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「文系学部廃止」の衝撃
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「文系学部廃止」の衝撃
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商品レビュー
3.7
28件のお客様レビュー
この国に蔓延る文系無意味論と前面から対峙し、「役に立たないが価値がある」ではなく「役にたつ」と喝破する論は斬新かつ説得力があり目から鱗であった。教養、リベラルアーツ、一般教育の差異を歴史的文脈から明らかにし現代の大学の混沌とした議論を整理したところは特に爽快であった。知のあり方の...
この国に蔓延る文系無意味論と前面から対峙し、「役に立たないが価値がある」ではなく「役にたつ」と喝破する論は斬新かつ説得力があり目から鱗であった。教養、リベラルアーツ、一般教育の差異を歴史的文脈から明らかにし現代の大学の混沌とした議論を整理したところは特に爽快であった。知のあり方の違いという点で見落とされがちな人文系の意義を再確認できた一方、大学の危機に暗澹とする気にもなった。
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学問論・大学論を読み続けている。今週はこれ。 「文系は役に立たないからいらない」を否定し、「文系は役に立たないけれど必要だ」も否定。「文系は役に立つ」と主張。理系は新しいことを発見する学問なので短期的に「役に立つ」けれど、文系は既存の価値を批判・転換させるための学問なので長期的に...
学問論・大学論を読み続けている。今週はこれ。 「文系は役に立たないからいらない」を否定し、「文系は役に立たないけれど必要だ」も否定。「文系は役に立つ」と主張。理系は新しいことを発見する学問なので短期的に「役に立つ」けれど、文系は既存の価値を批判・転換させるための学問なので長期的に「役に立つ」という。議論の出発点には2015年の「文系学部廃止」。ただこれはメディアや大学人が文科省通知を精査していないことが原因の騒動だったとしている。
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2015年にメディアを騒がせた「文系学部廃止」の報道を受けて、その報道の誤りの背後にある、「文系は役に立たない」という常識そのものに対する問いなおしをおこなうとともに、これからの大学のありかたについての提言をおこなっている本です。 著者は大学史を簡単にたどり、「リベラル・アーツ...
2015年にメディアを騒がせた「文系学部廃止」の報道を受けて、その報道の誤りの背後にある、「文系は役に立たない」という常識そのものに対する問いなおしをおこなうとともに、これからの大学のありかたについての提言をおこなっている本です。 著者は大学史を簡単にたどり、「リベラル・アーツ」や「教養」、さらに現代の大学においてしばしば言及される「コンピテンス」などの概念が、どのような経緯によって生まれてきたのかということを明らかにするとともに、人類的な普遍性に奉仕し、普遍的な価値を追求することが大学のほんらいの使命であることが確認されています。そのうえで、目的合理性とは異なる、人類的な普遍性をもつ価値そのものを問う文系の学問は、むしろ「役に立つ」のだという主張が展開されています。 後半には、現在の大学改革の方向性を批判し、著者自身の考えるあるべき大学のかたちについての具体的な提言が示されています。こうした提言がどれほど実現可能性をもつものであるのかということはわかりませんが、日本の大学が進むべき道に悲観的な読者にとってもポジティヴな展望を示したいという著者の思いは伝わってくるように感じました。
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