商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2018/10/24 |
JAN | 9784041066393 |
- コミック
- KADOKAWA
火の鳥(角川文庫版・新装版)(10)
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
火の鳥(角川文庫版・新装版)(10)
¥968
在庫あり
商品レビュー
5
3件のお客様レビュー
なんておもしろいんだ… ハリマのセリフ「なにが正しくてなにがおかしいかよく見きわめます。その上でなにと対決すべきか考えたいんです…」に付箋した。 目が死んでないのよこの人。
Posted by
幼少時に目にして怖-ッってなった場面、ハリマのあの、顔の生皮剥がされて狼の頭の皮を被せられる場面、これだったのか…。 こいつぁトラウマものですよ…。 昔から土着信仰として根付いていた神様が仏教に根絶やしにされるっていうの、怖いな……。 同じ宗教でも、仏様たちまで何かの種族のよう...
幼少時に目にして怖-ッってなった場面、ハリマのあの、顔の生皮剥がされて狼の頭の皮を被せられる場面、これだったのか…。 こいつぁトラウマものですよ…。 昔から土着信仰として根付いていた神様が仏教に根絶やしにされるっていうの、怖いな……。 同じ宗教でも、仏様たちまで何かの種族のようなキャラクターとして扱って、それも粗暴で乱暴で恐ろしい種族として描いてるの、て、手塚治虫…凄過ぎるて…。
Posted by
「火の鳥」は手塚治虫のライフワークともいえる一大シリーズである。 手塚の構想としては「火の鳥」全体として、過去と未来を行き来し、最後は現在で幕を閉じる形を取ろうとしていたようだが、自身の死によって、現代編は描かれぬままに終わった。刊行されているのは「ギリシャ・ローマ編」「黎明編...
「火の鳥」は手塚治虫のライフワークともいえる一大シリーズである。 手塚の構想としては「火の鳥」全体として、過去と未来を行き来し、最後は現在で幕を閉じる形を取ろうとしていたようだが、自身の死によって、現代編は描かれぬままに終わった。刊行されているのは「ギリシャ・ローマ編」「黎明編」「未来編」「ヤマト・異形編」「鳳凰編」「復活・羽衣編」「望郷編」「乱世編」「宇宙・生命編」「太陽編」である。 シリーズの軸となるのは、火の鳥=鳳凰だ。西欧のフェニックスにも似て、永遠の命を持つとされ、死が近づくと火の中に飛び込んで蘇ると言われる。また、その生き血を飲めばそのものも永遠の命を持つという不思議な力を宿す鳥である。 人間たちはその血を欲し、永遠の命を得ようとする。歴史上の事件や文明が発達した未来を舞台に、人々の欲望と希望が渦巻くさまを、「火の鳥」と絡めて描いていく。 「太陽編」はシリーズ中でも最も長く、晩年近くに描かれた作品にあたる。 単行本は何種類か出ており、この角川文庫版では全13冊。うち太陽編は10~12巻の上・中・下巻で構成される。 本作では、過去と未来が交互に描かれる。 一方は、古代。天智・天武天皇の頃である。主人公はハリマと呼ばれる百済国王の一族。白村江の戦いで敗れて囚われの身となり、顔の皮を剥がれて狼の頭を被せられる。九死に一生を得たものの、顔は狼の異形の身となった。将軍・阿倍比羅夫を助け、日本へと渡る。 一方は、近未来。分断が進んだ社会である。「光」に属する人々は贅沢な暮らしを楽しみ、「影」の者たちは貧しく抑圧された生活を送る。「影」の殺し屋少年、スグルは「光」の本拠地に乗り込み、政権の転覆を図る。 ハリマとスグルは互いに夢で互いと入れ替わる。夢の中で、ハリマはスグルとなり、スグルはハリマとして生きる。 どちらの世界でも顕著なのは宗教闘争である。 過去では仏教の台頭に伴って、土着の神たちが虐げられ、苛まれる。ハリマは、アイヌを思わせるオオカミに似た眷属・狗族と親しく交わり、仏教の使徒らと闘う。 スグルが暮らす未来では「光」の教祖が社会を牛耳っていた。彼らはかつて、宇宙で火の鳥を捕獲していた。「火の鳥」をあがめるものは「光」の一員となり、そうでないものは「影」として地下社会に押し込められた。 どちらの社会でも実は、その宗教はいずれも権力の座からは失墜する。その代わりのように新たな宗教が打ち立てられる。 作中に登場する火の鳥は言う。 宗教とか人間の信仰ってみんな人間がつくったもの そしてどれも正しいの ですから正しいものどうしのあらそいはとめようがない わるいのは宗教が権力とむすばれた時だけです 権力に使われた宗教は残忍なものですわ シリーズ全体として顕著なのは、「正史」なるものに手塚が向けるシニカルで鋭い批判の眼差しである。「正しい」とされるもの、それは果たして本当に「正し」かったのか。 壮大な物語の果てに、ハリマとスグルの旅は、1つになって結ばれる。 彼らが駆け抜けた先に見えるものは何か。 圧巻のラストまで目が離せない。
Posted by