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死神の浮力 文春文庫
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死神の浮力 文春文庫

伊坂幸太郎(著者)

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死神の浮力 文春文庫

924

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2016/07/08
JAN 9784167906474

死神の浮力

¥924

商品レビュー

3.9

384件のお客様レビュー

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2026/03/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

死神の精度の続編。 続編とは言え、前作を読んでいなくても物語を読むうえで支障がない。 でも登場する死神は前作の千葉だし、物語のテンポや温度感、たまに千葉の回想として数行出てくる前作の登場人物の名前に懐かしさを覚える。 そういった意味で、前作を読んでいる方が楽しめることは間違いない。 前作は短編集のような作品だったが、今回は500ページ近い長編物。 話自体は伊坂作品らしくテンポよく読みやすい。 話も細かく区切られているので一息つきながらも読むこともできる。 ストーリーは簡単に言うと、サイコパスに娘を殺された夫婦が復讐のためサイコパスに立ち向かう話。 序盤はかなり陰鬱とした雰囲気で物語が始まる。 だが、死神の千葉の登場により雰囲気が一変する。 千葉はあくまで死神としての仕事を遂行するためにやってくる。 担当の人間に感情移入することもないし、積極的に手助けをすることもない。 それが千葉の言い分だ。 でも実際には担当の人間やその周囲の空気を変え、たまには死神らしいトンデモ能力を発揮しながら物語をどんどんと展開させてしまう。 物語のキーワードである 「寛容は、不寛容に対して不寛容になるべきかどうか」 すなわち、寛容な人は不寛容な人に対して、不寛容に対応するべきかという問いに対して、物語のラストに主人公は答えをだす。 哲学的な問いに対して、読者に説教臭さも無く、一般性や押しつけも無く、物語の主人公の主観として出された答えがとても自然で良かったと思った。 むしろ、理屈ではそうかもしれないけど、のっぴきならない状況においてはそうも言ってられねーんだよ!というすがすがしさすら感じられた。 死神である千葉は、なんだかんだと担当になる人間を助け(てしまい)ながらも、一貫してその人間の人生や生死に一喜一憂することも、感傷的になることも無い。 エピローグのラストシーンでは、そんな千葉の”らしくない”側面が少しだけ顔を覗かせる。 これは前作、死神の精度の最終話でも見られた一面だが、これこそが千葉の、ひいてはこの作品の魅力だと思う。 前作を読み終わり、その後すぐに本作を読み始めた時に あれ?千葉ってもっと人間臭くなかったっけ? と感じ、ドライな死神としての面にちょっと寂しさを覚えた。 ラストまで読み終えて、やっと腹落ちする。 こいつはこんなヤツだった。でも憎めないんだよな。 個人的に"家庭を顧みないダメ親が、更生して子どものためにがんばる"というストーリーにとても弱い。 本作でも多少なりともそんな話が終盤に出てきて、御多分に漏れずこみ上げるものがあった。 話を読み進めながら、死というものの恐怖について考えることがあった。 人間は死んだらどうなるんだろう。 それを考え始めたら止まらない。 恐怖で今を生きることができなくなる。 だから人間は、死ぬことを考えないようにして日々を生きている。 でも、終盤に出てくる娘を殺された主人公の父親が死ぬ間際のエピソードは、そんな人間が誰しも抱いたことのある恐怖に、親として背中を見せる愛情を感じた。 こんな形で死の恐怖が和らぐことがあるかもしれないし、あったら素敵だなと思った。

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2026/02/06

伊坂幸太郎さんの作品で初めに読んだ本が「死神の精度」なんですが、それから約15年経って今回の「死神の浮力」を読みました。「死神の精度」の内容は殆ど覚えていないのですが、新鮮な気持ちで読めたかもしれません。ストーリーなんですが、愛娘・菜摘を殺された山野辺遼・美樹夫妻は、無罪判決で娑...

伊坂幸太郎さんの作品で初めに読んだ本が「死神の精度」なんですが、それから約15年経って今回の「死神の浮力」を読みました。「死神の精度」の内容は殆ど覚えていないのですが、新鮮な気持ちで読めたかもしれません。ストーリーなんですが、愛娘・菜摘を殺された山野辺遼・美樹夫妻は、無罪判決で娑婆に戻ってきた元容疑者の本城に対する復讐計画を立てるのだが、そこに遼の幼稚園時代の同級生・千葉と名乗る男が来訪。本城への復讐に付き合う形となるのだが、山野辺夫妻は不可思議な事が次々と発生していく中、山野辺夫妻は菜摘の敵・本城に復讐を遂げられたのか!?

Posted by ブクログ

2026/02/05

「死神の精度」で千葉さん(死神)の天然発言やズレた言動にすっかりファンになってしまった私…、長編で千葉さんが読める!とそれだけで嬉しかったです。 千葉さんの無茶苦茶には本当に笑わせてもらったし、また人間の生死について深く考えさせられました。 病で死を迎えた山野辺さん父の晩年のエ...

「死神の精度」で千葉さん(死神)の天然発言やズレた言動にすっかりファンになってしまった私…、長編で千葉さんが読める!とそれだけで嬉しかったです。 千葉さんの無茶苦茶には本当に笑わせてもらったし、また人間の生死について深く考えさせられました。 病で死を迎えた山野辺さん父の晩年のエピソードや心理描写、すごくリアルでした。あぁこういう事なんだ、って自分の中で妙に納得してしまいました。 まだ、読み終えても、きっとこの結末にはこんな意味があったんだろうなとか、色々思い巡らせています。 あと、タイトル「浮力」に込められた意味。伊坂さんセンス抜群すぎませんか。P223〜 ラストに千葉さんがその「浮力」をズレた解釈でまた引っ張ってくるのも最高。 やはり娘の死というところから物語が始まるので、序盤からやっぱり胸が締め付けられるし、犯人は憎いし、そんな敵に翻弄され危険な目に遭うしで本当に怖かったんですが、それも大事な場面でした。

Posted by ブクログ