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ライプニッツ著作集 第1期 新装版(6)
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ライプニッツ著作集 第1期 新装版(6)
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自由意志とミクロコスモス 【人間の自由意志は、人間がなす驚異の原因であり、また同時に、誤りと無秩序の原因でもある。しかしこの無秩序も、この全宇宙の原理とその秩序に従っている。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】 「ここにまた、人間に関わるものに...
自由意志とミクロコスモス 【人間の自由意志は、人間がなす驚異の原因であり、また同時に、誤りと無秩序の原因でもある。しかしこの無秩序も、この全宇宙の原理とその秩序に従っている。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】 「ここにまた、人間に関わるものにおいて見られる無秩序の特別の理由がある。つまり、神は、人間に叡智を与えることによって神の似姿を現前させたのである。神は人間を、その小さな管轄内で〈手中に収めたスパルタを飾り立てるために〉なすがままにさせておく。神は隠れた仕方でのみそこに入り込んでいく。なぜなら神は存在と力と生命と理性を与えながら自らを見せることはないからである。ここにおいてこそ、自由意志(franc arbitre)が働くのである。神はこの小さな神々と(いわば)戯れ、これらを産み出して良かったと思っている。これはちょうど、子供と遊びながら内心でこうさせたいとかこうさせたくないと思っている通りに子供が夢中に取り組んでくれているというようなものである。それゆえ人間はそれ自身の固有の世界における小さき神のごときものであり、それぞれが自分なりの仕方で支配しているミクロコスモスである。人間はときどき驚異をなす。その技巧はしばしば自然を模倣する。」(中略)「しかし人間は大きな誤りも犯している。なぜなら、人間は感情の赴くままになっているし、神も人間を感覚の虜にさせてしまっているからである。神はそのことで人間を罰しもする。それは、子供を鍛え懲らしめる父親や教師のようなときもあれば、自分を忌避する者に罰を加える正当な裁判官のようなときもある。悪が最も数多く生ずるのは、こうした叡智的な者やその小さき世界が互いに衝突するときである。人間は、間違いをするに応じて自らが悪なる者だと感ずる。しかし神はこれらの小さき世界の欠陥のすべてを驚くべき仕方で神の大世界の最大の装飾に転じてしまう。これはいわば歪画法の発明である。歪画法においては、いくら美しい構図でも、それが正しい視点に関連づけられ、一定のガラス板や鏡によって見るのでないならば、混乱でしかない。それが部屋の飾りになるのは、然るべきところに置かれ然るべく取り扱われたときだけである。こうして、われわれの小さき世界においては一見歪んでいるものも、それは、大なる世界の美の中に再統合され、無限に完全な宇宙の原理の統一性に何ら背馳することはない。むしろ反対に、悪をより大なる善に役立たせる神の知恵に対して一層大きな賛嘆をもたらすことになる。」
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