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イスラームから見た「世界史」
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イスラームから見た「世界史」

タミムアンサーリー【著】, 小沢千重子【訳】

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イスラームから見た「世界史」

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 紀伊國屋書店
発売年月日 2011/08/29
JAN 9784314010863

イスラームから見た「世界史」

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商品レビュー

4.7

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2025/02/15

1. イスラームの歴史的背景と重要性 - イスラームに関する記述が教科書で軽視されていることへの懸念が表明されている。 - 著者はイスラームを世界史における重要なテーマと考え、もっとページを割くべきだと主張したが、助言者たちからの反対があった。 - 教科書におけるイスラームの位...

1. イスラームの歴史的背景と重要性 - イスラームに関する記述が教科書で軽視されていることへの懸念が表明されている。 - 著者はイスラームを世界史における重要なテーマと考え、もっとページを割くべきだと主張したが、助言者たちからの反対があった。 - 教科書におけるイスラームの位置づけは、他の文明と比較して相対的に重要度が低いと捉えられていた。 2. ウマイヤ朝の台頭 - ウマイヤ家はマッカのエリートの中で指導的な一族であり、初期のイスラームに対して反発していた。 - ムハンマドの教えに対して、ウマイヤ家の人々は信徒を虐待し、信仰の拡大を阻害していたが、後にイスラームが力を持つと彼らは改宗し、権力を握った。 - ウマイヤ朝のカリフたちは、ジハードを戦争の正当化に利用し、帝国の安定を図った。 3. ムウタズィラ学派とウラマーの対立 - ムウタズィラ学派は理性を重視し、道徳的真理の探求を行った。彼らは理性を啓示よりも優先することさえあった。 - ウラマーとの対立が生じ、ウラマーは法律や社会制度を支配する一方で、ムウタズィラ学派は宮廷の支持を受けていた。 - ムウタズィラ学派は時に反対者を迫害することもあり、その影響力を拡大した。 4. セルジューク朝とその衰退 - セルジューク朝は内部での権力闘争によって衰退し、地域は地方王朝に分裂した。 - バグダードのカリフは名目上の権威を持っていたが、実質的な権力は各地方の王たちに移っていた。 - ウラマーはクルアーンやシャリーアをもって社会を統合しようとしたが、哲学者の声は次第に弱まっていった。 5. イスラーム世界と西洋の関係 - 近代に入り、イスラーム世界は西洋の影響を強く受けるようになった。 - 西洋の商人や技術者がイスラーム世界に進出し、貿易や技術の交流が行われた。 - 一方で、ムスリム社会は西洋に対しての反発もあり、様々な改革運動が起こった。 6. 現代のムスリム社会 - 世俗的近代主義者と保守的ウラマーの間で対立が続き、教育を受けた人々は保守的な学者を不合理と見なすようになった。 - ワッハープ派は過去の栄光の復活を訴え、旧弊を批判することで支持を得た。 - イスラーム社会は外部からの圧力に直面し、内部の改革を求める声が高まっている。

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2025/01/06

社会人人生も、もう若手と自称するには恥ずかしい年代に差し掛かった今でさえ、イスラーム世界で今起こっている紛争はどこから来ているのかおぼろげでわからない状態だったので、もっと東洋のことを理解したいと思い、手に取りました。 イスラム世界の縦と横の時代と世界が一気につながりました。 ...

社会人人生も、もう若手と自称するには恥ずかしい年代に差し掛かった今でさえ、イスラーム世界で今起こっている紛争はどこから来ているのかおぼろげでわからない状態だったので、もっと東洋のことを理解したいと思い、手に取りました。 イスラム世界の縦と横の時代と世界が一気につながりました。 また、現代の問題も、西洋の産業革命が進む中で、イスラーム世界がいいように扱われ、王朝もイスラームの原理に立ち返ることなく、自分たちさえよければよいという狭い視座で生きていたことが遠因で、今の革命や紛争を引き起こしているところもあるのではないかと思いました。 イスラーム世界の中の主義主張はとても複雑で、だれもが完全な善や悪ではないこともよくわかりました。 もともと閉じた世界の中で共同体としての理想を説いたイスラーム教は、オープンな世界で競争する資本主義の世界と相いれることが難しそうで、さらに他国からの利権がらみの横やりも引き続き入っていく中で、今の中東世界の安定はいつ訪れるのだろうかと心配になります。

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2024/12/25

知人に教えてもらった本。600ページを超える大書なので、興味のある箇所を所々つまみ読みだけする予定が、面白さのあまり3日ほどで最後まで一気に読んでしまった。 著者はアフガニスタン生まれ、アメリカに移住しテキサスの教科書を作るプロジェクトに従事した際に「イスラーム」に関する記述が極...

知人に教えてもらった本。600ページを超える大書なので、興味のある箇所を所々つまみ読みだけする予定が、面白さのあまり3日ほどで最後まで一気に読んでしまった。 著者はアフガニスタン生まれ、アメリカに移住しテキサスの教科書を作るプロジェクトに従事した際に「イスラーム」に関する記述が極端に少ないことに気づく。 十字軍が派遣された時代は、イスラーム圏の方が文化水準は高く、イスラーム側から見ると決して「文明の衝突」というわけではなかった、らしい。 ヨーロッパは宗教改革を経て個人主義が発達し、宗教の軛から解放されて自然科学が盛んになり産業革命に繋がった。一方イスラームが共同体を維持するためのもので教義上個人主義が台頭しないことから両者の違いが生まれたとのこと。 終盤にかけて、現在各国でイスラーム世俗主義が廃れ代わりに原理主義が台頭した背景が説明されているが、社会基盤が違いすぎるので男女平等や議会制民主主義のような西洋的な価値観がイスラームの諸国に広がることは未来永劫ないのではないかとまで思えてくる。

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