商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2019/06/12 |
JAN | 9784575669466 |
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商品レビュー
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初まかて作品。 江戸城無血開城。言葉は知っているけど漠然としていたものが、大奥に焦点を当てて鮮明になりました。 大奥ものが好きで、さらに江戸城明け渡しの日の出来事ということで楽しみにして読み始めました。 自分も一緒に大奥に残っているように、登場人物たちと一緒にドキドキしながら読...
初まかて作品。 江戸城無血開城。言葉は知っているけど漠然としていたものが、大奥に焦点を当てて鮮明になりました。 大奥ものが好きで、さらに江戸城明け渡しの日の出来事ということで楽しみにして読み始めました。 自分も一緒に大奥に残っているように、登場人物たちと一緒にドキドキしながら読み進めました。 いつ官軍が来るかと思いながら、自分の身の上を打ち明ける夜の語らいの場面が1番心に残りました。 残念だったのは、自分の中の和服に関する知識が乏しく、これってどんな色?とか、どんな服?と逐一調べながらでないとわからなかった事です。改めて和服や色に関して調べて、きちんと知識を持って読むとより楽しめたな、と思いました。
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江戸城明け渡しの日、皆が退去する中、お城に残った5人の女中。解説にもあるが大奥というと女の園=色恋のイメージがあるがここでは生活の場・職場として描かれている。現代に例えれば倒産した勤め先から去り難く残っている社員4人と中間管理職1人といった感じか。 それぞれの登場人物の自身の職務に対する矜持が心地よい。それと、ふき様カッコいい(笑)。エピローグでふきがお城に残っていた理由が明かされるが、5人が5人とも生きて幸せに暮らしているのがわかってホッとした。
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朝井まかての大奥もの、というか、幕末ものでしょうか。 仕事に生きてきた女性たちの、江戸城最後の日を描きます。 江戸城の無血開城が決まった後。 天璋院篤姫が出立前に一同を集め、粛々と城を出ていくように諭します。 荷物はすべて後から送ってくれるはずだからと。 天璋院が去った後、奥勤...
朝井まかての大奥もの、というか、幕末ものでしょうか。 仕事に生きてきた女性たちの、江戸城最後の日を描きます。 江戸城の無血開城が決まった後。 天璋院篤姫が出立前に一同を集め、粛々と城を出ていくように諭します。 荷物はすべて後から送ってくれるはずだからと。 天璋院が去った後、奥勤めの女中たちは皆右往左往して、出来る限り荷物を持って我先に出ていくのでした。 呉服之間に勤めるお針子だったりつは、もう一度部屋を確かめたくなり、戻ります。 お蛸という女中が天璋院の猫を追いかけているのに出くわし、一緒に捜し歩きます。 すると、ちかという女中もまだ残っていました。 さらには御中臈のふきと、和宮のほうの呉服之間に仕えていたもみぢがいました。 御中臈のふきは、りつなど顔を見たこともないほど雲の上の女性。憧れの存在です。 もみぢは、会ったことこそないけれど、呉服之間には腕利きがいると聞き及んでいました。 5人の女性が残った理由。 まだすぐには去ろうとしない理由は。 大奥というと、美しい女性が豪華な衣装で上様に侍るイメージですが。そういう女性は数限られていて、実際はその世話をする組織で働いている女性が多い。 キャリアウーマンの集まりでもあったのでした。 その職場が失われるとき。 無念さやこだわり、別れを惜しむ気持ち。 突っ張っていたのが、しだいに打ち解けて語り合い、2日目を迎え‥ 荒々しく乗り込んできた武士たちを物陰から見る。 後の世にまた再会するエピローグが、とても素敵です。 お気に入りの作品になりました。
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