商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2015/02/01 |
| JAN | 9784167902933 |
- 書籍
- 文庫
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商品レビュー
4
378件のお客様レビュー
#読了 2026/8/30 64ロクヨン/横山秀夫 映画を先に観ていたんだけど、小説の方が圧倒的に良かった。主人公の内面の変化が肝の小説だから、映画とは少し相性が悪かったのかも。警察の内部政治、事件、主人公の問題、時効を迎える直前の誘拐事件、全てが絡み合い濁流に呑まれ、そして...
#読了 2026/8/30 64ロクヨン/横山秀夫 映画を先に観ていたんだけど、小説の方が圧倒的に良かった。主人公の内面の変化が肝の小説だから、映画とは少し相性が悪かったのかも。警察の内部政治、事件、主人公の問題、時効を迎える直前の誘拐事件、全てが絡み合い濁流に呑まれ、そして一本になる。見事。
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※このレビューにはネタバレを含みます
Marvelous! But… 本書の凄みは、薄っぺらい会話がほとんど無い点。つまり、斬れば血が出るシリアスな内容を登場人物たちが本音で語っており、特に広報室の三上やその部下の諏訪、松岡参事官などの言葉のやり取りには胸が熱くなるような迫力と感動がある。 その背景には、不祥事続きのD県警生え抜きの刑事部長ポストがキャリアの指定席(天下り)となりそうな事態がある。刑事部では誘拐事件を解決できないばかりか、証拠隠蔽も発覚しそうになり、三上らの広報室は記者クラブ対応に翻弄される。 本書のクライマックスの一つは、情報の出し惜しみをする刑事部のせいで三上が自分の首をかけて記者たちを説得する場面。 「お前らおかしくないか。実名発表をもぎ取ったのになぜ大切にしない?俺は実名発表に踏み切った。話すべきことはすべて話した。D県警が汚いから、信用できないから、だから俺と握手ができないのか。話を白紙に戻して、また一からこの不毛な争いを繰り返すのか。そうしたいならそうしろ。組織と組織の話にしろ。ここでの話をデスクに報告し、俺の上司にも抗議しろ。すぐに新しい広報官が来る。そいつと匿名実名の議論を最初からやり直せ」(P166) 熱い、熱すぎる。 また、松岡参事官の(外出しようとしない)三上の妻への気遣い。 「家から出ないんだと?外の空気を吸った方がいい。電話を待つ気持ちはわかるが、人助けということなら自分を納得させる理由になるんじゃないのか」 三上は唇を噛み締めた。刑事に未練はありません。さっきの言葉は取り消せない。取り消すつもりもない。それでも、未練がましく思った。この男の下で、もう一度働きたい。(P271) 何度かの無言電話を家出した娘からのものだと信じようとする妻は、電話を待つためになかなか家から出ようとしない。元婦警だった妻を誘拐事件のアベック捜査要員として使いたいとの元上司の愛ある申し入れに三上は頭を垂れる。 本来であれば、満点評価もありの内容でしたが、どうしても気になった点が。 リアルな小説だからこそ、無視出来ない瑕疵。 以下はマジなネタバレあります。 誘拐事件の被害者家族の雨宮が14年前に電話越しに聞いた犯人の声を何万人の声からピンポイントで特定できたこと。まず、人間の記憶はテープレコーダーとは違うし、人の声も年齢とともに微妙に変わる。そしてなによりも万が一間違っていたら、どう責任をとるのか!? これは本作展開の肝の話(三上の妻への無言電話と繋がる)だけに、外せない要素だったのは理解した上で、リアリティ重視の小説だからなおさら犯してほしくなかった禁じ手でした。ってことで、最終的には星4つ。
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上巻で幸田メモの真相に迫ってからの下巻。 長官視察の裏にある思惑。 広報室とマスコミの対立。 ストーリーが畳み掛けるように動き始め、繋がっていく展開で一気読み必至。 地方生え抜きの最高峰、刑事部長ポストを召し上げてキャリアが座る。 刑事部出身の三上にはその重大さが痛いほど理解できる一方で、警務部としての職責でその発表の地・長官視察を成功させなければならない。 「D県警をダラスにするのか、しないのか。」p132 この一言がなぜか強く印象に残った。 (余談:読んでいる時期がちょうど北中米W杯で、ダラスで試合があったからかも) 「上イコール組織です。組織の意思を無視した広報なんて広報と言えません」 「個人の集まりが組織だ。個人の意思が組織の意思になることがあったっていい」p149 実名発表を巡るマスコミとの対立のなかで、銘川老人の人生は記事にならず、ひっそりと閉じた。 その事実を三上率いる広報室とマスコミが共有し、和解する。 いち会社員としてもちろん組織人ではあるが、一方で個人であるという当たり前のことを改めて意識できる好きなシーン。 そしてクライマックス、ロクヨンが繰り返されたと思いきや、その指揮を取る車内はS64年に引き戻される。なかでも随所に張られていた電話の伏線回収は鳥肌もの。 全ての謎が解決されるわけではなくて、それもまた人生だなと思ったり。
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