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「文系学部廃止」の衝撃 の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2025/11/27

半ば反抗的に、文系はいかにして役に立つのかを説いてるように見えてしまった箇所有り。 視点は違えど、大局的には「役に立つか否か」という土俵で議論を始めたのは主張の本筋からズレている気がした。 ただそうでもしないと内容の片鱗さえも伝わらないことを危惧した結果なのであれば、分からなくも...

半ば反抗的に、文系はいかにして役に立つのかを説いてるように見えてしまった箇所有り。 視点は違えど、大局的には「役に立つか否か」という土俵で議論を始めたのは主張の本筋からズレている気がした。 ただそうでもしないと内容の片鱗さえも伝わらないことを危惧した結果なのであれば、分からなくもない。 理系は何を扱い、文系は何を扱うのか、その説明から丁寧に行えば、自ずと「文系」の存在意義が浮き彫りになるのではと強く思うが、記憶に残っていない(書いてるかもしれないけど)。 一方、鷲田清一先生が書かれた「文系が危ないのではない。文化が危ないのだ。」という紹介文は極めて的を得ていると思う。

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2025/06/28

この国に蔓延る文系無意味論と前面から対峙し、「役に立たないが価値がある」ではなく「役にたつ」と喝破する論は斬新かつ説得力があり目から鱗であった。教養、リベラルアーツ、一般教育の差異を歴史的文脈から明らかにし現代の大学の混沌とした議論を整理したところは特に爽快であった。知のあり方の...

この国に蔓延る文系無意味論と前面から対峙し、「役に立たないが価値がある」ではなく「役にたつ」と喝破する論は斬新かつ説得力があり目から鱗であった。教養、リベラルアーツ、一般教育の差異を歴史的文脈から明らかにし現代の大学の混沌とした議論を整理したところは特に爽快であった。知のあり方の違いという点で見落とされがちな人文系の意義を再確認できた一方、大学の危機に暗澹とする気にもなった。

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2025/01/12

学問論・大学論を読み続けている。今週はこれ。 「文系は役に立たないからいらない」を否定し、「文系は役に立たないけれど必要だ」も否定。「文系は役に立つ」と主張。理系は新しいことを発見する学問なので短期的に「役に立つ」けれど、文系は既存の価値を批判・転換させるための学問なので長期的に...

学問論・大学論を読み続けている。今週はこれ。 「文系は役に立たないからいらない」を否定し、「文系は役に立たないけれど必要だ」も否定。「文系は役に立つ」と主張。理系は新しいことを発見する学問なので短期的に「役に立つ」けれど、文系は既存の価値を批判・転換させるための学問なので長期的に「役に立つ」という。議論の出発点には2015年の「文系学部廃止」。ただこれはメディアや大学人が文科省通知を精査していないことが原因の騒動だったとしている。

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2023/01/23

2015年にメディアを騒がせた「文系学部廃止」の報道を受けて、その報道の誤りの背後にある、「文系は役に立たない」という常識そのものに対する問いなおしをおこなうとともに、これからの大学のありかたについての提言をおこなっている本です。 著者は大学史を簡単にたどり、「リベラル・アーツ...

2015年にメディアを騒がせた「文系学部廃止」の報道を受けて、その報道の誤りの背後にある、「文系は役に立たない」という常識そのものに対する問いなおしをおこなうとともに、これからの大学のありかたについての提言をおこなっている本です。 著者は大学史を簡単にたどり、「リベラル・アーツ」や「教養」、さらに現代の大学においてしばしば言及される「コンピテンス」などの概念が、どのような経緯によって生まれてきたのかということを明らかにするとともに、人類的な普遍性に奉仕し、普遍的な価値を追求することが大学のほんらいの使命であることが確認されています。そのうえで、目的合理性とは異なる、人類的な普遍性をもつ価値そのものを問う文系の学問は、むしろ「役に立つ」のだという主張が展開されています。 後半には、現在の大学改革の方向性を批判し、著者自身の考えるあるべき大学のかたちについての具体的な提言が示されています。こうした提言がどれほど実現可能性をもつものであるのかということはわかりませんが、日本の大学が進むべき道に悲観的な読者にとってもポジティヴな展望を示したいという著者の思いは伝わってくるように感じました。

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2021/10/30

https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB20668526

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2020/04/09

巷で耳にする"そんなん学んで何になるの"という言説に漠然とした不安を抱えている文系学習者にお勧めしたい一冊。文系の知が役に立つことを述べてくれるだけでなく、個人的には文系の論文の構成について詳しく述べているので、論文作成時にも役立つと思う。 吉見先生のゼミ、時...

巷で耳にする"そんなん学んで何になるの"という言説に漠然とした不安を抱えている文系学習者にお勧めしたい一冊。文系の知が役に立つことを述べてくれるだけでなく、個人的には文系の論文の構成について詳しく述べているので、論文作成時にも役立つと思う。 吉見先生のゼミ、時間があれば参加してみたいな〜!今期のシラバスも凄かったそうな

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2020/01/22

「文系は役に立たないが価値はある」という言葉に対し「役に立つ」と言い切り、ずんずん進んでゆく本書を読んでいると、学ぶことへの勇気が湧いてくる。 理系の知を、確立した価値体系の中で問題提起(目標)と解決を短期的に達成することを目指したものとおき、文系はそれに対して価値そのものを見...

「文系は役に立たないが価値はある」という言葉に対し「役に立つ」と言い切り、ずんずん進んでゆく本書を読んでいると、学ぶことへの勇気が湧いてくる。 理系の知を、確立した価値体系の中で問題提起(目標)と解決を短期的に達成することを目指したものとおき、文系はそれに対して価値そのものを見つめる(「価値とは何か?」という問いを有する)とおく。 確かに50年後、100年後の社会が現在と同じ価値基準で動いているとは思えない。(50年前と今がそうであるように) そしてまた、自身の50年後(生きていれば)を考える上でも、この意味をよく分かっておかなければならないように思う。 筆者も言及しているように、今後、日本社会は超高齢化社会を迎える。 子どもが少ない中で日本はどのような「成長」を遂げるべきなのかではなく、中年~老人がいかに生きるべきなのかを考える時代がやってくると思う。 この本では大学の成り立ちや、では何故、理系が優遇され文系が淘汰されてきたのかというパワーバランスについても触れられていて面白い。 神という価値、国という価値を経て、今はやはり学ぶ者自身が価値の取捨選択のしやすい時代になったと思う。 (教養は国としての価値を体現したもので、国境を越えることが難しいという言葉が印象的だった。確かに。) そして今後、大学で学ぶ者の年齢幅を大きく増やした時、やはり筆者の言う文系的な知にまた戻って来ざるを得ないような気がする。 AI台頭と英語の実用化が巷を賑わせている中、プログラミングや英語四技能が青年教育の中核を担っていくようだ。 とすれば、そうした社会の「価値」の次には一体何がやってくるのだろう。 三年ほど前に出版された本なので、続いて最新作も読んでみたいと思う。

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2019/08/16
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「文系は役に立たないからいらない」「文系は役に立たないけれども価値がある」という議論を批判している。「文系は必ず役に立つ」らしい。「価値の軸を創造する力」「既存の価値を相対する力」が文系の知にはあるようだ。 私は文系人間だが、べつに価値がなくてもいいし、役に立たなくてもいいと思っている。でも、下り坂の日本でこれからの時代を生きていく子どもたちが今までと同じ感覚で安易に文系を選択することはあまりよいことだとは思えない。 いろいろな考え方があると思うが、大学に関する議論はそこに勤める人間の食い扶持ではなくて日本の将来や学生のことを第一に考えてほしい。

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2019/05/21

理系と文系の「役に立つ」の違いは分かったが、じゃあ文系が理系のように稼ぐには(キャリアを作るには)どうしたら?たしかに理系の研究するなら若い方がいいのかもしれないが、最初に理系を学んで、社会人経験積んでから文系、というのがなんだかな。周りにも大学生(18~20歳に入学した、一般的...

理系と文系の「役に立つ」の違いは分かったが、じゃあ文系が理系のように稼ぐには(キャリアを作るには)どうしたら?たしかに理系の研究するなら若い方がいいのかもしれないが、最初に理系を学んで、社会人経験積んでから文系、というのがなんだかな。周りにも大学生(18~20歳に入学した、一般的な意味の)の時には文系だったけど、看護学校入り直したり会社で勉強してSEなってる文→理の進路を行く人も存在する。文系でも「短期的に」役に立てることがないとなかなか就職が厳しいのだよ。神の役に立つ、地球社会の未来に役に立つ、立派なお題目だけど、まず自分が自立できるだけの金を稼ぐのに役に立つ学問を学びたい。 でも、「経済成長や新成長戦略といった自明化している目的と価値を疑い、そういった自明性から飛び出す視点がなければ、新しい創造性が出てこない」には納得。常識を疑う訓練をする、ことが大学進学を決めた大きな理由だったから。 理系…目的が既に設定されていて、その目的を実現するために最も優れた方法を見つけていく目的遂行型、短期的に答えを出すことを求められる 文系…「役に立つ」ための価値や目的自体を想像する価値創造型、長期的に変化する多元的な価値の尺度を視野に入れる 18歳~20歳、30代前半、定年後60代で大学で学ぶ。理想的だけど、先立つものが・・・とくに30代前半なんて、4年も行くのはかなりの時間的ロスな気も。仕事はブランクなるし、子育てとかぶると大分厳しい。大学1,2回生のような大人数一方講義だとビデオやオンラインでいいわ。課題や同級生との交流があるからその場に言って学ぶ意味があるのであって。 <参考文献> ・マックス・ウェーバー『プロ倫』『職業としての学問』 ・坂口安吾『堕落論・日本文化私観』 ・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』

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2018/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2015年の文科省通知「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」が出て、「文科省は文系学部廃止を企んでいる」という解釈が瞬く間に広がった。2013年の国立大学改革プランで示された文言の焼き直しに過ぎなかったにも拘らず、である。 この原因は、この「通知」の文脈的な理解ができずに文章の字面だけで記事を書いて平気なマスコミ記者たち、あるいは関連資料に当たることも記事を系統的に検証することもなく、マスコミ情報を前提に議論を始める一部の大学人やメディア言論人の劣化に一因がある。もう一つ「文系は役に立たない」という認識が広まっていたことも大きい。 「文系は役に立つ」が本書の主眼である。 この点では広田照幸氏の発言が印象的である。「哲学なんかこそ、実は新しいアイディアの宝庫なんです。現象の本質を抽象的な概念で論理的に考える訳ですから。長い目で見れば、そうした思索こそが、あたらしいアイディアを生み出す。そういう意味では、『経済効果』から見ても、ちゃんと意味はある」。つまり、目的遂行的には理系的な知が役立つが、「価値創造的」には、文系の知こそが、長く広い未来のために役立つといのが、著者の主張である。 ただ、昨今の新自由主義的経済の中では、結果がすぐに、しかも成果を数値化して示すことが求められるなかで、文系的な知の重要性が評価されにくいのは事実かもしれない。さらに、数ある大学の中・下位校、特に多数を占める文系の学部教育のお粗末さが、「文系不要論」に拍車をかけているように思われるのである。 この著書では、大学人やマスコミなどが混同(誤解)している用語を整理していることも重要だ。人文社会系、教養、一般教育、リベラルアーツの定義がされないために、大学教育改革の論点が定まらないことが多いからだ。 ○リベラルアーツ(Liberal Arts): 11、12世紀に誕生した中世の大学教育における言語系の三学(文法学、修辞学、論理学)と数学系四科(代数学、幾何学、天文学、音楽)を指す(著者は「音楽」を芸術系に分類しているが、ここでの音楽は現在でいう物理学と解すべきである)。リベラルアーツは、リベラルに思考する技法、つまり、私利・私欲、因習、社会通念、偏見、迷信、先入観、そして功利性から解放された(liberal)、普遍妥当性のある価値や概念(真理)を見出し、理性的で論理的な思考でもって正しい問題解決策を導く技法(arts)を身につけるための科目群と考えるべきであろう。 ○教養(Culture):19世紀以降の「国民国家」の形成(ナショナリズム高揚)が背景。近代産業文明のなかで、国民の人格の陶冶・涵養をするために過去の伝統との結びつきを強調。「文化=教養」を通じた国民主体と国家の一致という考え方がある(p.83)。 ○一般教育(General Education):大学教育のユニバーサル化とともに、一般大衆に向けて機能する基礎教育の必要性とともに登場。異なる専門分野を総合する力を身につけ、未来的な課題に立ち向かう能動的な知性を具えた市民の育成を目指す。アメリカにおける大学院の発展が背景。 ○共通教育:1990年代以降の大学改革の流れの中で登場。従来の一般教育に加えて、スキル科目(コンピュータ・リテラシーや実践的英語能力)が含まれる。グローバル化社会や情報社会を生き抜くスキルを身につけることを目的とする。 第四章「人生で3回、大学に入る」では、あまりにも理想的すぎるはと思われる記述が散見された。大学で学ぶ費用が高くなっている中で、その費用を投資しても、少なくとも2回目、3回目の入学では回収できる期待がほとんどない。そもそも今の日本の社会では、大学入学のため退職しようものなら、再就職のときにより良い条件で雇用される可能性は低い。単に趣味で学びたいという人もいるかもしれないが、あまりにもコストがかかる趣味である。知識を得るのであれば、書物や学会、インターネットでも十分可能である。そもそも、大学のレベルでは一方的な講義形式が主流であるし、数少ないゼミでも、中身の深い議論が期待できないからだ。 東京大学の教授の著書だけに、中身が濃く読み読み応えがある章(1~3章)と少し現実離れしているのではないか思われる章(4章)が併存している、そんな印象であった。

Posted byブクログ