陸王

池井戸潤【著】

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2016/07/08
• JAN: 9784087716191

商品レビュー

2025/10/24

中小企業と一度故障したランナーが泥臭く這い上がってく話でとても勇気づけられた。

会社や団体を運営してれば、もちろん利益や勝利を考えなければならないし、出さなければ運営の継続性が損なわれる。でも損得勘定だけではなく、信頼とか人との縁が意外なところで助けてくれるのだな…と思える作品だった。
日常は人と人で行うのだから、どんな人でもちゃんと向き合おう…と改めて思った。

2025/10/21

埼玉の小さな老舗足袋業者が、大企業に挑む物語。作者お得意の敵が次々と現れ、何度も諦めかけては立ち上がる。その過程に胸を熱くする。
今回はジリ貧となっていく足袋業者。息子も家を継がせる程では無いが、就職に失敗して無気力で家業に就いている。容赦の無い銀行。古くからの番頭は新しい分野を否定。どうしようも無い状況から細々ながら運動靴を展開する。次々と現れる後援者達、それに抗うように現れる敵やライバル達。うまく行ったと思ったら底に突き落とされる。半沢の「倍返し」と同じような展開。TVは見ていないが、確かに映像でも見たくなるようなハラハラドキドキの展開だった。

2025/10/06

池井戸作品は、本作や下町ロケットのように零細企業の職人たちが持ち前の技術力でのし上がる作品がとても良い。

物作り大国、日本を支える職人たちの熱いやり取りに自分が忘れていた情熱を刺激されます。

ランニングシューズと足袋の融合という一見突拍子もない視点ですが、ここ最近どんどん日本の古き良き伝統を取り入れる風潮が増えてきて、それらに想いを馳せました。

飯山のような斜に構えた態度を取るが根は熱いおじさんや、工場の主力として現場を仕切るおばさまたち、頭の固い保守的な経理おじさんなど、うちにもいるいると言いたくなる登場人物がとても魅力的です。