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キャリア教育のウソ ちくまプリマー新書

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2013/06/07 |
JAN | 9784480688996 |
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キャリア教育のウソ
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キャリア教育のウソ
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大学でキャリア教育論を18年近く教えている著者による、中高で行われる「キャリア教育」が推進されるワケやその方法の問題点を解説したもの。帯には「『やりたいこと至上主義』のワナとは」と書かれていて、キャリア教育の理想論と現実がいかにマッチしていないか、ということが語られる。 おれ...
大学でキャリア教育論を18年近く教えている著者による、中高で行われる「キャリア教育」が推進されるワケやその方法の問題点を解説したもの。帯には「『やりたいこと至上主義』のワナとは」と書かれていて、キャリア教育の理想論と現実がいかにマッチしていないか、ということが語られる。 おれも現場の教員で高1担当で、まさに「探究」みたいな時間に「キャリア教育」を行なっている立場なのに、ずっと「キャリア教育」の胡散臭さみたいなものを感じているので、ちょうどこの本はおれの感覚に合っていることもあって読みやすかった。最初は、基本的に中高の指導経験がない人が書く中高生対象の教育論というものに懐疑的なので、この本自体にも胡散臭さを感じてしまったが、読んでいくうちに、共通の敵という感じで指導要領批判が出ているので、敵の敵は味方、みたいな感じになってしまった。あとキャリア教育も胡散臭いけど、p.40以降でも述べられている「キャリア教育ビジネス」はもっとイヤ。って言って最近そういう人たちの学校への半ば売り込み的なセミナーに参加させられることになり、話題自体がすごい身近だった。 まずキャリア教育の内容として、「①『自己理解』系、②『職業理解』系、③『キャリアプラン』系」(p.57)と整理されていることがあらためて確認できた。確かにどれもやってるし想像できるなあ。余興としてはいいけど、本当に真面目にやるのはどれも好きじゃないなあ、という感じ。「夢、やりたいこと、就きたい職業」(p.64)なんかを答えさせないといけない指導、とか本当やだなと思っている。その理由がちゃんと明確に書かれているので、ある意味痛快だった。「日本の職業世界では、専門職や専門的職種などを除くと、そもそも雇用はジョブ(仕事)によって切り分けられていない。文系のホワイトカラーなどでは、その枠内であれば、どんな仕事にも対応できることが求められる。職業世界の『現実』がこうであるのに、キャリア教育においては『やりたいこと(仕事)』を明確にすることが求められる。ーこうした対応関係には、もともと無理があるのではないか。」(p.67)、「実際には多くは、『事務系の会社員』、『サービス系の会社員』、『技術系の会社員』になっていくのではないか。(略)具体的な仕事内容は、入社してからしか確定しない。」(同)というのが、分かりやすい現実だと思う。就労経験のない子どもや若者が「『やりたいこと(仕事)』を見つけるとは、いったいどういうことなのだろう。これまでの経験で接したことのある職業人に影響されて、ということもあるだろうが、それも、学校の先生や病院の看護師といった、かなり狭い範囲での『経験』に限られてしまわないか。そうでなければ、メディアを通じて得た『情報』に飛びつくということであろう。要するに、子どもや若者は"絶対的な意味で"職業(仕事)をよく知らないのである。」(p.74)というのも全くその通り。「イメージ先行型の"憧れ"に近いものになるか、"出会い頭"に近い選択になってしまうのではなかろうか。」(同)というのに納得した。そして、「キャリアアンカー」、「キャリアアダプタビリティ」という言葉を初めて知ったし、その考え方も理解できたが、それは中高生で考えるのはちょっと難しいんじゃないか、と同時に思った。「自分が働くうえで大事にしたいこと、実現したいと思うこと、自らの『価値観』や『軸』を掘り下げておけば、いざ仕事をする際には選択肢はいくつも広がっているはずである。」(p.88)ということで、こういう方向での指導が可能なのであれば、そっちの方が感覚には合うなあという感じがする。あとは「正社員になろう!」(p.137)なんて、よくこんな資料作るな、と思ってしまった。こういう資料を作る年代のあなたたちのせいで正社員なれない人いるんじゃないの、とか意地の悪いことを思ったり。 で、最後に、では本当に理想の「キャリア教育」の中身はどんなものになるべきか、という話があり、その中では「労働法についての学習、相談・支援期間についての情報提供」(p.155)とかリアルだなと思った。おれも知らないな、こういうの、とか。著者自身も書いているが、この本自体が10年以上前のものなので、現在の状況についてアップデートされた分析が知りたい、と思った。(24/11)
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学生が就活前に読んでほしいもの キャリア教育の焦点が、職業や就労だけに当たってしまっている。 ② キャリア教育への取り組みが、学校教育全体のものになっていない。(教育課程から見て、〝外付け〟の実践になってしまっている。 キャリアとは、「これまでの、そしてこれからの人生の履歴」を...
学生が就活前に読んでほしいもの キャリア教育の焦点が、職業や就労だけに当たってしまっている。 ② キャリア教育への取り組みが、学校教育全体のものになっていない。(教育課程から見て、〝外付け〟の実践になってしまっている。 キャリアとは、「これまでの、そしてこれからの人生の履歴」を意味する。しかし、そこには、そうした「履歴」が〝変転の可能性を含んでいる〟という含意がある。少なくない〝節目〟や〝転機〟が存在することが想定されている。 キャリア教育とは、字義どおりに解せば、「キャリアのための教育」であろう。つまり、変化の激しい社会に 漕ぎ出ていって、そこで自らのキャリアを築いていくための準備教育で「児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる。 社会的な存在である人は、人生の履歴において、さまざまな「役割」を引き受けながら生きていく。 それは、役割を引き受けるという仕方で社会に参加し、貢献していくことでもある。 そして、そうした「役割」を担うことができるように成長すること、そのことを、自分の「生き方」として、自分の中に統合していけることが「キャリア発達」で ①「自己理解」系 ②「職業理解」系 ③「キャリアプラン」。 日本の職業世界では、専門職や専門的職種などを除くと、そもそも雇用は、ジョブ(仕事) によって切り分けられていない。文系のホワイトカラーなどでは、その枠内であれば、どんな仕事にも対応できることが求められる。職業世界の「現実」がこうであるのに、キャリア教育においては、「やりたいこと(仕事)」を明確にすることが求められる。──こうした対応関係には、もともと無理があるのではない。 ① 日本の雇用慣行においては、そもそもジョブ(仕事) に応じた採用や育成がなされないことが多い。 ② 「やりたいこと(仕事)」の見つけ方が、主観的な視点に偏ってしまう可能性がある。 ③ 「やりたいこと(仕事)」を、その実現可能性や社会的意味との関係で理解する視点が弱いように思わない。
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教採の面接対策にと一読。 教える側はもちろん,生徒や学生にも非常に読みやすい一冊でした。 社会構造から一昔前とは異なる雇用環境,崩れる終身雇用制,右肩上がりの非正規雇用。読者である私も非正規労働者です。大切なことは「この仕事」よりも自分の軸を持つこと。
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