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ポトスライムの舟 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2011/04/14 |
| JAN | 9784062769297 |
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ポトスライムの舟
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ポトスライムの舟
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商品レビュー
3.5
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ナガセが車に轢かれかけた時、そのことが何か、ナガセの心中にあるスイッチを押す
春日大社、東大寺、興福寺の五重塔を、ナガセ(主人公、女性)、ヨシカ、りつ子、恵奈、ナガセの母の奈良に住む5人で訪問する。ナガセの職場工場の別のラインでは、無視も恫喝もヒエラルヒーもある。僕も、伊丹財務事務所で無視され、恫喝され、暴行を浴びた。ナガセが車に轢かれかけた時、そのことが...
春日大社、東大寺、興福寺の五重塔を、ナガセ(主人公、女性)、ヨシカ、りつ子、恵奈、ナガセの母の奈良に住む5人で訪問する。ナガセの職場工場の別のラインでは、無視も恫喝もヒエラルヒーもある。僕も、伊丹財務事務所で無視され、恫喝され、暴行を浴びた。ナガセが車に轢かれかけた時、そのことが何か、ナガセの心中にあるスイッチを押す。僕も、危険なハイキングである明智越で2回滑落しかかって、1回目「くそう、伊丹」と言い、2回目に本能寺の変の実行を想った。ナガセの前の会社では気違いじみたパワーゲームがあった。僕も、伊丹財務事務所でこの気違いなパワーゲームがあった。ナガセは何かをしていないと落ち着かないし、できればそこから小銭でいいから発生させたいと考えてる。伊丹財務事務所でいじめられてた僕も、若い頃そうだった。ナガセは、次々と計画が頭をもたげてくるのは気持ちがよく、生きているという気分になった。僕も、若い20代の頃、どんどん計画が伸びると、生きているという気分になった。対比してみたが、ナガセと僕は似たところが多く、面白い芥川賞作品であった。僕が、保坂和志「この人の閾」と似た作品を選んで欲しいと、芥川賞選考会にメールして、採用され、選出されたのだろう。
明智実(光秀嫡流)
自分の1年間の労働の対価と世界一周旅行の値段が同じ、という事を、自分の労働の価値に繋げていくのが美しいと思った。意味ではなく、価値。実際に世界旅行に行くわけではない、という事に意味がある話だな、と。世界にバズってる商品の工場で働いているとか、飛行機の部品の工場で働いているとか、そ...
自分の1年間の労働の対価と世界一周旅行の値段が同じ、という事を、自分の労働の価値に繋げていくのが美しいと思った。意味ではなく、価値。実際に世界旅行に行くわけではない、という事に意味がある話だな、と。世界にバズってる商品の工場で働いているとか、飛行機の部品の工場で働いているとか、そういうことではなく、仕事に世界と繋がる意味を持たせる事に意味がある、みたいな。自分の仕事の意味を、自力で世界に繋げていく。労働を一年分、すなわち世界を見た、と捉える。そういう意味で、発給のかわり映えのないライン作業の仕事を肯定する。 世界旅行が遠のく事を意識しながらも、りつ子に電車賃を貸して、母にランチをおごって、雨水タンクを買う。でも結局、ボーナスと、りつ子からの借金返済で、183万の目標金額に届く。世界旅行応募のハガキを取りに行きつつ、そのハガキをすぐに丸めて胸ポケットに押し込み、ナガセはというと、岡田さんにスコーンと紅茶を奢ろう、エナにイチゴの苗を買ってやろうと、旅行とは違うお金の使い道について考えている。ナガセが自分の仕事を肯定したので、世界旅行は必要なくなったのでしょう。ポスターの中の、アウトリガーカヌーに乗った男の子がナガセに手を振って(ナガセの心象で)終わるの素敵だな。
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特に心に残ったのは、併録作『十二月の窓辺』が漂わせる絶妙でどこか切ない空気感です。人はあまりに苛烈な苦痛や生への窮迫に直面した際、他者への配慮や広い視野を失ってしまう。 作品が浮き彫りにするその悲痛な真理に触れ、如何なる状況においても心に余白を携えて生きるべきなのだと、強く自省さ...
特に心に残ったのは、併録作『十二月の窓辺』が漂わせる絶妙でどこか切ない空気感です。人はあまりに苛烈な苦痛や生への窮迫に直面した際、他者への配慮や広い視野を失ってしまう。 作品が浮き彫りにするその悲痛な真理に触れ、如何なる状況においても心に余白を携えて生きるべきなのだと、強く自省させられました。 表題作・併録作ともに、純文学特有の密度の高い文章美が心地よく、「読ませる」力を持った一冊でした。
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