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米軍と農民 沖縄県伊江島 岩波新書
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米軍と農民 沖縄県伊江島 岩波新書

阿波根昌鴻(著者)

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米軍と農民 沖縄県伊江島 岩波新書

946

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2002/06/14
JAN 9784004111047

米軍と農民 沖縄県伊江島

¥946

商品レビュー

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2025/11/16

沖縄本島の北西に浮かぶ伊江島。ここは、かつて太平洋戦争の後半、圧倒的な戦力で沖縄に押し迫る米軍が沖縄上陸を前に大挙して押し寄せ、住民の約半数が死傷するという凄惨な戦いが繰り広げられた地である。捕虜になるよりも死を選ぶという当時の教えの中で、非戦闘員の女子供老人までが竹槍を握り米軍...

沖縄本島の北西に浮かぶ伊江島。ここは、かつて太平洋戦争の後半、圧倒的な戦力で沖縄に押し迫る米軍が沖縄上陸を前に大挙して押し寄せ、住民の約半数が死傷するという凄惨な戦いが繰り広げられた地である。捕虜になるよりも死を選ぶという当時の教えの中で、非戦闘員の女子供老人までが竹槍を握り米軍に立ち向かった。そして投降する日本人を投降させまいとする日本軍が同じ国民同士で殺し合い、ガマでは集団自決も発生するなど、この世の地獄を全て詰め込んだような悲惨な歴史を持つ島である。太平洋戦争時にこのような苦しい想いをした島民ではあったが、その後日本が戦争に敗れ、アメリカ進駐後には更に大きな不幸に見舞われる事になる。 阿波根昌鴻(あはごん しょうこう)、沖縄のガンジーと呼ばれ、戦後の同島に於いて、農地を強制収容し基地と化した米軍に対して、非暴力的な抵抗運動を展開した人物、それが本書の作者である。伊江島は戦後に土地の約6割を米軍に強制接収された。その際、同氏は土地は農民の命であると、強制収容への反対運動の先頭に立ち、「全沖縄土地を守る協議会」の事務局長や「伊江島土地を守る会」の会長も務めている。本書のタイトル「米軍と農民」は暴力的に農地を奪い取ろうとする米軍と、それに対して言論を武器に非暴力で対抗した農民の戦いの歴史を描いた記録を表したものだ。 阿波根氏は沖縄本島北部の西方に位置し、伊江島への定期便も出ている本部町に生まれる。その後成人したのちに伊江島に移住、更に若くしてキューバやペルーにも移民として渡りながら社会思想に触れ、帰国後には京都で本格的に農業を学んだ。17歳でキリスト教の思想に触れ、キリスト教徒になった事やその考え方は、本書の中でもアメリカ軍に相対する際、頻繁に語句、表現として用いられている。そして本書が語りたかったことの中心は、ただ一つ、自分たちの命を繋ぎ、生きる人間としての当然の権利と農民の命の源である、土地を勝手に奪われたくないという細やかな希望を叶えるため、戦後も戦わざるを得ない人々が居たという事実である。 同氏は2002年にその生涯を終えており、本書は1973年に初版されたものであるが、人生の大半の時間を戦争、そして敗戦後の闘いに投じてきた。その手法としては、自分たちの土地に勝手にミサイルや爆弾を投下してくる米軍に対する非暴力的な言論や、看板を建てて文字で記すというやり方となっている。よって前述したように非抵抗主義でインド独立のために身を投じた、ガンジーに準え「沖縄のガンジー」と呼ばれるに至った。とは言え、完全武装で乗り込んできてはジェット機を飛ばし、火器による(攻撃)訓練を止めない米軍相手であるから、島民にも死傷者が出る。それでも僅かな土地使用料(本人たちは認めていない)では生き延びることも出来ないから、乞食運動を本島で展開するなど徹底した非暴力で対抗した。 本書は阿波根氏がそうした活動を沖縄変換時に改めて伊江島の歴史を振り返り記述した戦史とも言える。沖縄の基地返還問題は今尚続く沖縄特有の問題として、中には補助金欲しさに駄々を捏ねていると言った心無い捉え方をされる。本書は戦後間もない頃の農民と米軍のやり取りを記録したメモ、仲間たちの証言をベースに1973年という古い時代に描かれた内容であるから、記憶も詳細に残っており、その文字から見えてくる沖縄、伊江島の悲劇は真実であろう事が容易に伝わってくる。何より借地料というもが仮にあったとしても、それだけでは食べていけない、農民として生きていけない額であったからこそ、命の危険を犯してまで、そこに住み土地を守るために闘う。その様な彼らが決して諦めず、闘う姿は後の沖縄県下における基地問題の抵抗運動の見本として今尚語り継がれ、そして活動の基本として大きな影響を及ぼし続けている。 農民にとっての耕す土地の大切さ、命を繋ぐための農地の重要性、それを守ろうとする農民たちの命をかける姿は、金さえもらえればそれで十分、と安易にカネで解決しようとする現代人が見ると異質なものに映るかもしれない。何故危険を犯してまで土地を守ろうとするのか、それが先祖代々受け継がれてきた、彼らの宝であり、決して奪えない命と直結した魂であることが伝わってくる。激しい闘争に身を置きながら、その命を守ろうとする人々の戦う姿からは、現代の我々が忘れかけた熱い想いを感じる事ができる。

Posted by ブクログ

2022/03/12

2か月ほど前、初めて行った沖縄で美ら海水族館から眺めた先に島があった。何ていう島なのかなと検索すると伊江島といい、阿波根昌鴻さんという人が開いた「ぬちどぅたからの家」という資料館のようなものがあるとか。そんなつながりから読んでみた本。 アメリカ統治下で伊江島では土地の強制接収を巡...

2か月ほど前、初めて行った沖縄で美ら海水族館から眺めた先に島があった。何ていう島なのかなと検索すると伊江島といい、阿波根昌鴻さんという人が開いた「ぬちどぅたからの家」という資料館のようなものがあるとか。そんなつながりから読んでみた本。 アメリカ統治下で伊江島では土地の強制接収を巡る住民と米軍との闘いがあった。住民側の中心人物だった阿波根さんによる闘いの記録。補償らしい補償もなくだまされるように土地をとられたり、自分の土地を耕せないことで窮乏し餓死する人が出たり、長い闘いのなかで死者も少なくない。無力な琉球政府をはじめとする日本側も情けない。戦争であれだけ被害を受けた沖縄は、戦後も大きな被害を強いられたまま。

Posted by ブクログ

2020/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沖縄の伊江島の住民が、戦後に沖縄を占領している米軍から土地を守る戦いの日々。そしてその活動の中で生まれ貫かれる精神。今も生きているのだと思う。学ぶことがとても多い。 沖縄のことを勉強していたことがあったけれど、全然知らない自分に恥ずかしくなる。多分私は沖縄だけではなくて戦後の日本の話、現代もまた生きる人々が経てきた歴史が事実についても知らないことが多すぎるのだけれど。 沖縄の歴史が日本の歴史として日本の国民に共有されていないことも改めて感じた。 この不正義を前に、本土の私たちにも負うべき責任があると思った。

Posted by ブクログ