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時のかさなり 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2008/09/25 |
| JAN | 9784105900717 |
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時のかさなり
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商品レビュー
4.3
18件のお客様レビュー
江國香織の書評きっかけで知って入手した本。この作品を知ることができて、読めて、本当によかった。内容、描写、テーマ、キャラクター設定、優れたところはたくさんあるけれど、なんと言っても構成と仕掛けが大優勝。 本書は4つの章からなる長編小説で、それぞれの章の主人公は異なる。1章目は6...
江國香織の書評きっかけで知って入手した本。この作品を知ることができて、読めて、本当によかった。内容、描写、テーマ、キャラクター設定、優れたところはたくさんあるけれど、なんと言っても構成と仕掛けが大優勝。 本書は4つの章からなる長編小説で、それぞれの章の主人公は異なる。1章目は6歳の男の子。アメリカのカリフォルニア在住だ。ユダヤ系のパパと、過保護なアメリカ人のママ。そして有名な歴史学者のおばあちゃん、その母である世界的歌手のひいおばあちゃんがいる。男の子の目に映る家族は、どうやら関係性は決して良好とも言えなそうだが、6歳の目を通してしか事情を知ることができない読者には、この家族の事情について分からないことが多い。1章の最後は、ひいおばあちゃんの故郷だというドイツに家族で旅行に行き、取り乱すひいおばあちゃんを目撃するところで終わる。 続きが気になるところだが、2章目は時代を遡り、別の6歳の男の子が主人公。この男の子、なんと1章の男の子のパパである。そう、この小説は、1章進むごとに、世代がひとつさかのぼり、6歳当時のその代の家族の目線で歴史が紐解かれる仕掛けになっているのだ! 1章で有名研究者だったおばあちゃんは、2章ではまだ若き駆け出しのポスドクですでに母親とは疎遠。3章の主人公はそのおばあちゃんがママ大好きな6歳の女の子として登場し、4章では満を持してひいおばあちゃんが6歳の女の子として一族の歴史的転換点を目撃・体験し、読者は1章のラストの意味がわかりカタルシスを得る。 物語の1章目でユダヤ系アメリカ人やドイツが出てきたところから、勘が良い読者ならすぐに気がつく。この物語は、ナチスやユダヤ人迫害の話につながるのではないか?と。ある意味正しい。しかし、そう思った読者はやがて、自分がよく知ってる話ではないことに気がつくだろう。この本で取り上げられたようなナチスの別の闇を取り上げたフィクションは、これまでにどれだけあるのだろう。私は知らなかった、そんなことがドイツ周辺で起きていたなんて。 4世代の家族の物語という小説は、たまにある。しかし、世代を逆行する形で家族の歴史を描く形式は珍しい。現在の人間は、過去の歴史と地続きであることを嫌でも考えさせられる。しかも、語り手が6歳の子供だという点も絶妙だ。人格形成に影響を与える出来事が各章で描かれるのだが、そこから大人になるまでの過程は描かれず、前の章ですでにどんな大人になったかを見せられている読者は、次の章の子どもの体験を起点に、どういう10代を送ったのかと想像をする余地が多分に与えられるというわけだ。 エンタメ性を失うことなく、濃厚で重厚感があるテーマを扱い、さらに様々なことを想像させる余白がたっぷりある作品で、読後は感嘆のため息が漏れた。素敵な小説を読んだ。
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歴史って学生の頃から、得意じゃなかったし… たまに観る戦争映画って、 ベトナムだったり、 ドイツナチス題材だったり、 ニッポン悲劇テーマだったりして。 そんなこんなで第二次世界大戦のことを 知っちゃったりしてた気分でいた。 で、このくらいのお話だけでも 知らない...
歴史って学生の頃から、得意じゃなかったし… たまに観る戦争映画って、 ベトナムだったり、 ドイツナチス題材だったり、 ニッポン悲劇テーマだったりして。 そんなこんなで第二次世界大戦のことを 知っちゃったりしてた気分でいた。 で、このくらいのお話だけでも 知らない事がいーっぱいあった気分。 もう、なんか知らなくてごめんなさい って気分。 でも、生きて繋いでいって今なんだよね。 ありがとね、とも想う。 6歳って繊細だったんだね。
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友人のオススメと、まあ新潮クレストなら基本的にハズレは無いだろうという軽い気持ちで読み始めたのだが、あまりの面白さにほとんど一気読み。物語は6歳の子供 4人がナレーターとなって 1編ずつを語る 4編構成。それぞれ、ソル(2004年、米国)、その父ランダル(1982年 イスラエル)...
友人のオススメと、まあ新潮クレストなら基本的にハズレは無いだろうという軽い気持ちで読み始めたのだが、あまりの面白さにほとんど一気読み。物語は6歳の子供 4人がナレーターとなって 1編ずつを語る 4編構成。それぞれ、ソル(2004年、米国)、その父ランダル(1982年 イスラエル)、その母セイディ(1962年、カナダ)、その母クリスティーナ(1944年、ドイツ)の 4人で、子供の目から見た両親や祖母の謎が、物語が世代を溯るにつれて明らかになっていく。 物語の端々には 9.11 航空機テロ、パレスチナ紛争と難民キャンプの大量虐殺、ドレスデン大空襲など様々な歴史的な悲劇が折り込まれていて、中でもメインとなっているのはナチスによるレーベンボルン(生命の泉)拉致事件。当時のナチス政権は戦争で減ったドイツ人口を補うために 25万人もの子供を拉致したとのことで、著者がこの事件を知ったことが本書執筆のきっかけだったそうだ。この社会的な告発を、こういう凝った小説として構成できるナンシー・ヒューストンは、まさに物語の魔術師と言えよう。しかも、この本で描かれる様々なエピソードは、必ずしもナチスだけを(あるいはユダヤ人だけを)悪と決めつけるものではなく、普遍的な人間の愚かさと残虐性を明らかにしている。 痣、人形、歌、「ドイツ語のアルファベットを後から読んでいた」などなど世代を越えた呼応も芸が細かく、再読、再々読に耐える。訳者解説も的確で素晴しい。
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