商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2018/07/20 |
| JAN | 9784163908724 |
- 書籍
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彼女は頭が悪いから
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彼女は頭が悪いから
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商品レビュー
3.8
284件のお客様レビュー
彼らは人の心が分からないから
本書は現実に起こった事件に着想を得た小説との注釈が付いているが、作中人物の行動や心情等は、事件の実相とかなりオーバーラップしているのではないか。特に、加害者となった東大生や被害者となった女子大生の心理描写は鋭く、秀逸であり、核心をついていると感じた。実際の事件が世間の耳目を集めた...
本書は現実に起こった事件に着想を得た小説との注釈が付いているが、作中人物の行動や心情等は、事件の実相とかなりオーバーラップしているのではないか。特に、加害者となった東大生や被害者となった女子大生の心理描写は鋭く、秀逸であり、核心をついていると感じた。実際の事件が世間の耳目を集めたのは、加害者が東大生であったからに違いないが、断罪されるべきは、「勘違い」女子大生の軽率な行動でも、頭脳明晰な東大生が犯した破廉恥な行為でもなく、その時点で東大生であった無知蒙昧な「勘違い」男らによる犯罪行為それ自体であるというべきであろう。この小説で著者は、必ずしもそのような観点では描かず、加害者が東大生であったという属性から随所で東大生をこき下ろしているが、事件が、人の心の純情や痛みに対する感受性や想像力の欠如が生んだ許しがたい犯罪であるという描き方においては共感できるものであり、まさに加害者である「彼らは人の心が分からない」のである。
fugyogyo
人はみんな自分のものさしでしか物事を見ることができないし、世界はだいたいにおいて他者に無理解だ。実際に起きた東大生5人による暴行事件がベースとなっているフィクションだけれど、事件そのものよりも過去を丁寧に描くことによって、二人のものさしの違い、事件はなぜ起きたかを鮮明に浮かび上...
人はみんな自分のものさしでしか物事を見ることができないし、世界はだいたいにおいて他者に無理解だ。実際に起きた東大生5人による暴行事件がベースとなっているフィクションだけれど、事件そのものよりも過去を丁寧に描くことによって、二人のものさしの違い、事件はなぜ起きたかを鮮明に浮かび上がらせる。行間から伝わってくるのは、作者の静かな怒り。私のものさしは美咲のに近いから、つばさには怒りと嫌悪感しか感じなかった。自分のものさしの正しさを信じることの大切さと、他者を尊重することのバランスをとることの困難さを痛感した。
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最初から最後まで、普段みんながあえて口にしないけどはっきり意識している暗黙の了解であるところの、階級意識、学歴とかステータスにまつわる駆け引きを、じめじめしつこく書き続ける嫌な小説なのだが、なんというかすごかった。これぞ性暴力の本質ではなかろうか。嫌なんだけれども読んでいて盛り上...
最初から最後まで、普段みんながあえて口にしないけどはっきり意識している暗黙の了解であるところの、階級意識、学歴とかステータスにまつわる駆け引きを、じめじめしつこく書き続ける嫌な小説なのだが、なんというかすごかった。これぞ性暴力の本質ではなかろうか。嫌なんだけれども読んでいて盛り上がりすぎて、最後の方はばばーっと一気読みしてしまった。この作品に腹を立てた元東大生はよほど思い当たるふしがあったのだろうなと思ってしまった。 作中で思い上がった東大生たちが女性を性的玩具のように扱う様は醜悪すぎて、人として終わっている「例外の人たち」だと思いたいのだが、同級生の女子を容姿でランキングする男子というのは割とありふれているし、現在も盗撮サイトなどで実際にそういうものが売買されているという記事があるので、ぜんぜん例外ではないのだろう。加害者たちの、被害者への想像力の無さと無神経さが非常にリアルであり、「普通」っぽいところが静かに一番ゾッとした。すごい作品だった。
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