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時間の矢・時間の環 地質学的時間をめぐる神話と隠喩
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時間の矢・時間の環 地質学的時間をめぐる神話と隠喩

スティーヴン・ジェー・グールド(著者), 渡辺政隆(著者)

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時間の矢・時間の環 地質学的時間をめぐる神話と隠喩

2,776

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 工作舎
発売年月日 1990/01/01
JAN 9784875021629

時間の矢・時間の環 地質学的時間をめぐる神話と隠喩

¥2,776

商品レビュー

3.5

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2024/11/17

私たちの足元に広がる大地は、40億年という途方もない時の流れを刻み込んだ巨大な書物です。この本は、その地球という書物の「読み方」を探求した科学者たちの物語であると同時に、人間の想像力が「深い時間」という途方もない概念とどのように格闘してきたかを描く壮大な知的冒険の記録です。 庭...

私たちの足元に広がる大地は、40億年という途方もない時の流れを刻み込んだ巨大な書物です。この本は、その地球という書物の「読み方」を探求した科学者たちの物語であると同時に、人間の想像力が「深い時間」という途方もない概念とどのように格闘してきたかを描く壮大な知的冒険の記録です。 庭の石ころを手に取ってみてください。その手のひらに収まる小さな石の中に、火山の噴火や、太古の海底で積み重なった生物の死骸、地球内部の激しい圧力と熱による変成の痕跡が眠っているかもしれません。また、山頂で貝の化石が見つかることがあります。なぜ海の生き物が、はるか上空の山の上で眠っているのでしょうか。このような日常的な観察から始まる疑問は、やがて壮大な時間のスケールへと私たちを導きます。 著者のグールドは、この謎に取り組んだ3人の異なる時代の知性の物語を紡ぎ出します。17世紀、トマス・バーネットは聖書に記された天地創造の物語と、目の前にある地球の不思議を調和させようと試みました。 彼の著作『地球の神聖な理論』は、今日では科学的というより詩的な著作として読まれます。しかし、彼の描いた地球の変遷―完全な球体から、大洪水による変容、そして最後の審判に至るまでの壮大な物語―は、「時間の輪」という考え方の源流となりました。 バーネットは地球を、神の完全な計画に従って変化と再生を繰り返す生きた存在として描きました。例えば、彼は地球の山々を「美しい廃墟」と呼びました。かつての完全な球体が崩壊した証であると同時に、神の計画の一部として必要な存在だったのです。 18世紀のスコットランド、エディンバラで活動したジェームズ・ハットンは、自身の農場での観察から革命的な着想を得ました。 土壌が徐々に失われていく一方で、新しい土壌も形成され続けている―この単純な観察から、彼は地球の営みを理解する鍵を見出したのです。ハットンの大胆な洞察は、地球が絶え間ない物質の循環システムであるという考えでした。大地は徐々に侵食され、砂となって海へと運ばれ、海底で堆積し、地熱によって固められ、再び隆起して陸地となる。この壮大な循環の中で、時間はほとんど無限に存在するとハットンは考えました。彼の有名な言葉―「始まりの痕跡も、終わりの展望も見出せない」―は、人間の想像を超えた時間スケールへの扉を開いたのです。 19世紀に入り、チャールズ・ライエルは「現在は過去を解く鍵である」という原理を確立しました。彼は火山活動や地震、侵食といった、今日も進行している緩やかな変化の積み重ねが、地球の過去を形作ってきたと考えました。 ライエルの功績は、劇的な大災害や神の介入に頼ることなく、目の前で起きている穏やかな変化の積み重ねで地球の歴史を説明できることを示した点にあります。これは科学的な考え方の重要な一歩でしたが、同時に詩的な美しさも持っています。 今、私たちの目の前で起きている小さな変化の中に、何百万年もの時を経て形作られた壮大な地形の秘密が隠されているというのです。雨粒の一滴一滴が、やがて渓谷を刻むように。 本書の魅力は、単なる地質学史の解説を超えて、人間の想像力と認識の限界に挑戦する知的冒険の記録となっている点です。私たちの日常的な時間感覚は、せいぜい数十年のスケールです。そこから百年、千年と遡るだけでも想像は難しくなります。では、数百万年、数億年という時間はどうでしょうか。そのような「深い時間」を本当に理解することは可能なのでしょうか。 グールドは、この「理解の限界」こそが重要だと指摘します。 科学の進歩は、単に新しい事実を積み重ねることではありません。むしろ、人間の想像力の限界に挑戦し、時には宗教的な洞察とも、詩的な直観とも響き合いながら、新しい「見方」を生み出していくプロセスなのです。 この視点は、現代の環境問題を考える上でも示唆に富んでいます。 気候変動や生物多様性の損失といった問題は、まさに「時間の矢」(不可逆的な変化)と「時間の輪」(地球システムの循環)の両方の視点から考える必要があります。数十年という短期的な変化が、数百万年かけて形成された地球システムにどのような影響を与えるのか。人類の活動は、地質学的な時間スケールでの地球の循環にどのような意味を持つのか。これらの問いに向き合うためには、バーネットの想像力、ハットンの大胆さ、そしてライエルの冷静な観察眼を併せ持つ必要があるのかもしれません。

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2010/10/05

第1章 悠久なる時間の発見 第2章 トマス・バーネットの時間の戦場 第3章 ジェイムズ・ハットンの地球論:歴史を持たない機関 第4章 チャールズ・ライエル:時間の環の歴史家 第5章 境界

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2004/11/16

「パンダの親指」でお馴染みの故グールドが時間について考察した工作舎の名著。 17-18cの古典地質学者トマス・バーネット、ジェームズ・ハットン、チャールズ・ライエルのテキストを踏まえ、彼らが宗教的社会的概念を克服し時間を定式化していく様から生物進化の漸移説を否定している。 生物進...

「パンダの親指」でお馴染みの故グールドが時間について考察した工作舎の名著。 17-18cの古典地質学者トマス・バーネット、ジェームズ・ハットン、チャールズ・ライエルのテキストを踏まえ、彼らが宗教的社会的概念を克服し時間を定式化していく様から生物進化の漸移説を否定している。 生物進化について特に興味はないのだけど、面白い。タイトルからの印象は二元論的だけれど、ちゃいます。

Posted by ブクログ

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