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ヨーロッパの昔話 その形と本質 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2017/08/01 |
JAN | 9784003422915 |
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ヨーロッパの昔話
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ヨーロッパの昔話
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商品レビュー
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個々の昔話をあつめて紹介する本ではなく、昔話(民話)というものを形式的(著者の語では「様式」)な面から体系的に論じた研究書。多分に抽象的な議論が多く、内容を咀嚼するのだけでも大変骨がおれるが、昔話を読んでいてふと疑問に思ったことなどが、学術的な裏づけをもって解説されているので、...
個々の昔話をあつめて紹介する本ではなく、昔話(民話)というものを形式的(著者の語では「様式」)な面から体系的に論じた研究書。多分に抽象的な議論が多く、内容を咀嚼するのだけでも大変骨がおれるが、昔話を読んでいてふと疑問に思ったことなどが、学術的な裏づけをもって解説されているので、うなずいてしまうことも多い。体をぶった切られてもくっつけたら元に戻るとか、ちょっと笑ってしまった。 昔話の人物は、伝説とは異なり、個性や内面的深みをもたず、図形的で平面的。また時間の次元をもたないため、成長や老いが描かれない。それに対し、伝説では内面が語られるし、年もとる。抽象度が高い議論が多いが、こうした伝説や聖人伝と比較を行っているところなどは、大変興味深く読めた。 それなりに面白いとは思うけれど、基本的に民話研究者向けで、あまり一般的な本ではない。おそらく訳者の小澤俊夫さん(ちなみに小澤征爾の兄上)の本を読んだほうが理解が早いような気がする。昔読んだような記憶があるが、プロップも再読してみようかな。この著者の「様式」分析は、プロップ流の構造(形態)分析ともまた違うんだよね。ややこしい。
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「「むかしむかしあるところに……」.人びとが長く親しんできた昔話には決まった形がある.魔女・こびとなどとも違和感なく出会い,主人公に与えられる試練の数は三つ,心の葛藤は描かず肉体の痛みもない…….グリム童話ほか,ヨーロッパ各地に伝わる数多くの昔話を分析,その本質を学問的に突きとめ...
「「むかしむかしあるところに……」.人びとが長く親しんできた昔話には決まった形がある.魔女・こびとなどとも違和感なく出会い,主人公に与えられる試練の数は三つ,心の葛藤は描かず肉体の痛みもない…….グリム童話ほか,ヨーロッパ各地に伝わる数多くの昔話を分析,その本質を学問的に突きとめた先駆的著作.」 凡 例 日本の読者へ まえがき 序 説 一次元性 超越的なものとの関係 平面性 もの/肉体/特質/内面的世界/環境/諸関係/時間 抽象的様式 登場人物やものの形態――その輪郭/材質/色彩/話のすじの記述法/定式/極端性・禁令・条件・奇跡 孤立性と普遍的結合の可能性 昔話の本質についての決定的標識/人物やものの孤立化/話のすじやエピソードの孤立化/逐語的反復/普遍的結合の潜在的可能性/「偶然」/贈物/奇跡/無効力のモティーフ/昔話の主人公 純化と含世界性 モティーフの純化/魔法的なもの/神話的なもの/超越的なもの/儀式/エロティックな素材/日常的な素材/普遍性/世界内容の代表性 昔話の機能と意義 物語としての昔話/昔話以外の民間口承叙事文学の本質と機能 12/「願望の文学」/かくあるべき文学/かくある文学/象徴性/解釈可能であること/笑話への傾向/最終の形としての昔話/成立時期/成立のための可能性/維持のための可能性(昔話形成者と昔話運搬者)/様式の純粋性と不純性/将来の意義 昔話研究について ジャンルと個々の説話/印刷された昔話と口承の昔話/現代における文芸学的昔話研究/心理学的昔話研究/民俗学的昔話研究 昔話の構造主義的研究――プロップの業績の評価 訳 注 訳者あとがき 索 引
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