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国のない男
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会/日本放送出版協会 |
| 発売年月日 | 2007/07/25 |
| JAN | 9784140812518 |
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国のない男
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商品レビュー
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78件のお客様レビュー
「スローターハウス5」などで有名なアメリカの小説家、カード・ヴォネガット・ジュニア、82歳当時の生前最後のエッセイ。 ヴォネガットのイラスト、手書きの言葉なんかが本書には散りばめられている。また全体は12篇のエッセイから成っている。 デザイナーをしていた祖母のお勧めでプレゼント...
「スローターハウス5」などで有名なアメリカの小説家、カード・ヴォネガット・ジュニア、82歳当時の生前最後のエッセイ。 ヴォネガットのイラスト、手書きの言葉なんかが本書には散りばめられている。また全体は12篇のエッセイから成っている。 デザイナーをしていた祖母のお勧めでプレゼントされたのだが、全く読まないまま15年近く経って、祖母ももうしばらく前に亡くなってしまったのだが、ふと思い出して読んだ。一体なんだったんだろうなと。 カート・ヴォネガットの姿勢を見て、具体的にどこだかはっきりはしないのだが、オノ・ヨーコの「グレープフルーツ・ジュース」とか「ただの私」を思い出した。アーティスト特有の自由や平和や愛へのこだわりと、権力への反抗心、汚れを拒否する潔癖主義などを感じた。アメリカの拡大主義や、新自由主義、勝利主義、進歩主義、科学万能主義を皮肉る。ブッシュ、コリンパウエルなどの名前をあげて批判するなど、歯に衣着せないところもある。 自分の祖母はおそらく戦前生まれだが、幼少期は戦後だったはずで、貧しいかもしれないが戦争自体はほとんど経験がない。貧しい育ちの中でも服飾の学校に通い、デザイナーとして名を上げた。一時は日本橋高島屋に自分の名前の店も持っていたようで、現役時代は大層お金もあったようだった。夫も有名な広告デザイナーだったが、私の母がおそらく小学生くらいの頃に離婚した。女手一つで稼ぎ、母とその姉を含む2人の子供を育ててきた。お金の使いすぎで破産したり、それでもまたオンラインで自分の店をやったりと、老後もなにかと波瀾万丈だった。若い頃はスキーが抜群に上手かったようだが、中年時代にスキー中に大きな骨折して金属を体に入れてからはやめてしまい、慢性的な脚の痛みとも闘っていたようだった。鶏のスープなど健康的な食事も好きだった。私と一緒に植物を育てたり、絵を描いたりするのも好んでよく遊んでもらった。アンティークが好きで、とてもおしゃれだったが、こだわりが強く、母との間では確執もあったようだった。香港映画や洋画が大好きでよく観ていた。ダ・ヴィンチ・コードなんかも、祖母から教わった。そういえば、長谷川町子の「いじわるばあさん」になりたい、という話も聞いたことがあった。 そんな祖母が、カート・ヴォネガットが好きだった、そして私にこれを紹介したのはなんだったのだろう。破産したり離婚したりもしつつも、強く品位と自律自尊の精神を持って生き続けることへの敬意を感じ取った、とも考えられる。アーティストとして同じような、世の中に安易に流されない精神の気高さや、率直さ、反抗心のような、自由な気風を感じ取ったのだろうか?それとも、ヴォネガット自身のアートの込められた本書の文体やこの本の装丁自体の美しさが気に入ったのかもしれない。 今思えば、祖母は別にいわゆる人生の勝者というわけではなかった。敗者でもなく、結局のところ晩年はどちらかと言えば豊かな方ではあったとは思うし、いろいろな機会に恵まれ、波瀾万丈あったことは、結局幸せだったのではないかと思うが、それでも、いわゆる幸せの定義の枠内に収まり切る人生を送ってきたわけじゃなかった。だからこそ、この祖母から見て、世の中の簡単な成功物語とか綺麗な建前に踊らされるんじゃなくて、カート・ヴォネガットのように、浮いても沈んでも自分の目で見て感じて考えて、自分の物差しを断固としてもちつづけることに気高さを感じたのかもしれない。それぞれが持っている自分なりの物差しを見失わないところ、その大切さやその心意気を教えてくれたのかな。それは、彼らの気高さであり、信念であり、美学であるのかもしれない。 ヴォネガットをよく知らないまま読んだが、気になるなと思う言葉や考え方が随所にあった。悲観的だが絶望はしていないような姿勢や、そういう人生におけるユーモアの使い方、幸せを幸せと認識すること、想像力を働かせることなど、少し前向きになれる要素がある。イラク戦争、テロ対策などについて触れる話もあり、その合理性がもたらす反動や、わかっているはずの地球環境破壊への対策の遅れを嘆く姿など、考えれば考えるほど、現実的な解決策は見えないが、世の中を憂う姿が印象的だった。
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この本で2025年を締めることになるだろうと思っていたのだが、 思いも寄らず引き込まれてしまい、するすると読了してしまった。 ヴォネガット最後の作品エッセイ。 ジョージ・ブッシュ政権への批判、当時の世相への嫌悪感、人類への愛情と絶望が、ユーモアたっぷりにシニカルに書かれている。...
この本で2025年を締めることになるだろうと思っていたのだが、 思いも寄らず引き込まれてしまい、するすると読了してしまった。 ヴォネガット最後の作品エッセイ。 ジョージ・ブッシュ政権への批判、当時の世相への嫌悪感、人類への愛情と絶望が、ユーモアたっぷりにシニカルに書かれている。 今ならチェックが入りそうな差別が結構出てくるのだが、それは当時は気にされなかった(被差別者を慮るような時代ではなかった)のと、当時の彼の読者層が被差別とは無縁の階級であった(人種的・性別的・経済的・文化的に)ということなのかもしれない。 *************** 「唯一わたしがやりたかったのは、人々に笑いという救いを与えることだ。ユーモアには人の心を楽にする力がある。アスピリンのようなものだ。百年後、人類がまだ笑っていたら、わたしはきっとうれしいと思う。」 「これが幸せでなきゃ、いったい何が幸せだっていうんだ」 「幸せなときは幸せなんだと気づいて欲しい。叫ぶなり呟くなり、考えるなりしてほしい」
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※このレビューにはネタバレを含みます
82歳で書いたエッセイで、最後の作品。とりとめなく書かれているけれど、基本的な姿勢はとてもうなずける。 「「進化」なんてくそくらえ、…人間というのは、何かの間違いなのだ。われわれは、この銀河系で唯一の生命あふれるすばらしい惑星をぼろぼろにしてしまった。」 「われわれは全員、化石燃料中毒なのだ。そして現在、ドラッグを絶たれる寸前の中毒患者のように、わらわれの指導者たちは暴力的犯罪を犯している。」 「電子化されたって、いいことなんか、何もない。…われわれはダンシング・アニマルなのだ。起きて、外に出て、何かするというのはすばらしいことではないか。」
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