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ポトスライムの舟 講談社文庫
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ポトスライムの舟 講談社文庫

津村記久子【著】

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ポトスライムの舟 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2011/04/14
JAN 9784062769297

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ポトスライムの舟

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商品レビュー

3.4

323件のお客様レビュー

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2025/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公・ナガセの一年を追いながら、仕事やお金、生き方について何度も考えさせられた作品でした。 年収163万円という現実味のある数字と、そこから始まる節約生活や世界一周資金作りは、夢というより「自分にも起こりうる選択」のように感じられて、とてもリアルでした。 作中で、思うように貯金できず、働きすぎて体調を崩し、それでも働き続ける彼女の姿には胸が痛くなった。でも同時に、小さな幸福を拾い集めながら生きていく姿に、静かに励まされました。 ポトスライムが水だけで増えていくように、ナガセも自分の力で生き方を模索していく姿が重なって見えたことが印象的でした。 また、友人関係の描写を通して、誰もが表に見えない苦しみを抱えて生きていることを思い出させられた。自分の世界だけで完結せず、もっと周りにも目を向けたいと思えました。 読後、すぐに何かが変わるわけじゃないけれど、「自分にも小さな一歩が踏み出せるかもしれない」と思わせてくれる本でした。

Posted by ブクログ

2025/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川賞受賞作『ポストライムの舟』とその前日譚とも言えそうな『十二月の窓辺』。 やはり『ポストライムの舟』がかなりよく、『十二月の窓辺』はちょっと迷うところ。だけど『ポストライムの舟』は「こんな書き方あるかぁ!」と感嘆。なので迷いましたが、やっぱり★五つ。 以下、解釈&ネタバレ。 『ポストライムの舟』』の主人公・長瀬由紀子。このフルネームは最初の一文にだけ使われて、あとは「ナガセ」で統一される。ではなぜ、最初だけフルネームか? 「脳内並行世界の確立にナガセが成功した」という個人的な感想を抱いている。本体は長瀬由紀子であり、ナガセは様々な長瀬由紀子のうちの一人。でも実際のナガセは前職、パワハラで辞職しており、なかなか辛い人生を送っている。彼女が薄給の中「そうか163万円で世界一周旅行にいけるのか」とケチケチ&土日も働く生活を始める。ナガセの周囲の、お金に困っていない友人・店の経営者の友人・旦那からモラハラを受けている友人、また会社の先輩の岡田さんの夫はどうも不倫しているらしい。そんななか、ついにナガセは体を壊してしまう。しかし復帰したら、なんと会社からボーナスが出て、163万円たまっていた! でもナガセはすぐには世界一周旅行にはいかない。恵奈という友人の娘に、イチゴの苗を買ってやろう、なんて考える。唐突に「また会おう。 何者にでもなくナガセは呟いた」、そして物語は終える。 ナガセは脳内並行世界ですでに世界一周旅行に出かけた自分を見て、そしてそれは今の世界の自分でも、絶対にいつか行ける、行こうと思えば行けるんだ、ということを無意識に悟ったんじゃないかな? その心強さ。肯定感。 一方の『十二月の窓辺』の主人公ツガワは女上司からパワハラ受けている真っ最中。会社の周りには暴漢が現れるらしい。そしてその暴漢がある人物であることが最後にわかるが、全体として暗い印象が否めない。この唐突な犯人暴きも、たぶんミステリーとして読んでしまうと「は?」となってしまうのではないか。たぶん「脳内並行世界」みたいに読むと、犯人は犯人であって犯人でないのかもしれない……ツガワ自身も「ヨーグルト菌の大量虐殺」を行っているし、表裏がわからなくなっている。 『ポストライムの舟』はまた読みたくなる作品でした。

Posted by ブクログ

2025/11/06

20代後半って世界旅行できるくらいの金があるべきなのかしらと自分を省みて侘しくなった。何にお金を使ってきたのか、何も考えずに28歳まで来てしまった。ピースボートは気になる。

Posted by ブクログ