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2円で刑務所、5億で執行猶予 の商品レビュー

4.5

20件のお客様レビュー

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2018/11/24

内容は著者のこれまでの著書のエッセンスを凝縮したものなので、それらをすでに読んでる人には既知の情報や内容である。 それでも、犯罪に関する間違った常識や神話を批判していく地道な作業は必要だし、それを続ける著者に感心します。 犯罪に関する情報をニュースなどの限られた情報源からしか得...

内容は著者のこれまでの著書のエッセンスを凝縮したものなので、それらをすでに読んでる人には既知の情報や内容である。 それでも、犯罪に関する間違った常識や神話を批判していく地道な作業は必要だし、それを続ける著者に感心します。 犯罪に関する情報をニュースなどの限られた情報源からしか得ていない人には是非読んでほしい本です。 個人的には「法律と科学」(p148〜p168)で述べられている法律家の論理的思考だけではなく、そこに確率的思考で事件を科学的に分析する必要があるという指摘は、(言われてみれば当然なのだが)参考になった。

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2016/11/09

『罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦』を読み、 浜井先生の研究分野にとても興味を持った一人です。 上記の本でも触れられている日本の問題点について、 さらに詳しくたくさんのデータを元にまとめられている。 犯罪理論も明瞭に説明されていて非常に分かりやすい。 また、法律家自体の...

『罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦』を読み、 浜井先生の研究分野にとても興味を持った一人です。 上記の本でも触れられている日本の問題点について、 さらに詳しくたくさんのデータを元にまとめられている。 犯罪理論も明瞭に説明されていて非常に分かりやすい。 また、法律家自体の人材についても言及しており、 法科大学院での教育内容に警鐘を鳴らしているのが とても興味深かった(自分も当事者だったので)。 2016.11.9

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2016/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯罪についての情報というのは、ほとんどの人は「ニュース」に頼っているのが現状。しかし、ニュースでは、一つの事件は伝えるが、定量的なデータを定期的に伝えることは少ない。少年事件が報じられれば、犯罪の低年齢化を心配し、虐待が報じられれば幼児虐待の増加を懸念します。  が、果たして、実際に日本全体としては、どうなのか? それに回答してくれるのがこの本です。  犯罪者の性別、年齢、犯罪者と被害者の関係、それらの統計を解説しています。    加えて、全ての犯罪が裁判になるわけではなく、それどころか、かなりの割合の犯罪は、和解や示談、身元引受人などの条件で裁判には持ち込まれません。持ち込まれたとしても、執行猶予になるものも多く、この結果実際に刑務所に入所する人は、「お金」と「人脈」がない人となります。  このように、凶悪重大犯罪者が多いイメージのある刑務所が、実は知的障害や日本語が話せない外国人、身寄りの無い高齢者などの社会的弱者の最終的な受け皿になっていることなど、この本を読むまではわかりませんでした。  すごーーく面白い!という本ではありませんが、報道だけではわからない日本での犯罪の傾向を知るには非常に良い本です。願わくば、報道も時には、この本のような「俯瞰的」「定量的」な視点で行って欲しいと感じます。

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2015/03/18

のっけからの、「2年前と比較して犯罪が増えたと思いますか?」の質問での、日本全体と、居住地域の答えの違いが興味深い。 さまざまな、常識としてまかりとおっている、 根拠のない俗説を、データをもとに分析し、客観的に反論していく。すごいなあ。

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2014/04/12

犯罪現象に関する誤解や神話をデータによって論 事実に基づいて考えることの大切さがわかります。 [配架場所]2F展示 [請求記号]080/K-8 [資料番号]2010119493

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2014/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書の指摘で興味深く思ったのは、厳罰主義の加速をはじめとする「ポピュリズム刑事政策」の浸透と二大政党制が密接に関わっている、ということ。 英米系の対立型民主主義では野党がマスメディアと共謀して体感治安の悪化を煽り、厳罰主義を掲げて政権復帰を狙う、という構図が成立しやすいという論旨に説得力を感じる。 またそれらの国々が90年代以降新自由主義的政策を採用したことで、圧倒的な格差に晒された人々が、「犯罪者」を社会の底辺に位置づける対象として「発見」した、という指摘も、何か自分たちとは異なる生物であるかのように報じる昨今の犯罪報道を見るにつけ、深く頷かされる。 本文中、著者が太字で強調しているのは、タイトルのように5億で執行猶予の判決に必ずしも批判的ではない、ということ。 編集者がつけた「売らんかな」のタイトルなのかもしれないが、その甲斐あって大いに売れることを祈ります。

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2013/03/17

大変面白かった、自分の興味の対象はこういうことなんだろうなと思った。統計から出発して何となく考えられている”神話”の実際のところを伝えてくれる。 われ窓理論の効用や、受刑者プログラムの効果が有意にあるもの、ないもの、むしろ有意に逆効果のもの(スケアード・ストレート)、「高齢者が犯...

大変面白かった、自分の興味の対象はこういうことなんだろうなと思った。統計から出発して何となく考えられている”神話”の実際のところを伝えてくれる。 われ窓理論の効用や、受刑者プログラムの効果が有意にあるもの、ないもの、むしろ有意に逆効果のもの(スケアード・ストレート)、「高齢者が犯罪に狙われている」というイメージが、人口あたりの犯罪被害率という統計の数値ではむしろ若年者のほうが犯罪被害の率が高いこと…、被害感情と刑罰の重さが一致しないこと、裁判所という組織に属する裁判官の至りやすい傾向なども的確に指摘、犯罪理論のあたりも勉強になった。この本の述べるところの知識などを自分のものとした上で考えて行かなくちゃならないなぁと思いました。

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2012/09/25

先輩に勧められて。 犯罪を取り巻く色々について、やさしく真実が書かれています。 犯罪について考える上で、知っておいたほうが良いことがたくさん。 刑事裁判や刑務所について、知ったような気分でいますが、考えてみれば実際に見たことはないんですよね。 (大学時代の宿題で、裁判見にいけ...

先輩に勧められて。 犯罪を取り巻く色々について、やさしく真実が書かれています。 犯罪について考える上で、知っておいたほうが良いことがたくさん。 刑事裁判や刑務所について、知ったような気分でいますが、考えてみれば実際に見たことはないんですよね。 (大学時代の宿題で、裁判見にいけってのはあったけど、ものの5分で終わるような裁判だった。) 私たちのイメージは、マスコミによって作られたものだということを自覚しなければなりません。 そして、裁判でどのような人が実刑判決をうけるのか。 やっぱり人間は感情の生き物だから、表現力の高い人は実刑判決が下りにくい。まぁそうだよなぁ。 (ネタバレ)ちゃんとした身元引き受け人がいて、裁判がうまければ、5億でも執行猶予に。逆に、身元引き受け人がいなくて、話すのもうまくなれば、2円でも実刑判決が下る。 そういった現実について、あまり知る機会がないので、とても勉強になりました。

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2012/08/21

「ある刑罰が残虐であるかどうかの判断は国民感情によって定まる問題である」 そして国民感情は、マスコミによる影響を強く受けている。 治安はほんとうに悪化しているのか、 少年犯罪はほんとうに増加しているのか、 その再犯防止策は功を奏しているのか、 などなど、テレビを見ていて不安に...

「ある刑罰が残虐であるかどうかの判断は国民感情によって定まる問題である」 そして国民感情は、マスコミによる影響を強く受けている。 治安はほんとうに悪化しているのか、 少年犯罪はほんとうに増加しているのか、 その再犯防止策は功を奏しているのか、 などなど、テレビを見ていて不安に思うことに対して、データをもとにわかりやすく示されています。 なぜマスコミがそのように報道するのかにも言及されています。 さらに、法律家の役割についても自分の中の誤解に気付かされました。 犯罪について、犯罪者について、再犯について、法廷で扱われることについて、興味のある方におすすめです。

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2012/07/10

[主な内容] 治安の悪化の問題から刑罰、犯罪への対策など、いろいろな日本の疑問点・問題点について統計や調査などを踏まえて、読みやすく紹介されています。 [おすすめの理由] 文章が読みやすい言葉や言い回しで書かれており、筆者の言いたいことがハッキリ伝わってきます。また、グラフや図...

[主な内容] 治安の悪化の問題から刑罰、犯罪への対策など、いろいろな日本の疑問点・問題点について統計や調査などを踏まえて、読みやすく紹介されています。 [おすすめの理由] 文章が読みやすい言葉や言い回しで書かれており、筆者の言いたいことがハッキリ伝わってきます。また、グラフや図も多く、飽きることなく読み進めます。 身近な問題について多く書いているので、刑法の勉強をしたことがない方も是非読んでみてください!

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