商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2013/03/08 |
JAN | 9784591134214 |
- 書籍
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少年十字軍
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少年十字軍
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商品レビュー
3.8
36件のお客様レビュー
3:★3.5。「海賊女王」に引き続き、皆川作品を。(作品世界の)時勢を反映した虚無感、神や奇跡を求める人心に応えるかのごとく現れたエティエンヌ。彼の見せる「奇跡」のあれこれは決して奇跡などではないと仄めかされつつ、それでも止まらない・帰れない巡礼の歩みが、どうにも悲しかったです。...
3:★3.5。「海賊女王」に引き続き、皆川作品を。(作品世界の)時勢を反映した虚無感、神や奇跡を求める人心に応えるかのごとく現れたエティエンヌ。彼の見せる「奇跡」のあれこれは決して奇跡などではないと仄めかされつつ、それでも止まらない・帰れない巡礼の歩みが、どうにも悲しかったです。 騙され、利用された挙句のささやかな復活とガブリエルの決断こそが、いちばんの奇跡だったのかも。
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実際の少年十字軍の悲惨を、皆川博子女史の筆はこうも残酷でありながら美しい物語に仕上げてしまう・・・。 レイモンの見栄から始まった虚言がどんどん自分を浸食していく様とか、堕落した聖職者達とか、ならずものと通じてる貴族とか・・・人間の邪悪さや汚濁をこれでもかこれでもかいやまだだ・・・...
実際の少年十字軍の悲惨を、皆川博子女史の筆はこうも残酷でありながら美しい物語に仕上げてしまう・・・。 レイモンの見栄から始まった虚言がどんどん自分を浸食していく様とか、堕落した聖職者達とか、ならずものと通じてる貴族とか・・・人間の邪悪さや汚濁をこれでもかこれでもかいやまだだ・・・ってぐらい書き上げていながらもその腐臭をさせない圧倒的筆力・・・これが・・・皆川博子・・・。 奇跡はない、だが圧倒的な虚無は間違いなく存在するのだ・・・。圧倒的耽美、無惨、そして死。 翻弄される民衆は、少年たちはエルサレムへ辿り着くのか・・・?? 『少年十字軍』、圧巻です。 ルーが・・・ルーの萌えがすごい・・・。 森で暮らしていた自然児だった狼少年が年上の少女に素直になれないながらも気に掛けてるのが・・・こりゃあ萌えだ・・・。 ドミニクには懐いてるのとかも・・・自分と同じく素直じゃない兄ちゃんには親近感覚えてる少年・・・。 ジャコブとドミニクっていうかドミニクのジャコブへの気持ち・・・あれは・・・もう言い逃れできねえよ・・・。 そういう目で読んでしまったことを許してほしい・・・いやだってあれは・・・なあ・・・???普通ただの同僚のために命を捨てられる???違うでしょ???
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時代が時代なので理不尽で不条理だらけの世界と社会の中で、少年たちは信仰や理想の為ではなく、生きるために遠征を続けなければならない現実に次々と打ちのめされていく。 人と違う者は異常とされ、力を持つ者は周りから縋り付かれる。けれどその力も畏怖に変われば途端に排除されることに。 最後まで大人たちの都合に振り回される子どもたちに心を寄り添わせながら読んでいくのは苦しく切ない。 しかしながら最後は光が差し込む終わり。 解放された視野と心を持つルーの爽やかさと、命しか持っていなかったガブリエルがアイデンティティを取り戻したことがそれを支えている。
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