ポトスライムの舟 の商品レビュー
津村さんの初期作品、意外と初めて読んだ。やっぱり津村作品は良い。 『ポトスライムの舟』 働いて得たお金で世界一周するのを選択肢として持つこと。食べられない観葉植物を、お金をかけずに工夫して育てること。できる範囲で友達を助けること。 結婚にこだわらず、手に届く範囲で楽しみを見出し...
津村さんの初期作品、意外と初めて読んだ。やっぱり津村作品は良い。 『ポトスライムの舟』 働いて得たお金で世界一周するのを選択肢として持つこと。食べられない観葉植物を、お金をかけずに工夫して育てること。できる範囲で友達を助けること。 結婚にこだわらず、手に届く範囲で楽しみを見出し、遊び心を持ってコツコツ働く。それでいいじゃないか、と少しも押し付けがましくなく言ってくるような一編で、すごく好きだった。 出てくる人みんなが普通の人で、それぞれ悩みもありながら日々を過ごしているのもいい。 『十二月の窓辺』 パワハラの描写がしっかりあり、津村作品にしてはいろいろな事件が起こる、メッセージ性の強い作品。 世界は狭く画一的なわけじゃない。この世には千差万別の痛みがあり、だからこそ今いる場所にこだわる必要はない、という結論は新鮮で、津村さんらしい。 今仕事の人間関係が辛い人は読むのがしんどいかもしれないけれど、読み終わる頃にはきっと心に涼しい風が吹くだろう小説。
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大学生の頃に読んだ時は全く刺さらなかったのに、社会に出て労働というものに向き合った後に改めて読んだら五臓六腑に染み渡った 津村記久子先生の小説とeastern youthの音楽は現代の蟹工船だと思っている 一度レールを外れてしまった人間にしかわからない絶望や不安というものは確かに...
大学生の頃に読んだ時は全く刺さらなかったのに、社会に出て労働というものに向き合った後に改めて読んだら五臓六腑に染み渡った 津村記久子先生の小説とeastern youthの音楽は現代の蟹工船だと思っている 一度レールを外れてしまった人間にしかわからない絶望や不安というものは確かにあって、例え元のレールに戻れなくても、ナガセの見る世界を通じて、大袈裟ではなく、それでも世界は愛おしいと、そう思えるような小説だったと思う 傷だらけの労働人生でも、この本に出会えただけ私は幸運だったんだろうと思う
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登場人物の行動に共感できないところが多くて、読むのに時間がかかった。 お仕事小説で、辛い描写も多いけど、所々心温まる場面もあって、熱い冷たいを感じない不思議な作品だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
想像では世界一周旅に出る話だと思ってたけど違った 何かが起こる訳ではなく、日常というかんじ。 でも、グサグサ刺さる場面もあって面白かった はー、働くってなんだろう?女の子供の親孝行って? 何のために働いてるんだろう?と考えてしまった 12月の窓辺では、128ページ
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『時間を金で買う』ような日々を送る、二十九歳工場勤務のナガセ。ある日、世界一周クルージングの料金と、自らに年収が同じ値段ということに気付く。世界を旅する一年と、生きるために薄給を稼ぐ一年。ナガセの天秤はどちらを掲げるだろうか——— (ポトスライムの舟) 何でもない日々にありがと...
『時間を金で買う』ような日々を送る、二十九歳工場勤務のナガセ。ある日、世界一周クルージングの料金と、自らに年収が同じ値段ということに気付く。世界を旅する一年と、生きるために薄給を稼ぐ一年。ナガセの天秤はどちらを掲げるだろうか——— (ポトスライムの舟) 何でもない日々にありがとうと言いたくなるようなお話。辛いことも楽しいことも、振り返ってみればあったかどうかも分からない。だけど、その瞬間は間違いなく楽しいと感じていたし、価値のある時間を過ごせてた。ナガセもまた、以前よりもそんな日々に価値を感じられたと思うし、彼女の周りの人間も同じように思えていたら良いなと思う。
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仕事でモヤモヤしてる時に読む本ではないかも知れないし、そんな時だからこそ読むべき本でもあるのかも知れない
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限界会社員小説。 パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬...
限界会社員小説。 パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬鹿らしいようで、現代っぽくて切実な感じが胸に来る。どこか現実との接触の実感が乏しい感じがよく出ている。2009年芥川賞受賞。 併録されている「12月の窓辺」は、著者もインタビューで答えていたが、パワハラにあった職場の実体験に基づく話。読んでて辛くなるが、どこか滑稽さもある。どこか憧れともゲームの背景のやうな非現実とも思われた、休憩室の窓から見える兎我野タワーでの、ある出来事を目撃してしまうあたりの展開はすごい。 両方とも救いのある終わり方なのに読後寂しい気持ちになる。※オーディブル
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仕事や日常生活に行き詰まった時に読み返しています。「今がいちばん働き盛り」と入れ墨を彫りたくなったナガセの気持ちを自分に置き換えて奮い立たせました。 十二月の窓辺の上司がほんとにくそすぎて こんな人間にはなるまいと真剣に思いました。
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決して楽しく読める小説ではないけれども、ナガセのちょっとした気遣いとやさしさ、ツガワの最後に見せる思い切りにグッときました。 佐多稲子のデビュー作を読んだ時に感じた無力感とガッツポーズをしたくなる気持ちをちょっと思い出しました。
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素朴であたたかい津村節。こういうのでいいんだよ。 『コンビニ人間』、『ハンチバック』、『推し、燃ゆ』と芥川賞巡り中にあった本作。 そうそう。津村紀久子さんはこういう感じだった。こういうのでいいんだよ。 彼女の書く甘すぎないしあたたかすぎない。緩すぎるかも?独特の雰囲気が好き...
素朴であたたかい津村節。こういうのでいいんだよ。 『コンビニ人間』、『ハンチバック』、『推し、燃ゆ』と芥川賞巡り中にあった本作。 そうそう。津村紀久子さんはこういう感じだった。こういうのでいいんだよ。 彼女の書く甘すぎないしあたたかすぎない。緩すぎるかも?独特の雰囲気が好きだ。定期的に摂取したい。 アウトリガーカヌーに乗ってゆるゆると決して速くはないけれど、それでいて不思議と転覆しないバランスで世の中を漕いでいきたいものだなあ。 それにしても表紙の男の子がかわいすぎる。このワンポイントが入ったTシャツあれば欲しい。
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