やその是非について検討している箇所がある。そういった社会的な動きの「難しさ」を感じた。一つ一つの検査の意味合いについての正しい認知が普及していなかった実情や、それによる診断後の対処がどうあるべきかの考察を見ていると、それらについて考え直す必要を感じた。一部の人が感じているこういった不当性を、私も体感するような思いであった。 個人的には光が色に変換されるプロセスや、色覚の遺伝的な遷移について簡潔にまとめられていることも良かった。これを読むだけでも一見の価値がある。 全体としては社会問題について踏み込むような内容ではあるものの、そういった色覚の知見を深める意味でもとても重宝した。参考文献なども丁寧にまとめられているため、是非そちらにも目を通してみたいと感じる。
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●色覚のサイエンスと、色覚異常が「特別視」される背景をつまびらかにした本。 ●近視は問題にならないのに、色覚異常は差別的な扱いを受けるようなことがあったのか?→優生思想を背景に「結婚は避けるべき」というような差別まであったのは驚き。 ●自分が子供のころにあった小学校の色覚検査がい...
●色覚のサイエンスと、色覚異常が「特別視」される背景をつまびらかにした本。 ●近視は問題にならないのに、色覚異常は差別的な扱いを受けるようなことがあったのか?→優生思想を背景に「結婚は避けるべき」というような差別まであったのは驚き。 ●自分が子供のころにあった小学校の色覚検査がいつの間にか撤廃されたというのは聞いていたが、本書は、その色覚検査の裏に潜む優生思想の地続きの歴史と、二分法に囚われた日本の眼科医学の機能不全を描いている。 特に印象的なのは、同じ「目のピントや認識の個人差」でありながら、なぜ「近視」は問題視されず、「色覚異常」だけが凄惨な結婚差別や就職制限を受けるほどの扱いをされてきたのか、という不条理な構造への問いかけだ。遺伝学において、集団内での頻度が1%を超えるものは「異常(変異)」ではなく、人類が生き残るために受け継いできた「多型(多様性)」と定義される。つまり、人類は全員が同じ色を見るのではなく、異なる色覚を持つ個体がチーム(共同体)を組むことで、過酷な自然界を生き抜いてきたのだ。医療や社会の管理の都合によって無理やり「白黒」に分断された境界線。しかし、最先端の科学のアップデートは、かつて「異常」と切り捨てられたものが、実は人類の生存に必要不可欠な「グラデーションの多様性」であったことを教えてくれた。この本の結論としては、色覚異常は「異常」ではなく「多様性」と捉えるべき、となるだろう。
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めちゃくちゃ面白い本。絶対読んでほしい。 科学者ではなくジャーナリストの手による科学啓発本は概ね読みやすいのが特徴だけれど、これは群を抜いて読みやすく、実に社会的でもある。 とにかく構成が素晴らしい。 物事を伝えるための手順にそって、丁寧に展開していくので『なんで?』と置いてけぼ...
めちゃくちゃ面白い本。絶対読んでほしい。 科学者ではなくジャーナリストの手による科学啓発本は概ね読みやすいのが特徴だけれど、これは群を抜いて読みやすく、実に社会的でもある。 とにかく構成が素晴らしい。 物事を伝えるための手順にそって、丁寧に展開していくので『なんで?』と置いてけぼりにされることがない。テーマを上手く絞ってあり、テーマの問題点のアウトラインもきっちりと明瞭にしているので迷子になる感覚がない。 色を見るという感覚自体が主観的で、実のところ簡易に他者と比べることの出来ないものであると説明した上で、その主観を数値化して浮き彫りにするための手法がある。その筆頭がいわゆる色盲検査につかわれる『石原表』だが、その運用によって必要でもない負のラベリング効果の問題が生じたという。 実際、昭和の時代での色盲検査は大雑把で、その結果を受けて社会が起こした行動も、今の時代からするとテキトー過ぎるという著者の意見には同意する。 当時は社会の可能性が低く見積もられていたというのも現実なのだろうと思う。今でもその問題はあって、ほんの少しの理解と対応で、問題は軽減され時には消失するというのに、なされないままであったりする。 色覚は主観で、生物はひとつの感覚だけを頼りに生きてはいないという実際がある。よって、色覚はかなり融通無碍なところがあって、変異が多い分、極端な事例はあるもののグラデーションを成している。ばっさりと正常・異常で切り分けることなど出来ない。それならば、より多くの人間に沿った色彩を採用し、必要があれば対応する。それが出来ないのはおかしいという。振り上げられた拳なのだろう。 科学によって技術によって、出来ることが増えたならば、その分だけ枷は緩むはず。それを理解しないのはもったいないよという。そんなメッセージを私は受け取った気がしている。
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