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水声 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2017/07/06 |
| JAN | 9784167908812 |
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水声
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水声
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商品レビュー
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48件のお客様レビュー
ママが死んでしまったのでパパが出て行った。子供の頃からいてパパと呼んでいる人は実は叔父だった。 家族の物語。55歳になった都の思い出話。 心にはいつも死んだママがいる。 ママが死んでから同居をしないといって出て行ったパパがいる。弟の陵がいる。 パパと呼んでいるが実は叔父で子供...
ママが死んでしまったのでパパが出て行った。子供の頃からいてパパと呼んでいる人は実は叔父だった。 家族の物語。55歳になった都の思い出話。 心にはいつも死んだママがいる。 ママが死んでから同居をしないといって出て行ったパパがいる。弟の陵がいる。 パパと呼んでいるが実は叔父で子供の時からママと一緒にいるのでずっとパパと呼んでいた、家族だ。 一緒に暮らしている陵は弟で生まれた時を知っている。 ママの心はいつも満たされていて、家族の中心だったが若いのに癌で死んでしまった。 最後のピクニックでママがいった。 「もうすぐあたし、死ぬのね」 「もうそれ,飽きたから、やめて」 「せっかくその気になっているのに」 「その気になってならなくていい」 「こんなにこの家で権力をふるえるのって,初めてのことなんですもの」 「あなたはいつだって、この家の一番だったでしょう」 パパは笑った。ママも私も、陵も。 「ねえ、後悔しちゃだめよ」 「何かを、してもしなくても、後悔はするんじゃない?」 陵がぽつりと言った。 「してもしなくても、後悔しちゃだめなの」 「それって、おなじようなものじゃないの」 「違うの。後悔なんかしないで、ただ生きていればいいの」 死んでいく人間の言うことはよく聞かなきゃ。ママはそう言って、おむすびを口に運んだ。 (意味を考えては、いけない) (そこから何かがもれていってしまう、あるいは入り込んできてしまうから) おれたちって、生まれてこのかたずっと、だだっぴろくて白っぽい野に投げ出されているみたいだよね。いつか陵が言ったことがある。 「たとえば荒野のように、雨風そのほかこっちにつきささってくる攻撃的なものから無防備な場所じゃなくて、なんだかぼんやりした抽象的な感じの場所」 この白い野のことを時折思うようになった。 その光景は次第に形を変えてきたが、やはり果てのない野だった。 陵と都が住んでいた家は古くなって取り壊された、今はマンションで隣り合わせに済むようになった。 お互いに訪ねあって暮らしている。 恋人を愛することと、陵を愛することはまったく違うことだった、けれど、その違いをわたしはうまく言葉にできない。誰かに聞かれる機会もないから、言葉にする必要もない。 パパとママの関係も陵と都の関係も世間から見るといびつな家族の形をしている。 その家族はそれでも、好きだといいあったり、同じベッドでねむっている。 しかし都はいつも白く広がっている野の風景を見ている。 陵は会社に行き都はうちでイラストを描く、世間の秩序に沿って暮らしてはいるが、家族という絆とは違った結びつきの中で漂っている日々が、ママの思い出とともにたゆたうような言葉で読者を浮遊させる。 一気に読ませる不思議な魅力は相変わらず川上さんのものだ。
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人間は70%が水でできてるっていうけど、相手と一つになることを水が混じり合う様に例えていた。境目がなくなる感じとか、一つになることが当然のような感じとか。周りがどう、とかではなくて、馴染むか馴染まないか、なんだなと。まさに、水の様に流れていく文章。複雑な登場人物関係のはずなのにそれを感じさせないのがすごい
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水、と、鳥。崩壊と変化を、モチーフにのせて描いている。崩壊は「死」も含む、ただ変化しているようで、根本は変化していないのかも。 肌を重ねる様子を、太刀魚に譬えて描くだろうか…言葉がきれいで驚いた。
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