商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2008/09/10 |
JAN | 9784582766493 |
- 書籍
- 新書
ルイ・ボナパルトのブリュメール18日
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ルイ・ボナパルトのブリュメール18日
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
マルクスは資本論にて貨幣の、本書にて王の、抑圧による回帰を説いた。柄谷行人氏による解説が非常に面白かった。議会は身分制議会ではない。すなわち、代表する者と代表される者の間に必然性があるわけではない。代表される者の間では、階級は意識されていない。政党や政党の主張が出てくることで、階級意識が明確に表われる。では、代表する者がいない層にどのようなことが起こるか?それは、自分たちの主人としての代表者を選ぶということだ。それが第二共和制からのナポレオン3世の登場であり、ワイマール体制からのヒトラーの登場であり、貧農・小作農の天皇支持であった。歴史は繰り返すものだとマルクスは考える。ただし、同じ自体ではなく、同じ構造で、である。
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読む前にWikiのナポレオン三世の項目は読んで、一通り第二共和政から第二帝政にかけてのフランスの状況は復習していおいた方がいいと思います。当時の状況がある程度把握できていないと読むのがつらい。
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カール・マルクスによる、19世紀フランスのオルレアン朝ルイ・フィリップ王政瓦解からルイ・ボナパルト(ナポレオン3世)によるクーデター・皇帝即位までを描く歴史記録。 人名解説や年表が付いているとはいえ、当該フランス史に全く詳しくない状態で読んでいて、経緯についていくのがやっとだった...
カール・マルクスによる、19世紀フランスのオルレアン朝ルイ・フィリップ王政瓦解からルイ・ボナパルト(ナポレオン3世)によるクーデター・皇帝即位までを描く歴史記録。 人名解説や年表が付いているとはいえ、当該フランス史に全く詳しくない状態で読んでいて、経緯についていくのがやっとだったのと(笑)、マルクス特有の皮肉や嫌味に彩られた文章が非常に鼻につき、没個性的な登場人物たちの記述と相まって読みにくいことこの上なかったのだが(笑)、だんだんマルクス節炸裂にも笑いで対抗できるようになってきて(笑)、面白く読了することができた。 王政瓦解の後、様々な政党が乱立し合従連衡して闘争を繰り広げる様は、マルクスの辛辣でシニカルな記述と相まって、現在に通じるような理解もありとても興味深い。その中で血統を拠り所に山師のような振る舞いで次第に権力の過程をのぼりつめるルイ・ボナパルトは不気味であり、政党間の党利による争いと民衆の実は内容のない期待が、マルクスがパロディという帝政復古をまねいたというその過程の描写はとてもスリリングだ。 「ヘーゲルはどこかで、すべての偉大な世界史的事実と世界史的人物はいわば二度現れる、と述べている。彼はこう付けくわえるのを忘れた。一度は偉大な悲劇として、もう一度はみじめな笑劇として、と。」 最終章では、経済構造と階級闘争の視点にて政党基盤の源泉を位置づけ、さらにそうした政治権力が支持基盤と乖離し、個人に権力を集中していく状況を、マルクスならではの視点で冷徹に分析している。解放から一転、没落しつつある「分割地農民」や、「ルンペン・プロレタリアート」がルイ・ボナパルトの支持基盤だったというのはとても興味深い。 解説は、柄谷行人。
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