商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 慶応義塾大学出版会 |
| 発売年月日 | 2016/05/01 |
| JAN | 9784766423457 |
- 書籍
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失業なき雇用流動化
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失業なき雇用流動化
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岸田政権時代、2023年の、いわゆる「骨太の方針」に、「三位一体の労働市場改革」が政策案として盛り込まれた。それは、①リスキリングの推進②職務給の導入③成長分野への労働移動の促進、という3つのテーマから成っていた。意図としては、成長性の低い産業分野から生産性の高い産業分野に、労働...
岸田政権時代、2023年の、いわゆる「骨太の方針」に、「三位一体の労働市場改革」が政策案として盛り込まれた。それは、①リスキリングの推進②職務給の導入③成長分野への労働移動の促進、という3つのテーマから成っていた。意図としては、成長性の低い産業分野から生産性の高い産業分野に、労働力を円滑に移動させるべきであるという考え方に基づいており、本書の題名の「失業なき雇用流動化」を促進しようとするものである。本書は、それがデータ的に見てどうなのか、理論的に見てどうなのかを、経済学者の視点から述べたものであり、それには、プラス面もあればマイナス面もあるよ、と冷静な議論を展開している。 いくつか面白い論点がある。 ■「円滑な労働移動を促進しよう」という裏側には、「日本は雇用流動性が低い国である」という前提があるのだが、調べてみると、アメリカは別として、ヨーロッパ諸国と比較して、必ずしも日本は雇用流動性が低いとは言えない ■「雇用流動化を妨げているのは、日本の厳しい解雇規制も一因である」という議論があるけれども、これも、アメリカは別として、ヨーロッパ諸国と比較して、必ずしも日本の解雇規制は厳しいというものではない ■雇用流動化と経済活性化の関係については、実証研究でも意見が分かれており、理論的・実証的に結論が得られているわけではない。雇用流動化論者の言うように、「雇用流動化が経済活性化につながる」とは、少なくとは一意的には言えない。むしろ、労働移動は経済成長率に対してプラスに作用する部分とマイナスに作用する部分があると考えた方が良い ■「成長分野に労働移動する」ことの目的は、賃金を上げることだと政府は説明しているが、日本の場合、雇用を増やしている、すなわち、雇用面での成長産業である「医療・福祉分野(介護など)」の賃金水準は全産業平均よりも低い。すなわち、成長産業への労働移動は、必ずしも賃金の上昇をもたらさない。逆に、全産業平均よりも賃金水準の高い、例えば、「情報通信業」の雇用はほぼ横ばいである といったことが事実として示される。 これが正しいのであれば、政府の言っている「三位一体の労働市場改革によって→雇用を流動化し→雇用者の賃金を引き上げる」ということは、そもそもロジックとして成立しないこととなってしまう。 私自身は、「三位一体の労働市場改革」で推奨されている「ジョブ型雇用」がこれ以上広がるとは思わないが(「ジョブ型雇用」という概念自体も誤解の産物である)、それでも、このように理屈のないことを、国が政策として進めようとしていることに、ひどく落胆を感じてしまう。
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