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2円で刑務所、5億で執行猶予 光文社新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社 |
| 発売年月日 | 2009/10/20 |
| JAN | 9784334035303 |
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2円で刑務所、5億で執行猶予
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商品レビュー
4.4
22件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず驚いたのは、死刑の是認は国民感情に委ねられている部分があるということだ。死刑は、憲法第36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」にある残虐な刑罰には当たらず、憲法には反しないと示されている。しかし、ある刑罰が残虐であるかどうかの判断は国民感情によって定まるとのことだ。人の命を奪うことが残虐でないとは思えないが、犯した罪に比してどうか、という視点で見ると残虐ではないと解されるのかもしれない。 この本を通じて、死刑に関してのみならず、刑罰の重さにはけっこうな揺らぎがあるのではないかと感じた。 最近のメディアの劇場的な報道はくだらない(そもそも見ないが)と思っていたので、そのような印象操作が犯罪の実態と感覚の乖離につながっているという本書の内容に納得した。物事の伝え方としてストーリーテーリングが重要とはいうが、客観性や真実性を損なう恐れがある。 一方、本書では体感治安と犯罪数の推移を比較し、体感治安と犯罪数には乖離がある(体感に反し治安は悪化していない)としていたが、体感治安は犯罪数のみに依存せず、痴漢や騒音、小競り合いなどの暗数も関わってくるのではないかと思った。 次に驚いた点は、刑事司法手続きは98%の人が不起訴や罰金刑で勝ち抜けるゲームである、ということだ。検挙された200万人のうち、受刑者となるのは3万人ということだ。勝ち組になる条件は、初犯であれば、端的にいって財力(被害者弁償等)、人脈(身元引き受け人等)、知的能力(内省力・表現力)である。一般的に家族や仕事があり、社会規模がしっかりしているものや、経済的に豊かな犯罪者は、弁護士の支援を受けやすく、被害者弁償を行うことで示談を得やすいと言う。よく刑事ドラマなどで、罪を犯したボンボンが親のコネで無罪になると言うような話があるが、まさにこのことではないかと思った。一見理不尽なことのように思われたが、刑務所がセーフティーネットであると言う本書の記載を読むと納得できた。なぜならば、財力や人脈がない犯罪者は、更生のための足がかりがなく、刑務所と言う公共施設をもってしか更生可能性がない。一方で、財力や人脈を有する犯罪者は、己が有するそれらによって更生できる可能性があるという話だからだ(ドラマではまず更生しないのだが笑)。 次に印象に残った点は、法律家にとっての科学だ。「訴訟状の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的な証明ではなく」という最高裁判所の文章があったが、本書でも触れられている通り、一点の疑義も許されない自然科学的な証明と言うものは存在しない。自然科学に携わっている身として、誠意ある科学者ならば、「統計的に有意な差がある」といった表現しかしない。科学的ではない奴ほど、科学的なとかいう言葉を使うので注意したい。
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タイトルのセンスが抜群 まず、タイトルから面白裁判事例を期待して読み始めましたが客観的な視点から統計や研究から鋭く切り込んでいて読み応えがありました。 筆者の慎重な語り口からはその道に精通する立場ならではの誠実さが感じられます。 裁判に関して漠然と白黒はっきりさせるイメージでし...
タイトルのセンスが抜群 まず、タイトルから面白裁判事例を期待して読み始めましたが客観的な視点から統計や研究から鋭く切り込んでいて読み応えがありました。 筆者の慎重な語り口からはその道に精通する立場ならではの誠実さが感じられます。 裁判に関して漠然と白黒はっきりさせるイメージでしたが "裁判は法的な判断をする場所であり、科学的な視点で真実を究明する場ではない"となるほどそうかと納得しました。 期待想像とは違うものでしたが、それを上回って読んで良かったと感じる一冊でした。
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内容は著者のこれまでの著書のエッセンスを凝縮したものなので、それらをすでに読んでる人には既知の情報や内容である。 それでも、犯罪に関する間違った常識や神話を批判していく地道な作業は必要だし、それを続ける著者に感心します。 犯罪に関する情報をニュースなどの限られた情報源からしか得...
内容は著者のこれまでの著書のエッセンスを凝縮したものなので、それらをすでに読んでる人には既知の情報や内容である。 それでも、犯罪に関する間違った常識や神話を批判していく地道な作業は必要だし、それを続ける著者に感心します。 犯罪に関する情報をニュースなどの限られた情報源からしか得ていない人には是非読んでほしい本です。 個人的には「法律と科学」(p148〜p168)で述べられている法律家の論理的思考だけではなく、そこに確率的思考で事件を科学的に分析する必要があるという指摘は、(言われてみれば当然なのだが)参考になった。
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