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快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2012/01/21 |
JAN | 9784309252612 |
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快感回路
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快感回路
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商品レビュー
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リンデンの叙述は非常に専門的でそれ相応の知的理解を求められる。 それゆえ快感という人間の原初的かつ不可分の概念を、現代科学が分かっていることとまだ分からないことを明確に区別させ、その発見の数々を辿る本著は見事な知的冒険に我々を導いてくれる。 報酬系の長期増強と長期抑制が人間にもた...
リンデンの叙述は非常に専門的でそれ相応の知的理解を求められる。 それゆえ快感という人間の原初的かつ不可分の概念を、現代科学が分かっていることとまだ分からないことを明確に区別させ、その発見の数々を辿る本著は見事な知的冒険に我々を導いてくれる。 報酬系の長期増強と長期抑制が人間にもたらす光と闇の面。 快楽が苦痛の反語ではないというのは、学者ならではの達見。 「生きている感覚」という漠とした人間の捉え方も、突き詰めれば快楽や苦痛の増減に思えてくるし、要はどれほど脳が感じ取られるかに帰着しそう。
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著者はデイヴィッド・J.リンデン氏。ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授、神経科学者。主に記憶のメカニズムの研究に取り組まれているようだ。 第1章 快感ボタンを押し続けるネズミ 第2章 やめられない薬 第3章 もっと食べたい 第4章 性的な脳 第5章 ギャンブル依存症 第6章 悪徳...
著者はデイヴィッド・J.リンデン氏。ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授、神経科学者。主に記憶のメカニズムの研究に取り組まれているようだ。 第1章 快感ボタンを押し続けるネズミ 第2章 やめられない薬 第3章 もっと食べたい 第4章 性的な脳 第5章 ギャンブル依存症 第6章 悪徳ばかりが快感ではない 第7章 快感の未来 脳内でどのように快を感じるのかと言ったメカニズム、薬剤名称、病症名などの専門用語が多く出ているため、その分野の通でないと、やや専門的すぎる感じを受けた。 しかしそれは飛ばし読み、動物が本能として持っている欲は、実は快を感じるが故のなせる業と言うことを、漠として読み進めていけば面白い。 各章のタイトルからも想像できるよう、ドラッグ、アルコール、高カロリー食、セックス、ギャンブル、更にはエクササイズや慈善行為に至るまで様々な刺激がもたらす快感に目を向ける。ある経験が、VTA(腹側被蓋野)のドーパミン・ニューロンを活動させ、その結果投射標的にドーパミンが放出されるときに、その経験は快いと感じられるようだ。 どのような刺激であろうと、またそれが美徳であれ悪徳であれ、人を依存的にさせる反復的行動に駆り立てるメカニズムは、神経学的には同じだと。 依存症の発症は本人の責任ではないかもしれないが、依存症からの回復は本人の責任と言う。意思の力ではどうにもならないことがあるが、どうにかなることもあるとも。 最後の章は未来はどのようになっているかについて考察している。 本書は2012年に発行されたため、既に未来の一部が過去になっている状態だが、相当先にはデバイスを使って快感をコントロール出来るようになるのではないかと述べる。コントロール出来たとしても、それが幸福につながるのか と思ってしまうのだが。 所詮、人間もネズミ等の動物も同じようなメカニズムで快感を受けると言うことは、やはり進化という糸で繋がっていることを示唆しているのだろうな。 色々と考えさせてくれた。
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人間の原理を解き明かす本。 本著で紹介される実験の一つに、内側前脳快感回路脳に電極が繋がれたラットは、それを作動させるスイッチを押し続ける。食事よりも優先し、それを求め続け、死に至る。ラットに留まらず、人間の男女に対しても、こうした実験が行われている。男性は同性愛者で、女性の映...
人間の原理を解き明かす本。 本著で紹介される実験の一つに、内側前脳快感回路脳に電極が繋がれたラットは、それを作動させるスイッチを押し続ける。食事よりも優先し、それを求め続け、死に至る。ラットに留まらず、人間の男女に対しても、こうした実験が行われている。男性は同性愛者で、女性の映像を見せながら快楽中枢を電気刺激した後、売春婦との異性愛に成功したというのだ。実験はチューレーン大学、ルイジアナ州検事の承認を得ている。脳は作り変えられ、性的指向は変える事ができた。 こうした快楽中枢を刺激し、脳を作り変える作用は、薬物やアルコールにも見られる。ランナーズハイ、過食、ギャンブル、性行為なども類似現象だ。つまり、快楽体験により脳が作り変えられ、程度の差はあれど、依存を引き起こす。程度の差が、それぞれの生活で与えられる個別の報酬、遺伝子的影響も受けながら、個々の行動を規定していく。 著者は神経科学者であり、数々の興味深い論文が紹介される。中には、男女の生殖器に測定器具を装着し、どのような性的映像に反応を示すかという、橘玲が『女と男 なぜわかりあえないのか』で紹介していた例の実験だ。女性が男性よりも幅広い映像に肉体的反応を示しながら脳が興奮を示さなかったのかは、映像のせいではなく、プレチスモグラフィのような器具を膣内に挿入される物理的刺激を受ける状況下にあるからだという考察や、同意せぬ性体験から身体を守るための作用だという見解付きだ。似たような論文紹介に対し、橘玲より、著者デイヴィッドの方が考察が深い。 遺伝子と環境がそれぞれに人格、人生を決定付けるとして、それらが複合的に、結局は快楽中枢の刺激経験を齎し、人はその刺激を求めて行動を繰り返す一面があるという事を、興味深く読んだ。人間は遺伝子や本能に操作される側面も確かにあるが、それらは単に我々が快楽中枢の奴隷である事の成立要件であり、そう考えると、快楽中枢を操るデータアルゴリズムは、脅威である。
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