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賭博者 光文社古典新訳文庫
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賭博者 光文社古典新訳文庫

フョードル・ドストエフスキー(著者), 亀山郁夫(訳者)

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賭博者 光文社古典新訳文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2019/12/06
JAN 9784334754150

賭博者

¥990

商品レビュー

4.1

8件のお客様レビュー

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2024/09/27
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※このレビューにはネタバレを含みます

本作は最初から最後まで貴族社会を描いた物語であるということである。その前提がないままに読みはじめた私は、 デ・グリューが「僕」の見分けがついていない意味も、「ぼくが同じテーブルに勝手に顔を出したので、将軍はいかにも不満げに僕を見やった」意味も 理解できなかった。 上記のような仕打ちを受けて、僕が特に憤慨したり傷つく様子がないことも相まって、よほどこの主人公は捻くれ者なのか、 或いは将軍との間にどんな因縁があるのだろうかと勘ぐりながら読み進めることになった。 だが、ここが19世紀欧州の貴族社会であることを理解すれば、 単なる家庭教師である僕が、決して貴族たちと同等の扱いを受けられるはずがなく、また、彼がそれを受け入れていることにも合点がいくのである。 そういう意味で、貴族社会に縁のない私にとっては非常に興味深い作品に感じられた。 例えば、本作には以下の様な記述がある。 「こういう人物と並木道を散歩するのは、べつに問題ないどころか、かりにこういう表現が可能だとして、人物証明の代わりになる。」 「将軍としてももはや、こうした風変わりな女性の姻戚関係で、一般客たちの間に自分の名が穢されるのではないかなどと恐れてはいなかった。」 これは、貴族社会の狭さを象徴している。それは、まあ当然の話だろうが上流階級の数は限られているだろうし、それも名門になればなるほど名が 知れ渡っているだろうから、彼らはその一挙手一投足に気を遣わなければならないのである。 その様は、皮肉にも社会階級で言えば真逆の小さな村社会のような状態であったのだろう。 他にも、執事や小間使いがそもそもカジノに入れなかったり、「温泉地では、〔.....〕ホテルの支配人や給仕長が部屋を客人に 割り振るさいに指針とするのは、客の要求や希望よりもむしろ、客人にたいする彼らなりの個人的な目である。」というように、 本作では至る所で当然の様に貴族社会が、つまり階級差別が描かれている。

Posted by ブクログ

2024/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

遺産相続を当てにしていたおばあさんが、実はめちゃくちゃ元気で、ルーレットでお金を溶かしそうになって(最後にはしっかり溶かす)周りがハラハラするところが最高。おばあさんがもうすぐ死にそうという最初の印象が強いので、おばあさん登場のギャップがすごい。カラマーゾフの兄弟もそうだけど、ただの古典ではなくて、今読んでもエンタメとして十分楽しめるので、色んな国でオペラや映画に変換されているのも頷ける。 最後のアレクセイのセリフ、「明日こそ、明日こそ、すべてに決着がつく!」、絶対またルーレットするんだろうな、、、ルーレットと、それによって得られる金が全ての問題を解決してくれると思っているし、なんなら勝ち負けそれ自体よりも、ルーレットで得られる脳汁に夢中になってしまっている。

Posted by ブクログ

2023/05/27

▼「賭博者」ドストエフスキー。初出1866年ロシア。亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫。 ▼ドストエフスキーさんの未読の小説だったんで、いつか読もうと思っていました。電子書籍が割引セールしていたので購入。ドストさんはここ数年の間に「罪と罰」「カラマーゾフ」を再読して超絶にオモシロか...

▼「賭博者」ドストエフスキー。初出1866年ロシア。亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫。 ▼ドストエフスキーさんの未読の小説だったんで、いつか読もうと思っていました。電子書籍が割引セールしていたので購入。ドストさんはここ数年の間に「罪と罰」「カラマーゾフ」を再読して超絶にオモシロかった。10代の頃に多分ほかに「貧しき人々」「虐げられた人々」「白痴」「悪霊」は読んだんですね。どれも忘れているのでいつでも再読したいと思っています。それにしても題名だけ読むとどれもこれも陰鬱ですね…。 ▼罪と罰の後に書かれたものだそうで、中編です。総論、「なんだか設定がわかりにくかったんだけど、後半オモシロかった」ですね。 ▼1866年前後の現代劇でしょう。多分、ドイツかどこかの保養地に、ロシア貴族ととりまき一行が泊っていて、そこはカジノが有名。主人公は、多分全然金持ちではなくて、貴族一家の家庭教師の青年。で、とにかくちょっと初期設定がわかりづらくて、でもそのままどんどん読んじゃったんですが、 ・実はご主人様もそんな金はなく、親戚の遺産を当てにしている ・取り巻きの一人であるロシア娘に主人公は恋をしているが ・ロシア娘は弄ぶタイプではっきりしない。 ・そこにみんなが遺産を当てにしている、瀕死のはずのロシア老女が全快で登場して ・制止を振り切ってカジノで遊んでひと財産すってしまう。 ・主人公が惚れている相手はフランス人とくっついて ・主人公はカジノで大フィーバーで一気に大金持ちになり、別の女とパリに去るが ・やがて無一文に戻ってギャンブル中毒、カジノで下働きまで身を落とし、生きていく。 みたいなお話でした。 ▼で、なんだか基本的な前提がよくわかんないんですけれど(笑)、とにかくギャンブル場面が、アツい。ものすごい濃度です。カラマーゾフで、長男ミーチャの放蕩場面もすごかったんですが、こういうのドストさんすごいですね。体の奥から、精神から焼かれるようなギャンブルの魅力と怖さが、なんと言ってもハイライトでした。

Posted by ブクログ

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