商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2019/06/26 |
| JAN | 9784101269320 |
- 書籍
- 文庫
何様
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何様
¥825
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商品レビュー
3.7
277件のお客様レビュー
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「あんたもさ、子どもができたって言われてから今まで、うれしいって本気で思った一秒くらい、あったでしょ?すぐ別の気持ちに呑み込まれたのかもしれないけどさ、でも、その一秒だって誠実のうちだと思うよ」 「っていうか、いきなり百パーなんて無理じゃん!誠実への一歩目も、誠実のうちに入れてあげてよ〜」 何者で出てきたキャラクターやその周りの人たちの過去とそれからの話、といえどれも単体でも十分楽しめる短編集だった。 この作品を通して朝井リョウ先生の、どこにでもいる人の、日常の中で人に話せない、伝えにくいけど本人にとっては無視できない感情を掬い取るのが本当にうまいなあと思った。 ・中高生が気軽に口に出す夢(軽い展望で本人は本当に叶うとは思ってない)の話しと誰にも話せない本気の夢 ・他の人たちが交際相手や結婚相手、子供を作っていくことの過程の中で努力したり決意をしていく中で何もしてこなかった人の劣等感 ・仕事が与えられた途端、あたかもその仕事の人でとして存在していたかのように振る舞うに見えてしまう様子を誠実と思えなくなり、苦しむ新卒一年目 タイトルが前作のもののセルフオマージュだったから内容としては結構ライトかなと思っていたけど想像以上に人物の心理面でディープだったので、何者 よりこっちの方が好きかも。
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- ネタバレ
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あらすじによると、「【何者】に潜む謎が今明かされる」とのこと。謎なんて潜んでいたっけ? と思いながらページをめくったけど、確かに『何様』を読んだあとは『何者』に厚みが増している気がした。 明かされる謎というのは、 第一話は「なぜ光太郎は出版社ばかり受けているのか」。『何者』でも言及されていたけど、本当の話だったのか。爽やかで心洗われるよう。ただ、翻訳家になりたいならアメリカより国内の文学部に行ったほうが早いよなとは思う。翻訳は英語力より日本語力なので。 第二話は、「なぜ理香たちは付き合って間もないのにルームシェアをしているのか」。まさかルームシェアから始まった付き合いだったとは。『何者』から際立っていた里香の不器用さ、プライドの高さ、潔癖さなどが本作でさらに際立つ。これがいちばんアナザーストーリーっぽい。 第三話の謎ははっきりしないけど、あえて言えば「あの頼もしいサワ先輩は結局どこに就職したのか」だろうか。しっかりした鉄道会社に就職している。理系だから技術職だろうか。 第四話もはっきりしないけど、「烏丸ギンジは新興の劇団、いや激団を続けられるのか」だろうか。ちなみに雑誌の表記は「劇団」となっていた。10年経って多少丸くなったのだろうか。ただ、ギンジ本人は今作でも直接の登場はしない。まるで「桐島」みたいだ。 第五話もこじつけのようだが、「瑞月のお母さんは心が弱いというけど、それは具体的にどういうことなのか。瑞月が就職先を考え直さなければいけないというなら、夫は何をしていたのか」だろうか。この話、いわゆるまっとうな人生を続けている自分には刺さった。 第六話はフィーチャーする登場人物はいないけど、就活を終えた新社会人には身につまされる話だと思う。スーツ着て、仕事ごっこをしているような自分は何様なのか、という疑問は誰しも頭の隅によぎったことがあると思う。そんな疑問にひとつの答えを差し出してくれる、優しい話。
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「何者」登場人物のサイドストーリーということだが、想像のつかないサイドが刺激的。 社会的正義じゃないとしても、例えイビツなものであっても己の正しさを確立ししがみついて離さず、大事にして守っていくことによって人生が拓けていく、という考えは真理だと感じた。
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