商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2014/02/22 |
JAN | 9784122059122 |
- 書籍
- 文庫
人質の朗読会
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人質の朗読会
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商品レビュー
3.9
212件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
海外旅行ツアーで誘拐された人質が1人ずつ朗読したそれぞれの過去の物語。 落ち着いた語りの中に「死」が見え隠れする。朗読の終わりに朗読者の職業、年齢、なぜこのツアーに参加していたのかが明記されており、そこが妙にリアル。語りの内容と現在の人生がリンクしている。全編を通して重いし、辛い。 小川洋子氏は容赦なく、残酷だ。 今を大切に生きよう。そんな風に思えた。
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私のよく聞くラジオ番組で、「忘れ得ぬ人」についての投稿を照会するコーナーがある。もう会うこともないけれど、連絡を取ろうとも思わないけれど、時々ふと思い出す、忘れ得ぬ人。 人質という厳しい状況の中で、それぞれに書きおろされ、そして順に朗読されていった物語は、誰もが持つ「忘れ得ぬ人」...
私のよく聞くラジオ番組で、「忘れ得ぬ人」についての投稿を照会するコーナーがある。もう会うこともないけれど、連絡を取ろうとも思わないけれど、時々ふと思い出す、忘れ得ぬ人。 人質という厳しい状況の中で、それぞれに書きおろされ、そして順に朗読されていった物語は、誰もが持つ「忘れ得ぬ人」についての記憶であった。 本書を読みながら、自分なら何を書き、どう読むだろうかと、誰もが考えることだろう。今の仕事とも家族とも全然関係のない、人生を決めるような何か決定的なものというのでもない、秘密と言うわけでもないがあえて自分から語ることもなしにきた、そういう記憶。 映像と音や匂いで、マルチモーダルに記憶されている状況を、いったん書き下ろしてから朗読するという迂遠な手続きだけれど、その手続きを経ることで、声が整うのだろう。覚悟の遺書や日記としてではなく朗読のための原稿としたことで、その原稿ではなく録音された音源として読者に手渡すことで、それを読んだ人たちはもういないのだとすることで、静かに整った声にじっと耳を澄ませるように促すのだ。
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連作短編集で、旅行中に捕まり人質となった人たちが一人一人語っていく物語。 その語られる内容がなんだか温かくて何気ない出来事なのだけど、その切り取った場面の描写が繊細で読んでいて小説の世界に入るってこういうことか、となった。 小川洋子さんの作品はやっぱり文章が美しい。宝石みたい。 ...
連作短編集で、旅行中に捕まり人質となった人たちが一人一人語っていく物語。 その語られる内容がなんだか温かくて何気ない出来事なのだけど、その切り取った場面の描写が繊細で読んでいて小説の世界に入るってこういうことか、となった。 小川洋子さんの作品はやっぱり文章が美しい。宝石みたい。 この人の描く世界観が好きでずっと浸っていたくなる。
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