商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2013/03/12 |
JAN | 9784334752682 |
- 書籍
- 文庫
失われた時を求めて(3)
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失われた時を求めて(3)
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スワンは、オデットに恋心を抱き頻繁に逢うようになる。 やがて、スワンは、オデットの言動に疑いを持ち、強い嫉妬に駆られる。 だが、幸福な時は短い。 スワンの中にもう一つの疑念が生まれ、追うほどに彼の前にオデットの新たな相貌が現れる。 この辺りのプルーストのメスさばきは、氷のようだ。...
スワンは、オデットに恋心を抱き頻繁に逢うようになる。 やがて、スワンは、オデットの言動に疑いを持ち、強い嫉妬に駆られる。 だが、幸福な時は短い。 スワンの中にもう一つの疑念が生まれ、追うほどに彼の前にオデットの新たな相貌が現れる。 この辺りのプルーストのメスさばきは、氷のようだ。/ スワンの孤独な横顔に惹かれる。 彼は、田舎娘を貴婦人と見間違うドン・キホーテのようだ。 彼がオデットの中に見ていたボッティチェリのチッポラは、跡形もなく打ち砕かれる。 やがて、スワンにも結晶解体の時が訪れる。/ 彼はまた、自らの意見を昂然と口にするがゆえに、ヴェルデュラン夫人の不興を買い、サロンから追われる。 だが、住み慣れた社交界も、彼にとっては、もはや異邦の地なのだ。/ 『しかし、スワンのことが気にくわないと発言したヴェルデュラン氏はそのとき、自分の意見を表明しただけではなく、妻の考えも見抜いていたのだ。 —中略— だが、もっと深い理由がほかにあった。スワンのうちには他人が入っていけない固有の空間があることに夫妻はすぐに気がついたのである、そこではスワンは相変わらず、口に出さないまでも、内心では、たとえばサガン大公夫人は粗野ではないし、コタールのジョークは面白くないと言い続けていることに。 そして、 —中略— そんなスワンに教義を押しつけたり、全面的に改宗させたりするのが不可能だということにー —中略ー されど異端抛棄の誓いをスワンから引き出すことはできない。それを夫妻は理解していた。』(第二部「スワンの恋」) 空気を読まないスワンには、孤立への道しか残されていない。/ 『スワンの想念は初めて、かのヴァントゥイユー同じように大いに苦しんだに違いない、卓越した能力に恵まれた未知の同志へと向かってゆき、深甚なる同情と愛情が澎湃として湧き上がるのを感じた。彼はどんな人生を送ったのだろう。どんな苦悩の底からこの神のごとき力、限りない創造力を汲み取ったのだろうか。 ー中略— 小楽節が模倣し、再創造しようとしたのは、内面の悲しみが放つ魅力だった。』/ 『吉田秀和がいみじくも指摘しているように、(略)プルーストを読むとは、畢竟、私たち自身の経験や過去を読み直すことでもある。』(「読書ガイド」)/ 確かに、プルーストを読んでいると、自分の人生のいろいろな場面が走馬灯のように甦ってくる。 怖ろしいほどに。 この物語が何回もの再読に耐える所以だろう。
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第二篇の上巻は光文社で。 今まで自分にぴったりの訳を追い求めてちくま文庫、岩波文庫、集英社文庫…と色々読んできたけれどやっぱり古典新訳に関してはさすが安心と信頼の光文社、読みやすかった。 個人的な読みやすさ指標としては、 集英社>光文社>岩波>>>&...
第二篇の上巻は光文社で。 今まで自分にぴったりの訳を追い求めてちくま文庫、岩波文庫、集英社文庫…と色々読んできたけれどやっぱり古典新訳に関してはさすが安心と信頼の光文社、読みやすかった。 個人的な読みやすさ指標としては、 集英社>光文社>岩波>>>>ちくまという感じかな。(左に行くほど読みやすい) そんなことは置いといて、相変わらず主人公のジルベルト愛が溢れてたなあ。 と同時にちょいちょい挟まれる芸術への批評も読んでいて面白かった。
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スワンも語り手である私もすごく一方的な自分勝手な片思いしてる印象を受けたけど、スワンのがまだなんとなく読んでて楽しかった。どっちもなよなよしてたけど。それに語り手はジルベルトのことを好きなはずなのにオデットに魅了されすぎじゃない。
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