商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2014/01/24 |
JAN | 9784103336426 |
- 書籍
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穴
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穴
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商品レビュー
3.2
153件のお客様レビュー
とにかく穴とは一体なんなのか、 義理の祖父の水撒きや、姑、舅が 昼間は何処にいるのか、働いている とは言っているが何をしているのか 全く謎だ。 夫は携帯を離さず妻と暮らしている 様に見えるが存在はその家には 無い様である。 穴や見えない獣、全く知らない義兄 と接する内に田舎の因習...
とにかく穴とは一体なんなのか、 義理の祖父の水撒きや、姑、舅が 昼間は何処にいるのか、働いている とは言っているが何をしているのか 全く謎だ。 夫は携帯を離さず妻と暮らしている 様に見えるが存在はその家には 無い様である。 穴や見えない獣、全く知らない義兄 と接する内に田舎の因習、その地に すっかり馴染み姑と同じ顔、お嫁さん にすり替わっていた。 他の連作の二篇も都会と田舎、女二人の 何かを含くみを持った会話や男達との 見えない薄い膜、全ての作品が何か不穏 で不安を掻き立てる。
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河原にある胸の高さほどの深さの穴、それが示すことは最後まで明かされず、そして義祖父が亡くなってから、河原にいた多くの子供たちは忽然と姿を消えたり、黒い謎の獣、いるはずのない義兄など、最初から最後まで全体的に不気味な雰囲気が漂う作品だった。 しかし、不気味で少し怖い要素も含まれてい...
河原にある胸の高さほどの深さの穴、それが示すことは最後まで明かされず、そして義祖父が亡くなってから、河原にいた多くの子供たちは忽然と姿を消えたり、黒い謎の獣、いるはずのない義兄など、最初から最後まで全体的に不気味な雰囲気が漂う作品だった。 しかし、不気味で少し怖い要素も含まれているのにも関わらず、そこまでホラーな雰囲気をまとっていないのが、著者が紡ぐ文章の巧さから来ているものだと考える。 知らない土地で、姑家族と過ごすという一見ありふれた内容ではあるのだが、そのありふれた日常の部分に潜む非日常の部分に着目して、作品は展開されているのだろう。 私たちの何気ない日常にも、気づいていないだけでこの作品のような不気味で、だが不思議と怖さはない少し非日常な部分が潜んでいるのだろうか。
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タイトルの“穴”にスリリングさを感じて手に取ったが、奇妙な出来事が起こるけれども不条理を承服するどこまでもリアリスティックな物語だったように思う。現代社会における矛盾や問題に多くの人がそうするように、声をあげず諦観し慣れてゆく様が写し出されているように思う。諦観を抱くような読後感...
タイトルの“穴”にスリリングさを感じて手に取ったが、奇妙な出来事が起こるけれども不条理を承服するどこまでもリアリスティックな物語だったように思う。現代社会における矛盾や問題に多くの人がそうするように、声をあげず諦観し慣れてゆく様が写し出されているように思う。諦観を抱くような読後感は嫌いでは無い。 ▼獣が出てくるなら、村上春樹の「緑色の獣」(収録『レキシントンの幽霊』)くらい突っ切る話を期待していたが違っていたので半読了。またいつか残り二篇を読むことにする。
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