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生きながら火に焼かれて の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2020/01/19

名誉の殺人の数少ない被害者本人の証言を元に語られるストーリーは凄まじいものでした。 女性だけに限らず、誰にも読んで見てほしい作品です。

Posted byブクログ

2018/03/16

内容(「BOOK」データベースより) 一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた…恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言するこ...

内容(「BOOK」データベースより) 一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた…恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてを賭けて。―これは、遠い過去の話でも、フィクションでもない。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃のノンフィクション!文庫化にあたり、書き下ろし特別原稿「日本の読者のみなさんへ」収録。 女性の権利や地位が向上して、今や男以上にパワフルに活動している女性が無数にいます。所があり得ない位に女性の地位が低く、勉強などもってのほか、自分の考えを持つなど考えもよらず、家長の意に染まないと殺されたりする世界もまた現存します。 この本を書いた女性の境遇もまたあまりにも惨いものでした。現在もイスラム国の問題の中で女性への性奴隷としての扱いという言語道断な話もあります。根本的な女性への尊敬を育てていくのはこれからの国際的な命題ではないかと思います。

Posted byブクログ

2015/02/11

シスヨルダンで起った実話。 女性差別など、テーマ的には興味深いが、 文学的には、あまり好みではない。

Posted byブクログ

2015/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今でもイスラム圏地域で幅広く行われている「名誉の殺人」。未婚の女性が男性と話したり、目を合わせたりするだけで、家族の恥とみなされ、家族に殺される。本書は生き延びた被害者の著者が、悪夢の体験と、再生後の第2の人生と、様々な葛藤を記した本である。 未だにこういった習慣がある地域があるというのは驚きである。著者は17歳の頃、恋をして肉体関係を持っただけでなく妊娠までしてしまい、親に火あぶりにされた。著者の生まれた地域では、女性に生まれるだけで奴隷のような人生を送ることになるようだ。未だに両親が彼女を見つけて殺しに来ないか心配で、偽名で本を書き、顔も隠しているという。 彼女の写真が裏表紙に載っているが、確かにとてもひどいやけどで、目を背けたくなる。殺されると分かっていて妊娠までしてしまうのは不注意だと思った。しかも、何とか亡命できた国で子どもを見捨てて、自分は新しい家族を築き、人生をやり直すのはなんだか腑に落ちなかった。もちろん、罪悪感に悩み、全身のケロイドに悩み、新しい家族に自分の過去を告白することに苦しみ、その結果うつ病になり、苦労は想像を絶する。 本を出版してすべてを告白することが、捨てた子どもに対する著者の懺悔である。

Posted byブクログ

2014/03/05

イスラム圏に住んでいた、「名誉の殺人」を生き延びた著者が振り返る壮絶な過去。例えば結婚したその次の朝、村中の人々は主人が干したスーツに新婦の(処女でなくなった印の)血がついているかどうか確認しに集まること、絶対男尊女卑制度、そして今も残る「名誉の殺人」について。こんな世界が、今も...

イスラム圏に住んでいた、「名誉の殺人」を生き延びた著者が振り返る壮絶な過去。例えば結婚したその次の朝、村中の人々は主人が干したスーツに新婦の(処女でなくなった印の)血がついているかどうか確認しに集まること、絶対男尊女卑制度、そして今も残る「名誉の殺人」について。こんな世界が、今もなお私たちの社会と平行に存在しているのかと、驚かずにはいられなかった。

Posted byブクログ

2013/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 所属する社会の中で、約束事を犯しただけで、申し開きや第三者の介入のないまま、家族が手を下す「名誉の殺人」。  スアドが自分の存在を明らかにし、そしてこの因習から虐待を受けている女性や子供に救いの手を差し伸べている非営利団体の存在を伝えていると言うことだけでも、この本の存在は大きい。  男尊女卑、女は子孫を絶やさぬだけの道具としての考え方は、まだまだ根強く、その社会の支配層に有利な行使と判断で、法律の前でも殺人ですら無罪としてしまう。スアドの暮らした中東シスヨルダンは決して今日食べるものに困窮している土地ではない。先進国の価値観を押し付けるのは、そこに住む人の為にならないのは分かっているが、世界の文盲の廃絶と人、文化の交流を気長に続け、内側からこの様な因習を解いていかなければならないと思う。  イスラム文化圏は分からない事だらけだなぁ。  

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2012/09/23

読み進めながら胸痛められた。 この真実を知って何ができるかわからないけど知れてよかった。後半見えてくる著者や家族の人柄が凄く好き。 多くの人に読んでほしい本

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2012/01/12

 驚いた。  以前に「大地の子エイラ」という本を読んだ時に、女性のあまりの扱いの悪さに驚いた。しかしながら、あの物語の中では、女性の地位は低かったけれど、女性にも女性なりの価値があった。  現代においても、女性の参政権が認められなかったり、遺産を受け継ぐ権利がなかったりということ...

 驚いた。  以前に「大地の子エイラ」という本を読んだ時に、女性のあまりの扱いの悪さに驚いた。しかしながら、あの物語の中では、女性の地位は低かったけれど、女性にも女性なりの価値があった。  現代においても、女性の参政権が認められなかったり、遺産を受け継ぐ権利がなかったりということがあるのは知っていたけれど、要はそれって「女性は個人ではなく(男性にとっての)価値ある財産」の扱いなのかな……と。  しかしながら、この本を書いたスアドという女性は、シスヨルダンに暮らす女性たちは、財産ですらない。人間として扱われていない。性が違うというだけで、学ぶことも許されず、絶えず暴力を振るわれ、それが当たり前であるというのだ。  淡々と書かれているけれど、想像も付かないような多大なストレスの中で生きている。しかもこれは過去の話ではなく、現代の話なのだ。  スアドはタイトルの通り生きながら火に焼かれ、生き延び、ヨーロッパで暮らしている。  世界を知らず、文字を知らない彼女が、生まれ育った場所からヨーロッパに行き、さまざまなことを学んだのだろうと思う。いつの間にか客観的な冷静な観点を持っていることがすごい。自分を好きになるということが簡単ではない、そして身の回りのみんなを大切に思い、愛しているということがすばらしい。  内容からして陰鬱な気持ちとなるのかと思ったけれど、スアドの姿勢に励まされるような気持ちとなった。

Posted byブクログ

2011/11/05

この作品を知ったのは大学の頃です。 平和学か何かの授業だったと思います。 そのときかなりの衝撃があったことを今でも覚えています。 現代日本に暮らしているわたしにとって【名誉の殺人】というものは未知のものでしかなかった。 【名誉の殺人】の存在を知って約7年ほど経った今、立ち寄った本...

この作品を知ったのは大学の頃です。 平和学か何かの授業だったと思います。 そのときかなりの衝撃があったことを今でも覚えています。 現代日本に暮らしているわたしにとって【名誉の殺人】というものは未知のものでしかなかった。 【名誉の殺人】の存在を知って約7年ほど経った今、立ち寄った本屋でこの本を見つけた。 見つけた時に【名誉の殺人】を知った時の記憶がすぐさまよみがえって、家に持ち帰った。 執筆されたのは約10年前です。 発売からも約10年。 サイクルが早い世の中で忘れ去られるには十分な歳月のように感じます。 わたしは今、この本を読んで、この世界に【名誉の殺人】がある事実を世の中は忘れてはいけないと思いました。 少しでも多くの人に存在を知って欲しい。 スアドのメッセージを受け取って欲しいと思いました。 だからweb本棚で登録をして、レビューを書いています。 一人でも多くの人が、この本に巡り会い、知り、考えるように。 まず、事実を知ること。 広めること。 そこからが大きな一歩になるんではないかと思っています。

Posted byブクログ

2011/10/15

中東シスヨルダンの小さな村での、ノンフィクションの実体験を語る本。名誉の殺人と対象とされ、生きながら火に焼かれ生き残り、そして、危険を顧みず、実体験を語る。 今なお虐待としの危険にさらされている女性達はまだいる。 何が出来るか。ということのまえに、知ること。 が大切なんだと思...

中東シスヨルダンの小さな村での、ノンフィクションの実体験を語る本。名誉の殺人と対象とされ、生きながら火に焼かれ生き残り、そして、危険を顧みず、実体験を語る。 今なお虐待としの危険にさらされている女性達はまだいる。 何が出来るか。ということのまえに、知ること。 が大切なんだと思う。 とても力強い生命を持った、かつ美しい女性の体験談。 出会えてよかった一冊でした。

Posted byブクログ