商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2019/05/28 |
JAN | 9784560090596 |
- 書籍
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回復する人間
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回復する人間
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商品レビュー
4.1
18件のお客様レビュー
受賞後に読み始め、3冊目。 左手、が特に印象的だった。 自分が無意識に抑圧してきたことや 傷ついてきたこと それらを無かったことにしないで、自分の一部として大切にして良いのだと感じつつある。 影が深まることで、光がより明瞭に感じられて。
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ハン・ガンの短編集。気になっていた白水社のエクス・リブリスシリーズを初購入。 訳者のあとがきにあるように、傷口が回復する前には痛むもの。人の心も同じで、様々な挫折、諦め、苦悩の果てに、回復の兆しが見えてくる。そんな作品が多い短編集だった。 相変わらず文体や情景が綺麗で、読んでいるだけで心が洗われた。以下、作品毎の感想。 ◎明るくなる前に ★おすすめ 弟を亡くした姉。自分がもっと気にかければと後悔し、以後、自身を罰するように生きる。“そんなふうに生きないで”。この祈りが刺さる。 ◎回復する人間 誰かの視点で語られる、決して分かりあうことのできなかった姉に先立たれた“あなた”の話。回復するためには痛みが伴う。心の声が、もう本当に切実で良い。 ◎エウロパ 女性になりたかった、でも心から愛する人は女性だった男の話。路地裏に響く歌の情景が良い。決して手の届かない女性をエウロパに例えることも綺麗。永遠には続かない関係だと予感させる終わり方も切ない。 ◎フンザ 自分の思い描く桃源郷に逃げながら、子育てと大黒柱を担う生きることに疲れた女性の話。少し暗い話。いつか破滅するか、破滅することを選ぶであろう終わり方か。 ◎青い石 ★おすすめ 友達の叔父に恋した女性の話。綺麗な恋愛小説。凄く映像化してほしい作品。 ◎左手 まさかの凄く暗い話。この短編集の中ではかなり異色作。勝手に動くようになった左手のせいで、守りたかったものも守れず自滅する男の話。夜、店でライトに照らされて影が壁に伸びる情景が本当に良い。 ◎火とかげ 事故の影響で両手が使えなくなってしまった画家の話。絵を描く事にしか生き甲斐がなく、両手がほとんど動かなくなったため生きているだけの屍となってしまい、夫とも不仲になってしまう。生き甲斐を失っても、そこからどうやって希望を見出すのか。この本のテーマである、喪失と回復が描かれた作品。
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痛みがあってこそ回復がある。大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。 生きる上での痛みや傷は、抱えたまま共に生きることでしか前に進めないのかもしれない。絶望の中でもいつか小さな光に辿り着ける...
痛みがあってこそ回復がある。大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。 生きる上での痛みや傷は、抱えたまま共に生きることでしか前に進めないのかもしれない。絶望の中でもいつか小さな光に辿り着ける人間は悲しく強いなと思う。
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