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挟み撃ち 講談社文芸文庫
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挟み撃ち 講談社文芸文庫

後藤明生(著者)

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挟み撃ち 講談社文芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1998/04/10
JAN 9784061976122

挟み撃ち

¥1,870

商品レビュー

4.2

18件のお客様レビュー

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2010/05/28

多少の歴史認識や、土…

多少の歴史認識や、土地勘が必要。文学でやしなえる程度なので、読書習慣のある方はおそれなくても大丈夫。ゴーゴリ、荷風、森鴎外、その他。後藤明生はファンで終わらず、先行する作品たちを乗り越えようとする。〝外套〟にはじまって〝外套〟に終わる小説。脱線に次ぐ脱線、その語りや観察力を楽しめ...

多少の歴史認識や、土地勘が必要。文学でやしなえる程度なので、読書習慣のある方はおそれなくても大丈夫。ゴーゴリ、荷風、森鴎外、その他。後藤明生はファンで終わらず、先行する作品たちを乗り越えようとする。〝外套〟にはじまって〝外套〟に終わる小説。脱線に次ぐ脱線、その語りや観察力を楽しめます。

文庫OFF

2025/10/24

<ある日のことである。わたしはとつぜん一羽の取りを思い出した。しかし、鳥とはいっても早起き鳥のことだ。ジ・アーリィ・バード・キャッチズ・ア・ウォーム。早起き鳥は虫を捕まえる。早起きは三文の得。わたしは、御茶ノ水の橋の上に立っていた。夕方だった。多分六時ちょっと前だろう。(P7)>...

<ある日のことである。わたしはとつぜん一羽の取りを思い出した。しかし、鳥とはいっても早起き鳥のことだ。ジ・アーリィ・バード・キャッチズ・ア・ウォーム。早起き鳥は虫を捕まえる。早起きは三文の得。わたしは、御茶ノ水の橋の上に立っていた。夕方だった。多分六時ちょっと前だろう。(P7)> おお!良い書き出し! 「わたし」はその朝とつぜん20年前には着ていた外套をどこで失くしたんだろう?と思い当たった。そこで友人の山川と待ち合わせしている夕方までに、20年前に付き合いのあった人たちを訪ねることにした。 現在の「わたし」の動きは、朝起きて埼玉県の蕨市とか草加あたりを巡り(埼玉から埼玉の移動は、一度東京に出る必要があります(^_^;)、そこから御茶ノ水の名前を知らない橋の上で山川を待つ。 その間で、ゴーゴリーの「外套」「鼻」のこと、永井荷風「濹東綺譚」のこと、これから尋ねる人の20年前の付き合い、それより前の自分の子供時代のことなどを思いを馳せます。 「わたし」は日本占領下の北朝鮮(現在の国名でいうと)生まれで、日本語学校に通っていた。終戦のときに学校の校庭の穴に埋められたガスマスクや鉄兜などの装備がシャレコウベのようだったこと、自宅は「30分で出ていけ」と言われて、持っていけないものは庭の穴に入れて燃やして手荷物だけ持って家を出たこと。 <いったい誰の墓場だろうか?わからなかった。わかったのはただ、何かが終わったことだけだ。わたしの知らないうちに、何かが終わっていたのである!(P153〜)> 向かったのは祖父母の九州筑前。しかし「わたし」は九州弁の発音はできないままだ(筑前はチクジェン、全然はジェンジェン)。そしてこの土地ではみんな指せる将棋が自分には指せない。「わたし」にとっての将棋は、朝鮮将棋と曽祖父から教わった挟み将棋なのだ。 「それ、挟んで、ちょい!挟むつもりが、挟まれた!」 やがて大学受験のために上京することにした。この時母に持たされたのがカーキ色の旧陸軍の歩兵用の外套だった。  やっと外套が出てきた! この外套で外国語大学の試験に向かったんだけど、「早起きは三文の得」を英語訳できなくて試験は落ちた。それが今朝思い出した早起き鳥の「ジ・アーリィ・バード・キャッチズ・ア・ウォーム。早起き鳥は虫を捕まえる。」  やっと20年前に! なんでいきなり外套を、早起き鳥を思い出したのかは「とつぜん」です 笑 そして自分が上京してきてからの移動地図を書いてみた。20年で15箇所、訪ねる相手は、当時の下宿先、外套を質入れしたり取り出したりした質屋、当時の友達、文学娼婦のヨウコさんがいた店のあたり。 それぞれで会えたり会えなかったり、会えたらいきなり「ぼくの外套を覚えていますか?」というので相手との会話がイマイチ噛み合わない 笑 まあ結局いつ外套を失った(手放した?失くした?取られた?)かの記憶は戻らず、今待ち合わせしている山川は外套とは何の関係もない。 あとがきの解説によると、「本文に出てくる色々なものが対象に鋏みあっている」んだそうだがそこまで読み取れず(^_^;) 武田信明によるこの解説はとても良かったです。 何を読んでいるんだかよくわからん、「とつぜん」に行ったり来たりする記憶の語り口は結構印象的なものも多い、でもよくわからんって不思議なお話(^_^;)

Posted by ブクログ

2024/02/02

久しぶりに独特な、後藤明生を初めて読んだので、これが後藤明生の特徴なのかまでは分からないが、そういった小説を読んだ。解説の通り、この小説が外套を探し求めることをきっかけに、〈わたし〉の記憶を遡行するものだとすると、保坂和志の『この人の閾』では外套に該当するのが大学の先輩だったと思...

久しぶりに独特な、後藤明生を初めて読んだので、これが後藤明生の特徴なのかまでは分からないが、そういった小説を読んだ。解説の通り、この小説が外套を探し求めることをきっかけに、〈わたし〉の記憶を遡行するものだとすると、保坂和志の『この人の閾』では外套に該当するのが大学の先輩だったと思える。この二つは構造的に似ていると言えても、挟み撃ちは連想ゲーム的な思考で中盤から全く話の筋から脱線してしまうので少し大変だった。それでも話、思考の続きが気になるので楽しく読めた。 解説がすごい

Posted by ブクログ

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