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本屋さんのダイアナ 新潮文庫
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本屋さんのダイアナ 新潮文庫

柚木麻子(著者)

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本屋さんのダイアナ 新潮文庫

781

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2016/07/01
JAN 9784101202426

本屋さんのダイアナ

¥781

商品レビュー

4.3

442件のお客様レビュー

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2026/05/13

「みんな違ってみんないい」って、本当はそんなに簡単じゃない。 羨望も劣等感も、目を背けたくなる感情もある。 それでも違う世界を持つ人同士が、重なる部分を持ち続けられることを信じさせてくれる、綺麗事ではなく痛みを伴って描いた物語だった。 ˖ ⊹ ࣪ ˖ ☽ ⊹ ࣪ ダイアナと...

「みんな違ってみんないい」って、本当はそんなに簡単じゃない。 羨望も劣等感も、目を背けたくなる感情もある。 それでも違う世界を持つ人同士が、重なる部分を持ち続けられることを信じさせてくれる、綺麗事ではなく痛みを伴って描いた物語だった。 ˖ ⊹ ࣪ ˖ ☽ ⊹ ࣪ ダイアナと彩子が小学校で出会う場面では、子どもの価値観で見る世界のきらきらした感じや、自分とは違う家への憧れを思い出した。 でも今読むと、純真な子どもの世界を“大人の目線”で見てしまう自分にも気づく。 そこには意図せず、それぞれの家庭を「ジャッジ」するというノイズが入り込んでいて、あの頃のように純粋ではいられない自分を感じた。 この子たちも少しずつ、そんな大人に近づいていく。 そして、その過程で関係性も変わっていってしまう。 だからこそ、小学生時代の2人の時間がとても儚く尊いものに思えた。 私立と公立に分かれて以降、2人は幾度もそれぞれの場所で新たな悩みに直面する。 今なら、それぞれに違う世界があることがわかる。 同じ学校にいても見ている世界は全然違うし、逆に違う場所にいても似た孤独や価値観を抱えていることもある。 でも人は、見えるものや聞こえるものに簡単に影響されてしまう。 心で感じていることは、ときにとても小さく頼りなく感じる。 本当は、それが一番大切なはずなのに。 彩子は、自分の悲しい過去を認めたくない気持ちから、それを正当化するために本来の自分を見失ってしまう。 呪いを解くには、過去を無理に正当化して自分に言い聞かせることじゃなく、素直な感情を認めて立ち向かうことなんだと思う。 清濁併せ持つ柔らかさなんて、大人になった今でも難しい。 でも人間ってきっとそういうものなんだろうなと思った。 善悪どちらかだけではなく、矛盾も弱さも抱えて生きている。 変化を止めることはできない。 人も、環境も、関係性も変わっていく。 その中で繋がり続けるのは本当に難しい。 それでも、取り返しがつかないわけじゃない。 たくさんのしがらみやプレッシャー、“呪い”を乗り越えた2人だからこそ築ける、新しい関係があるのだと思えた。 『赤毛のアン』や『若草物語』を少女時代に読んだ大人にも、友人との関係にうまく整理できない気持ちを抱えている若い世代にも、ぜひ読んでほしいと思った1冊。 友と道を違えてしまっても、いろんなことを乗り越えた先でまた交わることができる。 理想の人生から逸れてしまっても、問題から目を背けずに向き合えば、まだ目指していける。 挫けそうな背中をそっと押してくれる物語だった。

Posted by ブクログ

2026/05/06

▼柚木麻子さんの本は、初めてだと思います。きっかけは不純です。小学校高学年の娘が面白がってくれる本はなにがいいかなあと思っていたんです。で、この「本屋さんのダイアナ」が、「とにかく本が好きな女子ふたり。小学生から大学生までの、山あり谷あり友情物語」という本らしい、ということを知っ...

▼柚木麻子さんの本は、初めてだと思います。きっかけは不純です。小学校高学年の娘が面白がってくれる本はなにがいいかなあと思っていたんです。で、この「本屋さんのダイアナ」が、「とにかく本が好きな女子ふたり。小学生から大学生までの、山あり谷あり友情物語」という本らしい、ということを知って、図書館にあったので借りて読みました。結果的に、当初の目的が満たされるかどうかはともかく、読んで面白かった。 ▼読み手の自分が男子で、姉も妹もいなくて育ったので。単純に「とある女子の小学生~大学生の時期に何を考えているのかという物語」というだけでも興味深い(笑)。 加えて、それぞれの境遇の差(言っちゃうと社会格差)のところに踏み込んだ切り口と、「読書」という体験の可能性の豊かさという「救い」は、小説としてよくできていたと思いました。 ▼こっちが男性なんで。大学デビュー当時の主人公女子の、 「遊ばれちゃっていて、人格へのリスペクトを欠く扱いを受けてしまう状況」  の描き方には、やや驚きと、ちょっと納得と、なんだか胃がずんと重くなる思いを味わいました。  自分は、そんなような状況とは実に無縁の大学生でしたけれど、なんだか空気感はすごく分る。 ▼確実にハラスメントを受けているし、それは言ってみれば醜いマウンティングの被害を受けている訳です。平たく言えば、「いじめ」みたいなものです。  なんだけど、加害者側は ・いや、軽いノリで ・このくらいはみんな当たり前で ・むしろ相手への思いがあったからで ・いやならこういう場へ来なければいい ・明確に断った?断らなかっただろ? みたいなことでへらへらと言い逃れます(だから「いじめの構造」)。 で、それに対して。被害者側が。 その自分の状況を自分で認めることがいちばん怖くて。 「この状況はアンダーコントロールだし、全然惨めではないし。 被害者って認めるとみじめで敗北感がある。 ある程度は、これ、自分が選択的に選んだものだし、自分の責任でもある。 このくらいは普通だろうきっと。 相手も、本当に悪い人ではないし。 だからこのままで自分は大丈夫」 と、思い込もうとします。 すごくわかります。 これは、性的な関係だけではなくて。部活でも学校でも職場でも、グループの習慣や強弱関係の「洗礼を浴びる」ときに、誰にでも、軽いか重いかはともかく、あったことだし、あることでしょう。常に。 で、この思い込みで、なんのかんのと運良く生き延びていければ、それはそれで良いんでしょうが、たいていどこかで「無理」「矛盾」「自分への嘘」が限界に達することが多いでしょう。 昔、「NOと言える日本」という言葉がありましたが、被害者でることに胸を張って堂々と、 「お前が悪い、俺は全く悪くない」 と、弱者の立場から言えるような世界に、せねばなりませんね。 もちろん、そもそも入り口で明確に「逃げ」を打つ、というのも大事だと思いますが。 うーん。本の感想という大きなお題目からは脱線気味ですが、それがいちばんの読後感でした(笑)。 ▼内容について言うと、「ダイアナ」と名付けられた少女がいて、その母親が自由奔放型破りな水商売のプロ。シングルマザー。母にぎくしゃくした思いをもちながら育つ。 終盤に向け、ダイアナの出生の秘密、父親、父親と添わなかった理由などが明かされます。そして大まかに言うとみんなちゃんと愛してくれていた、みたいなことになるんですが。 そこのあたりの運びが、おもしろくは読めるのですが、ちょっと強引だなあとは感じてしまいました。 よくある話ですが 「だったらもっと早くにきちんと説明してあげておけよ」 「なんでそんな勝手な思い込みで動いてるんだ?」 「うーん、つまり、そういう物凄くアクロバティックな過去の感情の軌跡にしないと、つじつまが合わないもんね」 みたいな感想を持たざるを得ない感が。  まあ、とにもかくにも魅力的な設定から入って。そしてラストを「感動的な愛のオハナシ」にするためには、よくある力業な現象なんですが・・・。  必要に応じてちゃんと、過去の経緯と、気持ちを、自分の言葉で相手に伝えていたならば、あまりうねりのある物語にならないですから。  それはそれとして、いちゃもんというレベルの瑕疵かと思います。良い本で、おもしろい小説だったと思います。

Posted by ブクログ

2026/04/27

ずっと積読していたのですが、積読していた自分を叱りたいくらい面白かったです。 親友だった二人の成長物語。どちらも親との関係や自分の内面と向き合い、もがき葛藤していく様子が生き生きと描かれています。どちらにも共感できます。 普通にあこがれるダイアナと、普通から脱却したい彩子。正反対...

ずっと積読していたのですが、積読していた自分を叱りたいくらい面白かったです。 親友だった二人の成長物語。どちらも親との関係や自分の内面と向き合い、もがき葛藤していく様子が生き生きと描かれています。どちらにも共感できます。 普通にあこがれるダイアナと、普通から脱却したい彩子。正反対な2人だからこそお互いにずっと憧れていて、嫉妬し、信頼している。 喧嘩別れしても心にはいつもお互いが存在している。羨ましい関係だなと思いました。 彩子が被害にあうところは本当にはらわたが煮えくり返りました。 今後ご両親に話すのかな。その時のご両親の気持ちを思うととてもつらいです。 彩子はそれを乗り越えて成長できたのだろうけど、あまりにも代償が大きすぎる。 ティアラさんはサバサバとなんでも芯が通ってゆるぎない決断力があるように見えて、実は娘との関係を試行錯誤している。 あこがれるけど、共感できる部分も多いです。でも名づけ(特に漢字)はいただけないし男の見る目はないなと笑 ダイアナが大きくなるにつれティアラさんとの関係に向き合って成長して、二人の関係が変化していく様は、母娘っていいなと思いました。 最後、久しぶりにダイアナと彩子が対峙する場面は本当に胸が熱くなりました。 これからお互いの10年についてたくさん語り合うのかな。そこも読んでみたかったなと思います。

Posted by ブクログ

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