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月と六ペンス 光文社古典新訳文庫
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月と六ペンス 光文社古典新訳文庫

ウィリアム・サマセットモーム【著】, 土屋政雄【訳】

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月と六ペンス 光文社古典新訳文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2008/06/20
JAN 9784334751586

月と六ペンス

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商品レビュー

4.1

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2026/09/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

何より面白かったのは、語り手の視点の冷静さ、観察の細かさ、対象との距離の取り方だ。登場人物の虚栄や自己欺瞞を容赦なく見抜きながら、それを露骨に断罪するのではなく、イギリス風京言葉のような上品な皮肉に包んで差し出してくる。描写は美しく、文章のキレも最高。 登場人物は悉く魅力的。ストリックランドは「安定した生活を捨てて夢を選んだ人」ではないと思う。そもそも選んでいない。描かずにはいられず、そうせざるを得なかった、そういう習性の生き物だ。社会や家族や身体からは自由でも、美への衝動には完全に隷属している。 中でも一番魅力的だったのはストルーブ。善良だからストリックランドを助けるのではなく、美の基準に抗えないから助ける。道化に見え、自分では凡庸な絵しか描けないのに、審美眼だけは確か。妻を奪い、自分を徹底的に傷つけた男の絵なら駄作であってほしいはずなのに、傑作を傑作として認め、破壊することができない。単なる善良な寝取られ亭主ではない。私情によって美の価値を曲げられない、ひどく純粋な狂信者。最高です。 エイミー、ブランチ、アタもそれぞれ好き。置かれた場所も欲しいものも違うが、三人とも欲しいものは欲しいと言い、自分から取りに行く女たちだ。 誰もが同じ月を見ているわけではない。ある人物には六ペンスにしか見えないものが、別の人物には月なんだろう。 前半の怒涛の展開とキレに対して後半、ストルーブが去り、タヒチへ着いてからは少し勢いが落ちている。タヒチの風景描写はひたすら美しい。ストリックランドが求めた場所へ行き着き、あるいは帰り着き、完成したことはわかる。ただ、病や身体の崩壊が彼にとって無関係であることは、もうこちらは十分に知っている。前半の「悍ましいほど美しくて目を離せない」から、後半は「美しい場所で美しいものを完成させる」へ移り、美と醜の摩擦が弱くなったように感じる。 ストルーブが絵を切れなかった場面で、作品の主題はほぼ決着している。妻の死、屈辱、憎悪より美が勝つ。これ以上、何を証明する必要があるのか。そこへ病、失明、壁画、死、焼却まで積むから、証明ではなく列聖の儀式に見えてくる。 美しい蛇足。それよりもう少しストリックランドとストルーブを見ていたかった。

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2026/08/05

古典の名作。導入で尻込みし何度も挫折したのだが、ついに読破。読み進めるとそれほど難しい世界観ではなかった。順風満帆な人生、家庭を突然捨て「絵描きになる夢」を追いかけるストリックランド。ゴーギャンをモデルにしたと言うがあまりにも性格、行動が破綻しており(何故か人たらしではあり関わっ...

古典の名作。導入で尻込みし何度も挫折したのだが、ついに読破。読み進めるとそれほど難しい世界観ではなかった。順風満帆な人生、家庭を突然捨て「絵描きになる夢」を追いかけるストリックランド。ゴーギャンをモデルにしたと言うがあまりにも性格、行動が破綻しており(何故か人たらしではあり関わった人々は全力で搾取されるのであるが)あくまでモデルの域であるのだろう。 人には真の故郷があり、彼にとってはタヒチだったのだろう。終始読み手も振り回される傍若無人っぷりを発揮したストリックランドだが、あるシーンで驚くべき反応を見せた。 それにしても芸術とは死後評価が高くなるのものだが早々にそれを見抜いていたストルーブは大したものだ。 人物描写に優れ、人となりが手に取るように分かる。モーム自体が劇作家として活躍したので表現力は随一だ。今年は少しずつ古典作品を読み進めることにしたが、良いスタートを切れた。

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2026/04/17

最初の3章はつまらなく感じて、なんの本を読んでいるのか分からなかった。 でも、次第にほんの世界にのめり込んでいって結局夢中で読みました。 時代も土地も違うから、俯瞰で読んでいる。なのにすごく想像ができる、不思議な本でした。 画家はとんでもない人間で、周りの人々の人生をめちゃくちゃ...

最初の3章はつまらなく感じて、なんの本を読んでいるのか分からなかった。 でも、次第にほんの世界にのめり込んでいって結局夢中で読みました。 時代も土地も違うから、俯瞰で読んでいる。なのにすごく想像ができる、不思議な本でした。 画家はとんでもない人間で、周りの人々の人生をめちゃくちゃにする、とあらすじを(途中で)読んだので、ストリックランドには嫌悪感を覚えてこの本を読み終わるのだろうと思っていました。 しかし、たしかにストリックランドはめちゃくちゃですが、とても魅力的に描かれていて、彼を嫌いだと思う暇はなかったです。

Posted by ブクログ

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