国のない男

カートヴォネガット【著】, 金原瑞人【訳】

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会/日本放送出版協会
• 発売年月日: 2007/07/25
• JAN: 9784140812518

商品レビュー

2023/08/08

82歳で書いたエッセイで、最後の作品。とりとめなく書かれているけれど、基本的な姿勢はとてもうなずける。

「「進化」なんてくそくらえ、…人間というのは、何かの間違いなのだ。われわれは、この銀河系で唯一の生命あふれるすばらしい惑星をぼろぼろにしてしまった。」
「われわれは全員、化石燃料中毒なのだ。そして現在、ドラッグを絶たれる寸前の中毒患者のように、わらわれの指導者たちは暴力的犯罪を犯している。」
「電子化されたって、いいことなんか、何もない。…われわれはダンシング・アニマルなのだ。起きて、外に出て、何かするというのはすばらしいことではないか。」

2023/03/03

私も人類を見限りたい
こんな世の中じゃ子供だって産みたくないし未来に希望なんて持てやしない
この先どんな人生が待ち受けていようともそれが明るいものであるとは到底思えない。
でも私はこの人の本を読んで笑うことができた
世の中を皮肉る姿勢とユーモアのこもった批判で、不安や恐怖を一瞬でも和らげることができた。
私もそうできたらいいと思った
暗い世の中でも、ささやかな会話の中に笑うことができる瞬間があるといいな
無理して笑うんじゃなくて、自然にね

2021/05/23

えっ！と驚いたり、ふっ！と笑みが浮かんだり、ん～と考えたり、筆者の毒舌とユーモアに一喜一憂しながら読了。面白かった！

｢新聞・TVなどは臆病なうえに無警戒で、ちっとも国民の役に立っていない。実際にいま何が起こっているのか知ろうと思ったら、頼りになるのは本だけだ。｣と筆者。あれ？国問わず、今も昔も変わらないのね～。

｢人々に笑いという救いを与えることだ。ユーモアには人の心を楽にする力がある。｣
｢幸せなときには、幸せなんだと気づいてほしい。｣
思わず、はい！と返事をしたくなった。