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乳と卵
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2008/02/25 |
JAN | 9784163270104 |
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乳と卵
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商品レビュー
3.1
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44pの議論が面白い。 女性同士の対談で、一人の女性は胸を大きくしたいと考えていて、もう一方の女性がそれに言いがかりをつける。 「胸を大きくしたいという願望は多かれ少なかれ男性的な精神を経由していて、豊胸手術自体も、自分の願望の出自に無自覚なのもどうなの」 「私の胸を大きくしたい...
44pの議論が面白い。 女性同士の対談で、一人の女性は胸を大きくしたいと考えていて、もう一方の女性がそれに言いがかりをつける。 「胸を大きくしたいという願望は多かれ少なかれ男性的な精神を経由していて、豊胸手術自体も、自分の願望の出自に無自覚なのもどうなの」 「私の胸を大きくしたいという単純な願望はただ私がよりよく在りたいという願望にすぎず、男性主義的な観念とはまるで関係がない。貴方も化粧をしているが、それと何が違うのか。男性主義的な観念を経由していないとどう証明できるのか。実はあなた自体が男性主義的な観念そのものではないか。」 言うまでもなく、個人が持つ願望(胸を大きくしたい)が、特定の背景を持つはずだという断定は根拠に乏しく、言いがかりと言わざる得ない。 何かについての願望があること自体は事実だが、その更に上位の出自であったり背景が明確に定まることは少ないだろう。 身の回りでも結婚をしたいという人が多いが、なぜ、と聞くとなんとなく、とか、要領を得ない回答しかもらえないことが多い。願望だけがあるという状態はある。 にも関わらず、願望を口にすると、その背景を邪推され、その邪推をもとに非難されたりする。 本当は、願望を聞いたら、「そういう願望があるんだなあ」程度の感想で留めるのが正しそう。自分も無神経に人の願望にコメントしたことがある気がする。 願望の背景や出自は、その願望の持ち主が自由に創作してよいのかも。こういう理由なんですと自己申告すれば、誰もそれを否定できない。 本作では、「豊胸手術がしたい」という母の願望を聞いた子が、なぜ、と理由を想像・推測し、絶望する、みたいなシーンがある。結局のところ、人がなぜそのように思うか、というところは、踏み込んで話してみるまで分からず、話したところで、それが事実で確定ということにもならない。 上記のことを前提に、個人の願望は慎重に扱っていくべき情報なのかもしれない。一意に求めようとせず、揺らぎを許容する姿勢を持ちたい。
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生理がくる、生理がきたら、卵子とか子供を産めるからだとか、そんなことを考えている緑子がとても愛しくなった。 生理という強制的で突然ですごく分かりやすい体の変化に対して戸惑っている緑子とは逆で、分かりやすい女性性を求めるかのように豊胸手術をしたがる巻子。なんだか混じり合わなくて、だ...
生理がくる、生理がきたら、卵子とか子供を産めるからだとか、そんなことを考えている緑子がとても愛しくなった。 生理という強制的で突然ですごく分かりやすい体の変化に対して戸惑っている緑子とは逆で、分かりやすい女性性を求めるかのように豊胸手術をしたがる巻子。なんだか混じり合わなくて、だから緑子も声を発しないんだろうけど、それが卵のシーンでぐちゃぐちゃになる。 文体も展開も分かりにくいようでいて、結構すーっと染みこんでいった。
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「夏物語」とほぼ一緒というか、「夏物語」は「乳と卵」をリライトしたものだと知って、読みたくなった。 「乳と卵」の方が、純文学感があるというか、独特な言い回しで読みにくい。その分個性はあった。 私は最近の川上未映子さんの作品が好きなんだけど、それは表現の生々しさや展開の面白さは...
「夏物語」とほぼ一緒というか、「夏物語」は「乳と卵」をリライトしたものだと知って、読みたくなった。 「乳と卵」の方が、純文学感があるというか、独特な言い回しで読みにくい。その分個性はあった。 私は最近の川上未映子さんの作品が好きなんだけど、それは表現の生々しさや展開の面白さはそのままに、読みやすくなったからなんだと気づいた。
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