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生きながら火に焼かれて ヴィレッジブックス
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生きながら火に焼かれて ヴィレッジブックス

スアド【著】, 松本百合子【訳】

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生きながら火に焼かれて ヴィレッジブックス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ヴィレッジブックス
発売年月日 2008/01/17
JAN 9784863328181

生きながら火に焼かれて

¥792

商品レビュー

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2026/02/26

この作者は今も隠れて生きている。名前も偽名だが職業を持ち三人の子供にも恵まれ、5人家族の幸せな家庭を築いている。 この本から<名誉の殺人>を知った。 彼女は、ヨルダン川を遡り、政治や法律も届かない奥地の村で生まれた。 女に生まれただけで、家畜以下の労働を強いられ、父親の暴力は激...

この作者は今も隠れて生きている。名前も偽名だが職業を持ち三人の子供にも恵まれ、5人家族の幸せな家庭を築いている。 この本から<名誉の殺人>を知った。 彼女は、ヨルダン川を遡り、政治や法律も届かない奥地の村で生まれた。 女に生まれただけで、家畜以下の労働を強いられ、父親の暴力は激しく、仕事以外は塀の外に出ることができない。外の文化も知らず、教育もなかった。日々働くことだけの暮らしだった。 村は男社会で、男には自由があった。家庭の中でも男だけが人間だった。 女の子は、成長して結婚の機会があれば、家の名誉のため、見得のためにできるだけ派手に支度をして、宴を開く。 そして男の子を生まないといけない。女ばかり産むと虐待されときには殺されることもある。 必要の無い子供が生まれるとソッと殺してしまう。こともある。 そして、女の子は、男を見てはいけない、手足を見せるような服を着てはいけない、結婚までは処女でいなくてはいけない。もしその掟を犯したなら、家族の名誉のために殺され、排除されてしまう。 嫁に行かない妹は弟が首を絞めて殺したようだ。 著者のスアドは、1970年後半、17歳で向かいの青年に恋をする、妊娠してしまうと、恋人は逃げ、母に知られてしまう。 彼女の処置について家族会議が開かれていた。どういう方法で誰が殺す役を引き受けるか。 身に危険を感じながらおびえていた数日後、井戸端で洗濯中に、義兄からガソリンか、灯油のような液体を頭から掛けられて火をつけられる。 燃えながら走り気を失なってしまう。目が覚めると病院にいた。一命を取り留めたが、治療も受けず乱暴に体に水をかけられベッドに寝かされていた。 そして意識ももうろうとしたまま7ヶ月で男の子を生む。 そこに<人間の土地>と言う福祉団体で働いている、ジャックリーヌがきた。医師を説得し、両親に国外で死なせることを約束し、子供も探しだす。 子供とともにスイス行きの飛行機に乗せる。初めての文化に触れ、適応していくために指導を受ける。子供は養子にして預け、仕事にも就く。 文字は少しだが読めるようになり、20回の皮膚移植を受け、家庭を持つことができた。 過去のストレスから開放されず、何度もうつ状態にもなる。 だが今でも世界で「名誉の殺人」と言う名の下に、逃れて名を変え、隠れて暮らしていても見つかり殺されている。 彼女はこの本を書いて多くの人に現実を理解して欲しいと訴えている。ずいぶん古い時代のことにも感じられるが。 私は以前同じ出版社の「イヴと7人の娘たち」(このテーマとは関係なくとても興味深い内容だった)と言うノンフィクションを読んだ。その時この強烈な題名を見た。 題名が恐ろしい。中世の魔女裁判なのか。 最近 女性の隔離収容所が舞台のミステリを読んだ。その後、イギリスの「マグダレンの祈り」という純潔を失うことは家の恥であるというテーマの映画を思い出した。「家の恥」のもとになった娘を修道院に終生隔離する話だった。(逃げ出した娘から事実が明るみに出て閉鎖されたようだが) 今も行われている中東を中心にした<名誉の殺人>と言う現実を知った。 今は法的にも認められてはいない。でもとふと思った。日本のあだ討ち、上意討ち、果し合い、御前試合。武士の名誉は命がけだったなと。 外国でも決闘が有り、(今は決闘法ができたとか)それでも人は名誉を守るために命をかける。命を奪う。 名誉が命より大事だと思う人々の犯す罪は、深い深い人の根源に連なっていて、ひとつの思想が認識されるのには100年かかると言う、形は異なっていても因襲の中に囲われ人生を終わる無残さは、目を覆うばかりに過酷で悲惨である。 これから「予告された殺人の記録」(G・ガルシア・マルケス)の本を読もうとして、この本は、解説などから、あるいは名誉の殺人の影があるのかもしれない、(全く見当違いかもしれないが)と思いつつ。まだまだ知らない世界がありすぎる。

Posted by ブクログ

2025/12/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

本当は、読みたくはなかったんだよ。 20年くらい前にベストセラーになった本書。 中居くんが「読んでいるとすごくつらいけど、知っておかなくちゃだめだと思って。こういう本も読まないとだめだと思って読んでる」と言っていたので、意を決して読みたい本リストに載せて20年。 ようやく読みました。 未だに女性の地位が低い国は、私が思っているよりもたくさんある。 時折、家族に殺されたり嫁ぎ先の家庭で殺されたりする女性のニュースを聞くことがある。 中東だったり、インドだったり、アフリカだったり。 この本の語り手であるスアドは、女性が男性と話をするだけでも、父親からせっかんを受けるような国(地域)で、初恋の男性との子どもを身ごもってしまい、家族に殺されかける。 洗濯をしている時、灯油か何かを頭からかけられて、火をつけられたのだ。 これは「名誉の殺人」と言い、家族に恥をかかせた娘を殺さないと、家族が村八分にされてしまうのだ 女の子は学校に行かせてもらうことはなく、朝から晩まで家事や家畜の世話、畑仕事などにこき使われる。 父親は「娘なんてものは、家畜ほどにも役に立たない」と、常日頃からぶったり蹴ったりの乱暴を働く。 結婚前の少女は、一人で外を歩くことも許されず、結婚をすると父から夫に隷属先が変わるだけ。 それが女の一生なのだ。 スアドはそれが当たり前と思って、それ以外の人生があるとは思いもしないで生きてきたが、偶然殺されかけたところを助けられ、九死に一生を得た。 福祉団体の力によって、ヨーロッパに脱出し、今は結婚して二人の娘にも恵まれているが、それでも体中の火傷と火に対する恐怖は一生残り、今でも正体と居場所がわかると家族が殺しに来るかもしれないのである。 なんというか、とにかくすべてが想像以上におぞましい。 妊娠を告げたとき、初恋の男は姿を消してしまい、絶望にかられたスアド。 全身の火傷を負いながら、入院した病院でも手当てをされることもなく衰弱していくスアド。 衰弱し、朦朧としたなかで、7ヶ月の男の子を早産するが、病院の人にすぐに連れ去られてしまう。 息子マルアンとは、ともにヨーロッパに行ったものの、彼女が育てられるわけもなく、別々の人生を送ることになるが、その後再開して、スアドの新しい家族とも同居することになる。 めでたしめでたしで、よかったね。 とは言えないくらいの壮絶な人生を送った彼女に、かける言葉が見つからない。 だが、何事もなく故国で暮らすことができていたら、一切の人としての尊厳を奪われた人生を送らなければならなかったわけだ。 そんな女性たちをなくすために、スアドが声をあげたのが20年前。 それでも今も、家族に殺されていく女性のニュースを耳にすることはある。 悔しい。

Posted by ブクログ

2020/01/19

名誉の殺人の数少ない被害者本人の証言を元に語られるストーリーは凄まじいものでした。 女性だけに限らず、誰にも読んで見てほしい作品です。

Posted by ブクログ