商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2018/02/05 |
JAN | 9784087734928 |
- 書籍
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孤島の祈り
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孤島の祈り
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
読者という安全圏から、悲惨と呼べる類の冒険を満喫するのが好きだ。悪趣味だとは思うけれど、王道な児童文学の冒険とはまた違う読書の面白さがある。殺人がメインのミステリーとはまた違った絶望感と高揚感。 人の生命力とは、どこで決まるのだろう。肉体的な強さや運動能力、メンタルの強さなどがや...
読者という安全圏から、悲惨と呼べる類の冒険を満喫するのが好きだ。悪趣味だとは思うけれど、王道な児童文学の冒険とはまた違う読書の面白さがある。殺人がメインのミステリーとはまた違った絶望感と高揚感。 人の生命力とは、どこで決まるのだろう。肉体的な強さや運動能力、メンタルの強さなどがやはり影響するのだろうか。私はこのような状況に陥ってしまったら最初に死んでしまうだろうななどと、南極に行く予定もないのに考えてしまった。
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甘い情緒性すらある装丁に騙されるとえらい事だ。 2部構成で成り立っており、1部はサバイヴァルストーリー、2部は・・。読みやすく、最後まで堪能できた。 個人的には2部のまとめ方に共感。特にJ・オーウェルの「1984」の内容に感銘し、生きて行くあゆみを再スタートした彼女の結び方が素晴...
甘い情緒性すらある装丁に騙されるとえらい事だ。 2部構成で成り立っており、1部はサバイヴァルストーリー、2部は・・。読みやすく、最後まで堪能できた。 個人的には2部のまとめ方に共感。特にJ・オーウェルの「1984」の内容に感銘し、生きて行くあゆみを再スタートした彼女の結び方が素晴らしい。 「作り話である小説がこんな風に現実と重なることがあるとは思ってもみなかった。今この時を体にも心にも刻み付けようと立ち尽くした」 長々とした注釈は吹っ飛び、内観では何も変えられない・・まさにそう! 原題「二人きり」の「二人」が持つ意味が輻輳して心に響く。 ラスト、「夢中で駆け下りた彼女」 ちょうど一年前、「幸せに酔った二人」の子供だった。 余りのリアル感が素晴らしい一部、ストロネムス島は架空の島、モデルはサウスジョージア島・・捕鯨基地がありキングペンギンの繁殖地があるとこはそのまま。 ネズミの獰猛性、冬が近づいてくる恐怖感、恐怖が人間的なものから動物的なものへと変わって行く瞬間、文明の発展と共にその恩恵に浴することでその祖先の理解と知恵を失っていくプロセスはまさに! 2部で「話すことで心が解放されて行く」のが掴める。しかし、ジャーナリストの「変な使命感」に振り回されることから脱して、自らの足で立ち上がって行くのは筆者が遭難を始め種々の経験を糧に書き上げていることがよく解る。ジュラ島、コリーヴレッカン海峡をネットで見てみた。テレンス夫妻の要望も想像してみた文字が語り掛けることで人が立ち上がる魂の力は勇気を与えてくれる。 ユーゴーの詩を引用し、亡きリュドヴィックの最期の眼がいつまでも彼女の心の奥から消えなかったことに触れている・・≪その目は墓の中にいてカインを見ていた≫
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前半が凄まじい。いくら愛し合っていても極限の状況に置かれると、思いやりより自分の命を失わないことが最優先になるのが本能だと突きつけられる。 南極近くの島で遭難と聞くとシャクルトン隊のことを思い出すが、二人しかいないと役割分担や気分転換が難しく、精神的にも追い詰められてしまう。愛し合う二人ですらこうなんだから、そうでなかったらと思うとぞっとする。 本当にどうしようもないとき、宗教を捨てた人間でも神に祈る。(これが日本語版のタイトルになっている。) 主人公が調査基地にたどり着き、食べ物を手当たり次第に食べていく様子は、それまでの空腹を知っているから、とんでもなく旨そうに思える。これほど旨く感じられる食事のシーンはないんじゃないかと思えるほど。 後半は生き残った者の事実の改竄についての苦しみが描がかれる。しかしおわり方はちょっと納得できなかったな。 日本人的にはなぜ魚を獲ろうとしなかったかが不思議。 「最初は自分勝手に演出しているようで気が咎めたが、徐々に現実と物語を区別しなくなった。そこに嘘があるわけではなく、ただ改良と欠落があるだけだと思うようになった。(中略)大事なのは気の利いた話かどうかであって、どこまで事実に忠実かではない。そもそも誰も真実を確かめられない。それにある種の事柄は複雑かつ微妙で、わかりやすく語ることができない。(p186)」
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